今、この場所から・・・

いつか素晴らしい世界になって、誰でもが望む旅を楽しめる、そんな世の中になりますように祈りつづけます。

逢いたくて<永遠> 1 (小説)

2013-10-20 10:20:53 | 逢いたくて<永遠> (小説)

この小説<逢いたくて、永遠>は以前、もう何年も前に書いたものを何度も手直しして、けれど最近では眼がよく見えないのでここに載せる事を諦めていましたが家人の手助けをありがたく、出来るだけ頑張ろうと、生きがい、生きて行く力にしたいと思い載せてみました。
この小説を書くきっかけを頂いた「美しき人ビョンホン」さんのあるインタービューを受けているときの姿があまりにも印象が深く感動的オーラがすごくて!その印象をもとにイメージを膨らませて書いてみました。
(眼がダメなので読み返ししてない為?変なこともあるかも、ごめんなさい。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

逢いたくて<永遠>

★突然の出逢い★

恋愛とは無縁だと決めていたし、実際のところ世間で言ういい歳をした女が今の今まで恋する出逢いも異性から 愛される方法を知らなかった私だけれど,私は大切なあの人いつも純ちゃんと呼んで、傍にいない時は心の中で叫ぶように、祈るように・・・

ながく虚しい時間を病室で過ごす私を不安と絶望が際限なく広がる、そんな時、私はきまって、この指は純ちゃんの名前をなぞりながら・・・

「今、何処にいるの?」

「何をしているのかしら?」

そんな時、純ちゃんの足音が遠くから聞こえてくる、私はひたすら耳をすませて、だんだん純ちゃんの足音が近づいてくるのと同じくらいにこの胸の鼓動が苦しいほど早打ちするのを私は幸せで恋する感情だと思いながら・・・


私は少しだけ歳を重ねた幼稚で可愛い女!

私はひそかに、人には好かれるほうだと思ってる、今、世の中で言う「イケメン」な男、たった一人だけど、あの彼が私を好いてくれてるし!

でも、幸せなはずなのになんだか最近はちょっとだけ不安な気持ちなの、三十歳を過ぎた頃に、私の体にすみついた「悪しき物がいるみたいなの!」

それは、時として、この私に、とんでもなく悪さをして、暴れまわり、痛めつけて私を泣かせるのよね、ほんと、困った奴だわ!

でも私には、とても素敵でカッコイイ、守護天使がついていてね、とっても、とっても、優しくて私を包んでくれる!

口下手で、お上手なんて言えない、真面目人間だけれど、ただそばにいてくれるだけで、私はとっても元気になれるし、体が辛い時も我慢できるし、夢も希望も持てちゃうの!

彼にはね、不思議なパワーがあるの、まるで魔法使いのようにね!

まわりの人がうらやむほど、ハンサムで素敵な男性!

彼の名前は「李 純輔」 三十七歳 職業はまだ有名ではないけれど、「俳優」

そして私の名前は「カコ」本名は「杉本夏湖」私も駆け出しのと言うか、うれない俳優をしていたの!

私の生まれ育った家は、東京から少し離れた、埼玉県の飯能、父は小さな印刷工場を経営していたけれど、どうも、商売上手とは言えない人だったようで、細々と、数人の従業員を使いながら真面目に仕事をしていたので、私は幸いな事に、特に生活が苦しくて大変だったとは感じないで、でも、贅沢はさせてもらえなかったは!

おこずかいも、大切に考えながら使ったものよ!

時には少し高い素敵なお洋服を買って!とおねだりしても、たいていはすぐには許してはもらえないし、買って貰えた時と、ダメで、あきらめる事も多かった気がするわ~

けれど、私は、そんなことも直ぐに忘れていたから、本当は、一時的な欲望だったのでしょうね・・・

そうそう、素敵な彼との出逢いをお話しするわね!

今でも、彼、純ちゃんとの出逢いは不思議に思えるほど、奇跡的に思えてしまうの・・・

だって、私は、どちらかと言えば、愚図で、のろまで、ダメ人間だと自分では思っていたわ!

