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この平穏退屈な日々にもそれなりに感動って在るもの。

「長いお別れ」〜ロンググッバイ〜を読んで・・

2022-03-24 21:20:22 | 私の読書日記
最近どハマりしている中島京子さんの「長いお別れ」を読んだ。
通勤時間を楽しみに変えてくれる作家さん。

物語は、認知症を発症した元中学校校長の昇平とその妻、3人の娘たちそれぞれの暮らし、共に歩んだ10年間(その間に3.11が挟まれる)が描かれている。
ともすれば、暗くなりがちな話なのに、根っから明るい妻陽子を軸にしんみりさせすぎることのない、当たり前の(実際壮絶とも言える日々だが)日常がそこには広がっている。

終わり方がまた秀逸で、作者の筆致の見事さに電車の中で涙を堪えるのに必死だった。

タイトルの長いお別れ、10年間の日々を想うとその通りだなあと思ってたんだけど、実際アメリカで、認知症のことを文字通り、ゆっくりお別れをするという意味で、ロンググッバイと呼ぶらしい。

映画化もされているみたいなので、いつか見てみたいな♡


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