『リハビリ打ち切り』の背景がよくわかる発言です。今後、抗癌剤は180日、喘息の気管支拡張薬は90日・・・のように、医療のあらゆる分野で『切り捨て御免政策』が開始されるその第一歩がリハビリ医療だったようです。最初にリハビリ医療がターゲットにされた理由は、医療費がかかる分野だったからでなく、逆にローコストであるため、厚労省にとっては切り捨ての理解を得やすいと思ったのでしょう。しかし、リハビリ医療が必要な状態、というのは、仕事もできず、患者さんに取っても、ご家族にとっても、本当に辛い状況であることに対する想像力が全く欠けています。
以下、公式に公開されている議事録です。特にコメント致しません。
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医療技術評価分科会議事録(平成17年4月22日)より、麦谷発言
診療報酬調査専門組織 平成17年度第1回医療技術評価分科会
○麦谷医療課長
今までは支払基金で制限回数を超えたものについては査定されてたんですが、今度は制限回数を超えたものは患者から費用を取っていいという新しい武器ができたんですから、そこをよく考えてください。そういう新しい武器ができたということを考えていただかないと、単純に医療上必要だからいくらでもやってもいいということではなくて、診療行為は制限されてませんので何回でもやっていただきたいんですが、保険では10回まで、残りは患者さんから費用を取る、このように整理をしていただきたいと思います。
○松原委員
全員について回数以上やれと申し上げてるわけではありません。
100あれば1~2例、特殊な状態がまいります。この方がもう1回、透析あるいは血漿交換をすれば命が助かるのに、患者さんが個人的にお金を出してくださればもう1回できますよということは医師としては言いづらいことだと思います。医学的に必要なものであれば、その方の個人的な負担ではなくて、全体で対応するような保険のシステムでやっていただきたい。
この方に対して、あなたがお金を払ってもう1回お受けになれば大丈夫ですが、お金がなければだめですということは医師としては絶対に言えないことだと思いますので、そのあたりは厚生労働省の方もよくご理解いただきたいと思います。
○麦谷医療課長
それは患者さんに言うんです。あと1回必要ですから3万円払ってくださいと言ってください。
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何度読んでも、身を切られるような冷徹な言葉です・・・
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