ロシア国営テレビは4日、プーチン大統領のインタビューなどで構成するドキュメンタリー映画「ロシア、クレムリン、プーチン 25年」を放映した。
映画内でプーチン氏は、ロシアが侵略するウクライナに対し、現時点で核兵器を使用する可能性を否定した。
また、将来の後継者について「常に考えている」と述べたものの、具体的な氏名には言及しなかった。
映画は、2000年のプーチン氏の露大統領就任から25年目となったことに合わせて制作された。
一連のインタビューは今年春に撮影されたという。
プーチン氏は、ウクライナに対する核使用に関する質問に対し、欧米諸国がウクライナへの兵器供与を通じてロシアを挑発することで、ロシアに核使用という「失敗」を犯させようとしてきたと主張。
「しかし、そうした兵器(核兵器)を使用する必要はなかった。
今後も必要ないことを願っている」と述べた。
72歳のプーチン氏は自身の後継者問題について、「常に考えている」と指摘。
「国民の信頼を得られる人物、できれば複数の人物が登場することが望ましい」としつつ、最終的な選択権は露国民にあるとした。
プーチン氏は、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を併合してウクライナや欧米との対立を深めた14年に軍事作戦を開始しなかった理由について、当時はロシアに欧米と「正面対決」する準備ができていなかった上、同年に勃発したウクライナ東部紛争を「平和的手段」で解決しようとしたためだと主張。
クリミア併合はロシア系住民の保護のために「やむを得なかった」とする持説も改めて展開した。
現在の軍事作戦についてプーチン氏は、露国民が自身と国家の将来にかかわる問題だと認識していると指摘。
将来、露国民とウクライナ国民が「必ず和解するだろう」とも述べた。(小野田雄一)