その上、体が弱かったから、病院通いも多かったし、何事にも自信が持てなくて、いつもオドオドしてた。

そんな時、病院の出入り口で、私はぼんやりと、のろのろと歩いていて、上手く、自動ドアの開くタイミングをあわせられずによたよたしてたみたい!

その時、突然、私の手を取って、一緒に歩いてくれたのが彼、純ちゃんなの!

本当に突然に現われて、まるで、天使のように、光り輝いていたは!

私は、ただ、驚きと、恥ずかしさと嬉しさで、混乱して、ちゃんと御礼さえも言えなかった。

その時の彼は、私の安全を確かめて、風のように去って行った。

その時の純ちゃんの姿は、言葉では表せないほどの素敵さと輝きのオーラが渦の中に私をを巻き導くように私には見えていた。

私はその輝きのオーラの渦の中に吸い込まれそうだったの・・・

不思議な事に、私の次の診療日にも同じ場所で、彼、純ちゃんに出逢ったの!

あの大きく、巨大な、病院の、同じ場所で再会したのよ、これって、絶対、神様が私につかわして下さった奇跡!

私には本当に奇跡にしか思えなかったは!

その後の事は、後で又、つづきを書きますね、少し疲れたのでやすみます。

世の中は、今日から、五連休中だというのに、この私は、病室のベットの中・・・

彼、純ちゃんは今頃、何をしてるのかしら?

寝つきの悪い私は、朝方にならないと眠れずに、いつも寝不足状態のように頭が重い状態だ。

彼に、奇跡のように、二度目に出逢った時も、私は情けない状態で、ぼんやりとして歩いていて、あの病院の出入り口で、いきなり彼から声をかけられた。

「今日は、大丈夫、だったね!」

「ドアーにキスされずに?」

「抜けられたね・・・」

病院のドアーを出た瞬間に、彼が、私に話しかけて来た!

「僕を覚えてくれたかな~、この前、君と腕を組んで、あのドアーを通り抜けた事!」

こんにちは!、今日は、絶対、君に逢えると思っていたけど、会えて嬉しいよ!

そう言って、彼は、微笑みながら、ペコリと頭を下げた。

私は嬉しさと気恥ずかしさと驚きで、混乱して、又しても言葉が出てこなかた、喉の奥から苦しさがじっくりと呼吸を止めてしまうほどしめつけて来るように、そして、頭の中がまるでぐるぐると勝手に振り回されるように、言葉が何にひとつ、まともに浮かんでこない・・・

今まで、三十年生きていて、初めて体験した感情と感覚だった。

その時、純ちゃんは、ちょっとした気まずさを感じたようで・・・

「ごめんなさい、失礼しました!」

そう言って、立ち去ろうとした時、私はやっとの思いで、ひと言、言葉が出て来た。

「あ・の・時は・・・」

ありがとうございました!そう言えただけで、私は精一杯の力だった。

私がそう言った、姿をみて、彼は、ひとりで先に歩いて行く事が出来ないほど、緊張した状態だったと、だいぶ後になってから、純ちゃんはその時の事を話してくれた事がある。

そのあと、タクシー乗り場まで私について来てくれて、私がタクシーに乗り込んだ時、急ぎ、なぐり書きした、自分の携帯電話の番号のメモを私に手渡ししながら・・・

「しばらくは、この病院に来るから、又逢いましょう!」

「もう一度、話がしたいから・・・」

その言葉が聞き終えた頃、私を乗せたタクシーは走り出した。

あの日から、もう、五年が過ぎようとしている・・・


★逢いたい気持ち・・・★

連休が終わって、もう三日も過ぎているのに、純ちゃんはどうして私に逢いに来てくれないのかしら・・・

「いくら、元気印の純ちゃんだからって、顔くらい、私に見せてくれてもいいじゃないの~」

「純ちゃんって、そんなに薄情もんだったわけ!」

体のあちこちが疼き、痛む、そんな時はいつも私は、わがままで、情けないブスな心がどんどん、エスカレートして行く、しまいには、自分でも思ってもいない言葉を、眼につくものすべてに、当り散らして、時には、カレンダーの美しき人(私の大好きな映画俳優だ!)にまで、恨み事を言っては、泣きわめいてる!

