愛をこう人(改訂)
つたない小説ですが、私には宝物です。
これを書いた頃の気持ちに戻れたらと思うけれど、今は無理なのかも?ふと読み返してみようと思う時がありますが、長文で今の私にはむずかしくて・・・
体調が眼が持たない、短めに編集出来たらと思い、改めて載せていきたいけれど、果たしてどこまで出来るだろうか、つづけての更新はむりかも、でも、頑張ってみたいです、よろしかったら、お読み頂ければ嬉しいのですが!どうぞよろしくお願いします。
☆ ☆ ☆
<愛をこう、人はそれぞれの胸の中に秘めた想い・・・>
<歳月は誰もが等しく過ぎて行く・・・>
(1)
走る車がさほど多くない平日の長野自動車道を佐久インターで降りて、一般道をゆっくりと走る・・・
爽やかな初秋の風が、少しだけ開けた車の窓から心地よく、久美子の頬をなでて行く、ひさしぶりに握るハンドルは心なしか、伝わり来る振動が腕に重く感じた。
今から向かおうとしている場所は、久美子にとって、故郷とは言いがたいけれど、私の育った場所である事は確かな事!
ひと月近く、束縛されて、見えない、心の自由を奪われているような、病院での限られた空間で過ごして、来る日も、来る日も、検査と薬に頼り、気に添わない病院暮らしで、久美子の体は予想していた以上に体力と気力が落ちていた、やはり、外の空気や、景色に触れられる事は、気持ちの良いものだ。
元々、久美子はどちらかと言えば、気ままな人間だ!
特に急ぐわけでもなく、すれ違う車も少ない、ゆっくりと車を走しらせていく!
久美子は今、何も考えずに、前だけを見て進む!
六十五歳の今日まで、平凡な暮らしを少しだけ、避けて、生きてきたのだろうか。
あの大切な思い出の中に入り、あの日に帰ってみる!
「幼かったあの頃、寂しかった日々」
「そして、孤独で、多感な少女時代」
そう、私は、十八歳の早熟な愛を感じた日も言い知れぬ不安と孤独でこの胸がつぶれそうな思いだった日々・・・
私がここで暮して、大人に成長して行った場所だ!
何かを、思い出そうとして、考えなくても、直ぐに浮かんで来る。
「私の大好きだった母のいた場所!」
久美子には無条件で優しかった母の姿は、もう、何処を捜しても見えないけれど、それでいて、いつも、私を見守ってくれる。
「遠い存在の母!」
『母の顔』
『母の姿』
あの優しかった母は、この青い空の何処かで私を見つけてくれるのでしょうか?
セピア色の思い出が描き出す写真のように、遠景の山々の姿も、どこか、古ぼけて見えていた、幼かった私と母の笑顔だけが懐かしくおもい出す、今、向かおうとしている場所は、特別で美しい感情にしてくれる私の大切な場所なのでしょうか?
ただ、寂しくて、悲しくて、貧しくて、ひとりの泣き虫な私の居た場所!
いつも母の姿を追い、懸命に母にすがった、辛い記憶だけが浮かぶ、私が育った故郷!
幼くて、孤独だった、あの子供の頃、私はいつもひとりだった、心が満たされる事のない記憶はただ虚しい!
けれど、あの人が、突然、私の前に現われた時、私の愛は全速力で走り出した、大きな愛に出会った時、未熟な私は変わってしまった!
私に愛の素晴らしさと苦悩をおしえてくれた人!
私の人生の全てを賭けて、愛した、切なく、激しい想いが私に混乱と狂おしい感情が生まれた!。
何もかもが未熟だった青春の日の出逢い!
『たった、十七歳の出逢い』
幼すぎた愛を貫く事を知った場所、そして、運命を変えた愛が私を虜にした場所!