CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

不作為の作為の責任

2006-05-16 17:03:32 | リハビリ
水俣病や薬害エイズについての国(厚生省)の責任に対する裁判などで話題になりましたが、

「知っていた。できた。(にもかかわらず何も)しなかった。」という「不作為の作為」に違法性が認められる時代です。

その意味で、180日のリハビリ医療で足りない人や寝たきりになる人は(どちらかというと)少数だから、とか、維持期のリハビリ医療がなくなっても命を落とす人は「少数」だから、という理由で、私達専門家が何も行動しなかったら、将来、不作為責任を問われても仕方ないと思います。

そもそも、命に、「数」という考え方を適用し、失われる命は少数などと言える医者は、医者を辞めるべきだと思います。

当事者の皆さんは必死で訴えています。ならば、専門家はより大きなサポートをしなければならないと思います。署名活動の立ち上げという最も大変な仕事は、とりあえずやり遂げました。これからは、私達だけでなく、専門家、学会、団体、市民一人一人ができることを考えましょう。そうです。一人でも多くの署名を集めることです。

ついでに申し上げますと、厚労省は長期にわたるリハビリを打ち切ることにより、寝たきりになったり、命を落とす人がいることを「知っている。(にもかかわらず)打ち切りできる。打ち切った。」ということの違法性は、議論の余地がないように思います。ニコチンパッチ保険適応問題のときのように、即刻、撤回して下されば、国民的な厚労省批判は静まるはずです。今からでも遅くはありません。

リハビリ打ち切り制度を撤廃して下さい。