<写真はヨーローッパの思い出から…>
雨空の黒い雲が私の行く道をふさぐように
今にも稲妻が壊れた私の耳を襲うような爆音になる
雨は素早いまでに通りすぎて行った
ずぶ濡れの体と靴の中の不快感を忘れさす
厚い黒雲の裂け目から激しいまでの太陽の光が走る
一瞬の眩しさがくらくらとめまいして顔をそむけた
黒雲の隙間を光を集めた光線は一点を突き刺すように
小道に置き忘れ捨てられた小瓶に集めて虹色の光になった
一瞬の通り雨とは言えないほどの豪雨は眼の前を怪獣が通り過ぎた後のように
見えぬ何かに怯える生き物を試すのだろうか
地球が壊れかけてると言いたいのだろうか
小さな小道に置き忘れた小瓶の叫びが聞こえたような気がして
けれど私はただ何もせず通り過ぎて
急ぎ足で病院へ向かう
ずぶ濡れた不快感と重い心を引きずりながら
虹色に光る小瓶の記憶とこぜりあう心