朝日新聞デジタル
2014年1月15日08時24分
妊婦が風疹に感染し、赤ちゃんの耳や心臓などに障害が出る先天性風疹症候群(CRS)の報告が昨年1年間で31人にのぼったことが14日、国立感染症研究所のまとめでわかった。統計のある1999年以来で最も多く、これまで最多だった2004年の10人に比べ、3倍にのぼった。
都道府県別では、東京13人、大阪5人、神奈川3人、埼玉、愛知、三重、和歌山が各2人、栃木、千葉が各1人。CRSは妊婦が妊娠初期に風疹にかかり、胎児にうつることで起こる。昨年、風疹に感染した患者は前年の6倍の1万4千人超と大流行し、CRSの増加が心配されていた。
CRSの多くは出産後に判明するため、今後も報告が続く可能性がある。昨年の風疹患者のうち6割以上が20~40代の男性。制度の違いで多くが予防接種を受けていない世代とされる。
先天性風しん症候群
定義
風しんウイルスの胎内感染によって先天異常を起こす感染症である。
臨床的特徴
先天異常の発生は妊娠週齢と明らかに相関し、妊娠12週までの妊娠初期の初感染に最も多くみられ、20週を過ぎるとほとんどなくなる。
三徴は、白内障、先天性心疾患、難聴であるが、その他先天性緑内障、色素性網膜症、紫斑、脾腫、小頭症、精神発達遅滞、髄膜脳炎、骨のX線透過性所見、生後24時間以内に出現する黄疸などを来しうる。