MOCKING MONKEY BOOTH

野に咲かず、山に咲かず、愛する人の庭に咲く。

Full Metal Jacket

2007-11-28 | 映画
スタンリーキューブリック監督作品、1987年のアメリカ映画。
あのベトナム戦争が題材となっている映画だ。
キューブリック作品って、一回見てもわかりにくいものが多いという印象
だったが、この映画はおもしろかった。
その後戦争映画を見るときの一つの基準になっている。

これも例の友達から教えてもらった映画。
この友達、いつかここに登場させないと。
きっとなつかしいと感じているはずだ。

この映画で特筆すべきはやはりハートマン軍曹。

軍隊の訓練教官なのだが、これがすごい。
よく日本語に訳したなぁという位。
この映画のかなりの時間が、ハートマン軍曹のシゴキだ。
教官の罵詈雑言に対して若者達は「Sir Yes Sir!」と大きい声で答える。
この言葉。はやった。つーか無意味に使ってた。
若い時は意味がわからないことやってたな。ホント。

映画的にはレナードとジョーカーがキーマンだ。
レナードは軍隊に入り次第に精神を崩壊させる。

すごい目でしょ。精神崩壊後。
ジョーカーというのはレナードの見張り役であり、理解者。
もろにストーリーを書いても仕方ないから表現が難しいけど、
この二人の関係の終わりはショッキングだった。
当時高校生だった私ですら、反戦を意味するキューブリックの強い思い
が痛いほど伝わった。

戦争は人を変える。それは人格までもだ。
美化する必要はどこにもない。戦争で撃たれたりして死んだ人間だけが
被害者ではなくて、生きていてもジョーカーみたいな被害者がいるって
こと。

ベトナム戦争は共産主義と資本主義の代理戦争と言われた戦争で、
結局はアメリカやソ連や中国の名誉をかけた戦いだ。
政治的な国の利権のためだけに。
そしてアメリカは四半世紀経った今も同じことを繰り返す。
このベトナム戦争では撤退したアメリカ兵6万人、ベトナム国民200万人が
犠牲となり、さらにはベトちゃんドクちゃんで有名な枯葉剤の後遺症で
苦しむ人々が多く残っているのだ。


ん~。ベトナム戦争があったから興味深い書籍や映画が生まれたのは事実だが
戦争を正当化するのはまた違うし。

そういった作品を通して戦争を知るってことが今の自分には精一杯だなあ。