ひとしきり、この儀式が終わって、我に返った時、私は途方もなく、落ち込んで、自分が嫌で、身ぶるいするほど、全身を傷つけたくなってくる気持ちをどうする事も出来ない!

自分の顔を誰かに見られたくなくて、布団を頭から覆いかぶり、徹底して、ダメ人間になるのが、入院して、しばらくは続く、いつものブスな心の私の姿・・・

今回の入院でもう何度目になるのかしら、かぞえるのも嫌だし、おっくうだわ~

いつもの事だけれど、私の腕はどうしてこんなに、注射針を拒否するのかしら、優しい看護士さんのいつものお話だと、私の血管はとても細いのだとか、朝に夕に、点滴をして下さる、看護士さんのほとんどの方が苦労して、二~三度針を射しては抜き、又、射して、試し打ちをするたびに、痛いのよ、痛いのよ!

もう、その頃は、純ちゃんを恨んでいるは!

なぜ、今、ここにいて、優しくしてくれないのよ,薄情者!

ブスな私の心は、勝手に純ちゃんを独占してしまうの・・・

ハンサムで素敵な彼は、誰からも愛されて、好かれて、頼りになる人!

だから、私は、自分が情けなくて、苦しい!

独り占めしたい気持ち、ジュラシーがどんどん膨らんでしまう!

そして、私はベットの中で、少しだけ泣くの、いえ、大泣きしてるは心の中でね、でも、音もなく、近づいて来て、そーと、私のおでこにキスをしてくれる人!

それが、優しすぎる彼!

「李 純輔」

連絡もなく、突然、私のそばに来てくれる人!

言葉少なに、優しい微笑みで、私をつつんでくれる人!


★初めての体験★

私は我儘で、束縛される事が、幼い頃から大嫌いだった、だから、学校での授業もたまらなく嫌いだった、体が小さくて、運動が苦手だったから、体育の授業が特に大嫌いだったし、病弱で運動も出来ない事も多くて、私ひとり教室で自習したり、他の子は、体育の授業でみんなが楽しそうにドッチボールをしているのを、ただぼんやりと見学したり、時には、ふと、授業を抜け出しては、学校の裏山へひとりで登っては、学校でみんなが元気に運動している姿を、少し後ろめたい気持ちと、元気に走れる子たちが羨ましい気持ちとでゆれる思いで眺めていた。

病院での生活は、限られた空間で、まさに自由を奪われる不自由さが、私にはたまらなく嫌だった。

病気なのだから仕方の無い事だけれど、何度も繰り返している入退院で、私の青春は奪われて来たように感じていた。

あの時、彼、純ちゃんと奇跡の出逢いをした時も確か、退院後の検診での帰りだった、けれど、あまりの突然の出逢いだったから、今でもあの時の事は夢の中での事のように思えてしまう!

「だって、あの、美しき微笑みは・・・」

私の生きて来た、短い生涯の中で、あまりにも素敵過ぎる出来事だったのですもの・・・

彼「李 純輔」は私が診察を受けている担当医の知人だったという事もしばらくして分かり、その後は、私たちふたりは急速に恋人同士にかわって行ったの・・・

でも、私が、病気が治るまでは、心が通じあえるだけの関係なのよ!

もう、お互い、三十歳を過ぎた大人同士なのだから、たぶん、健康で元気な人間だったら、どんな事も希望が持てる恋愛が出来たのだろう・・・

健康に自信のない私は、純ちゃんに申し訳ない思いになっちゃうけれど、純ちゃんは、今の関係を大切にしてくれている事が、私は分かるから、そんな時は、胸が張り裂けそうに苦しいけれど、とても嬉しい!

