だいずせんせいの持続性学入門

自立した持続可能な地域社会をつくるための対話の広場

新年のごあいさつ

2014-01-14 14:39:12 | Weblog

「『根羽村は生活の質が高いのに、なぜ若者が出てしまっていくのか?』ということに話題が及びました。会場の村民の皆さんへ、大久保村長がこの質問を投げかけましたが、だれも答えられません。そこで、大久保村長が『自分たちの地域と暮らしはすばらしいんだ!意識のスイッチを変えて自信を持とう、なんでもできる!そして地域のすばらしさを子どもたちに伝えよう!』と熱く会場へ訴えかけられたことが印象的でした。フィッシャー村長と同じことを考えていたんだと、後ろでお聞きしていて、気持ちが熱くなりました。」森大顕「【森の仲間たち】 レッテンバッハ村長講演会根羽村会場でのご報告」2013年1月14日より

 南ドイツ、バイエルン州にあるレッテンバッハ村。人口減少、高齢化する中で隣村に吸収合併され、村役場も消滅。その後隣村からの「独立」をかちとり、さまざまな地域づくりの取組の中で、人口はV字回復してさらに増加中。自然エネルギー事業が広がり、地元ベンチャー企業が育ち、税収も増加。村営のスーパー、ホール、自然公園など生活基盤も整って、若い世代が移住してくる人気の村になったそうです。独立運動から村をリードしてきたフィッシャー村長が長野県根羽村を訪問してその取組を紹介すると同時に、根羽村大久保村長と対談した一コマです。根羽村も小さい山間の村として合併せずに独自の村づくりをねばりづよく続けてきたおかげで、根羽杉ブランドの産直住宅など目に見える成果が出てきました。フィッシャー村長からすれば、とてもよい土地、自然、人、取組があって魅力的なのに、なぜ若者たちは町に出ていくのか?理解できないのです。すべてはそろっているのに、欠けているのは村の人々が自分の地域とその暮らしの価値に自信がもてずに、心のスイッチが入っていないということ。あとはスイッチさえ入れば、ものごとは大きく進んでいくでしょう。

  村づくりの話だけではないと思います。なにごとにおいても、自信がなく腰がひけていてはうまくいくものもいかなくなります。「根拠のない自信」をもったもの勝ちですね。その自信に引きずられてものごとが動きはじめると、「根拠」はあとからついてくるのでしょう。というか、そもそも「根拠」は先にあるわけではなく、何かをやった結果としてもたらされるものです。何か新しいことを行動・実践しようと思えば、十分な根拠なしにスタートせざるを得ません。それには相当な勇気が必要です。勇気をもって、まずはスイッチを入れよう。小さくはじめて、小さな成功や失敗を経験しながら、それをフィードバックして次のループにつなげる。私たちは大きな成果が出た事例を目にすることが多いので、目がくらむような気になるけれども、そのスタートは、心のスイッチを入れるところからなのだろうと思います。

 今年は心のスイッチを入れる年にしたいと思います。これは誰に相談しなくても一人ですぐにできることですね。ぜひみなさんもごいっしょに。


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