最近どハマりしている中島京子さんの「長いお別れ」を読んだ。
通勤時間を楽しみに変えてくれる作家さん。
物語は、認知症を発症した元中学校校長の昇平とその妻、3人の娘たちそれぞれの暮らし、共に歩んだ10年間(その間に3.11が挟まれる)が描かれている。
ともすれば、暗くなりがちな話なのに、根っから明るい妻陽子を軸にしんみりさせすぎることのない、当たり前の(実際壮絶とも言える日々だが)日常がそこには広がっている。
終わり方がまた秀逸で、作者の筆致の見事さに電車の中で涙を堪えるのに必死だった。
タイトルの長いお別れ、10年間の日々を想うとその通りだなあと思ってたんだけど、実際アメリカで、認知症のことを文字通り、ゆっくりお別れをするという意味で、ロンググッバイと呼ぶらしい。
映画化もされているみたいなので、いつか見てみたいな♡