恋をするって、こんなに素敵な気持ちになれて、幸せだったなんて!、私は純ちゃんとお付き合いしてから、毎日がちがった感情を体験し、感動する事もとても多くなったわ!

それまで、私は映画もあまり観る機会もなかったの、人が多く集まる場所へは、さける生活だったから、もちろん、コンサートへも一度も行った事がなかった。

学生の頃、女の子同士で、アイドル歌手のコンサートに何度か誘われたけれど、いつも、体調が悪くて、出かけられなかった。

けれど、純ちゃんは、私の体調を良く見ていて、今日なら、大丈夫!

そう言って、強引に、連れて行ってくれた。

映画は『オータムイン・ニューヨーク』そう、テレビ放送では、なんとなく映画を観ていたけれど、音響の凄さにまずびっくり!

画面の大きさ、迫力が凄い!、美しい風景!、美しい音楽!

はじめて見る、俳優の姿!恋物語!

すべてが驚きと感激と言葉に出来ない幸せな感情を体験した、瞬間だった!

はじめての映画鑑賞は、純ちゃんと私自身の恋模様を重ねあわせてしまう、まるで夢一夜の美しき時間を過ごして、ふたりは(少なくとも私は)生涯でも最大の思い出のひとときだったわ~

そして、確かに記憶の中にあった、ニューヨークの街の風景がより身近に感じて、いつか、純ちゃんとふたりで歩く夢を持ち、リチャード・ギアという、俳優をはじめて意識した。

もうだいぶ前だったが、純ちゃんが、目標にしている、憧れの俳優がいるんだと話した事があった、私は、芸能界や映画の世界にその頃は興味もなかったし、疎かったから、たぶん、あの時に話していた、憧れの俳優が、「リチャード・ギア」だった。

もちろん、その頃は、私はまだ、俳優になる!などとは考えてもいなかったし、この私が、愚図でのろまで、恥ずかしがりやのこの私が、俳優になれるとは思ってもいなかった!

私は、まだ、純ちゃんと奇跡の出逢いをして、間もない頃で、お互いの事を理解していなかった、ただ、私は、純ちゃんに一目ぼれだったから、純ちゃんのすべてが素敵で!美しかった!カッコ良かった!

私自身、何も無い、つまらない人間だと、思い込んでいた時期だったから・・・

純ちゃんから、誘われた仕事がなんなのか!

すぐには理解出来なかった!!!

「ちょっと、僕と、一緒に出てみないか!」

「今、僕が出演している映画に!」

「ただ、監督さんが、歩いて!」

「そういったら、歩けばいいから・・・」

「君は、何も考えずに、僕と一緒にね!」

「カメラの前を僕と腕を組んで歩けばいいんだ!」

「何も心配せずにね!」

「ただ、僕のそばにいてくれればいいよ!」

純ちゃんはそう言って、映画の撮影場所へ案内してくれた、私は何も分からないまま無我夢中で、今もあの時の事はよく覚えてはいないけれど、何とか、私の映画初出演は、監督さんのオーケーを頂いた。

この私が、映画の中のワンシーンを、純ちゃんと恋人同士でデートしてる姿を、映画の中で、映像に映し出された時、私は、言葉もなく、驚きと感動で、涙が止まらなかった。

その映像と同じく、その後は、毎日の生活の中で、自然なかたちで、腕を組み、寄り添いながら歩けるふたりになって行く事に時間は必要なく、同時進行で、心を通わせて、愛を感じられるふたりになれた。

あれから、五年の歳月は、一瞬に過ぎてしまったようにも思えるし、ひとつ、ひとつの思い出をたどれば、長い時間であった気もする。

今、病院のベットの中で、まるで、夢を見ていたような時間だったけれど、あれは現実の事、純ちゃんが、私をすべての愛で支えてくれた日々だった!

今、純ちゃんは、ハリウッドを目指して、トレーニングに励む日々!

だから、もう三日も私は純ちゃんの顔も見れていないけれど、寂しくはないわ~

きっと、オーデションに受かってくれると私は信じているから・・・


                   次回につづく







最新の画像もっと見る