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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

川上弘美の本 幾つか

2013-08-23 08:41:09 | 私の読書日記
“真鶴”以降、もうすっかり川上弘美の虜。

“センセイの鞄”に引き続き、

“風花”を読んだ。

夫が浮気しているという匿名の電話を受けた妻のゆり。夫に問いただすと、開き直り、別れてほしいと言われる。自分はどうしたいのか、揺れる妻の心が描かれてるんだけど、
主人公のゆりの雰囲気が友達とよく似ていて、夫の淡々とした態度とか、あるあるいるいる、おいいい加減にしろよ、何やってんだよと、もうかなり入り込んで読みました。最後の方はもうどうなるのか読めないので、気になって気になってやめられないとまらない、こうなるのが本当に面白い小説だよね。


続いて“夜の公園”

こちらも面白い。主人公リリは、夫を愛していないことに気付く。夜の公園を散歩しているときに出会った若い男と不倫。一方夫は夫で、妻の親友と出来ていて。登場人物それぞれが章ごとに主人公となるので、それぞれの気持ちがわかって繋がっていって面白い。本当にいろんなバラエティに富んだ小説が描ける人なんだなあ、スゴイなあと感心させられる。



“古道具 中野商店”

未だかつてこんなに途中途中読んでて笑えた本ってあった??忘れてるかもだけど、“がばいばあちゃん”以来かと思う。

アンティークやヴィンテージ、骨董ではない、あくまで古道具屋だという中野商店を舞台に、そこでアルバイトするヒトミちゃん、タケオ、経営者の中野さん、中野さんのお姉さんのマサヨさんらが繰り広げる何てことない日常の話なんだけど、ほんとにほんとに面白い。ドラマ化したら絶対毎週欠かさず見る。ヒトミちゃんとタケオの恋模様とか不器用で、でもすごい共感できて、店主の中野さんがこれまた昔知り合いだった人を彷彿とさせる愛すべき人で、セリフの一語一句、ツッコミの一語一句が笑える。姉のマサヨさんも最高な女性だし。川上弘美の幅の広さに驚かされる。読み終わっちゃうのが淋しかった。

そして、また新しいの借りてきました。こうなったら今年はもう川上弘美の年にしよう~💮

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