最近読んだ本諸々を一挙紹介。
「中央駅」キム・へジン著
ホームレスになって中央駅で暮らす男とそこで出会った年上の女、駅にも、主人公たちにも敢えて名前はない。世界中どことも置き換えられる共有感、このどこから読んでも哀しい話を見事なくらい上手に描いた作者の力量のなんと凄いことか。訳者も素晴らしい。
「君という生活」キム へジン著
短編集。いろんな君との生活が語られる。どの話も面白い。
すっかりキム へジンにはまっていく。
昨年から、韓国人作家の小説が私の中で熱い。面白いのが来てるんだけど、どれもこれも本当に素晴らしい。本好きならぜひ読んでほしい。
「説教師」カミラ レックバリ
スウェーデン発のミステリー。シリーズもの、「氷姫」に続く第2弾。
主人公たちのことと、事件と両方楽しめる。さらには、あまり知らないスウェーデンの暮らしについても垣間見れる。北欧の国は福祉国家で揺り籠から墓場までなんて言われて幸福度の高い理想の国のような印象があったけど、この小説を読んでいると、そうでもないんじゃないかなという実態が見えてくる。
やっぱり、どんな国にも不満はあるものなのだね。
「パールストリートのクレイジー女たち」トレヴェニアン
以前にもちらっと紹介したかな?
1930年代NY州オールバニーでの日々を、覆面作家として知られるトレヴェニアンが自身の子供時代を振り返って描いた作品。クレイジーな人々ばかりなんだけど、どこかもの悲しくて、秋の夜長にぴったりの作品。しみじみつくづく素晴らしい小説。出会えてよかった。
「さよなら、ながいくん」川上弘美
川上弘美の東京日記シリーズ、大好きなの。久々に読めて嬉しい。外で読んでると可笑しくてニマニマしてしまう。
秋の夜長も読書の秋も、夏が終わって秋からクリスマス、お正月までの季節が私一番好きなのかもしれない、と昨日スーパーの帰り、自転車乗りながら突然閃いた。