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124光年の距離の惑星に地球外生命体…「史上最も強力な証拠」発見

2025-05-11 | 科学

科学者がジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測によって、地球外生命体の強力な証拠とみられる物質を発見した。

英国ケンブリッジ大学の研究チームは、地球から124光年離れた距離にある星を公転する外惑星「K2-18b」の大気を観測した結果、地球において生命体の生命活動によって生成されるジメチルスルフィド(DMS)とジメチルジスルフィド(DMDS)の存在を強く示唆する信号を発見したと発表した。

この物質は、地球の生物、主に海洋植物プランクトンである藻類のような微生物によって生成される。

研究チームは「今回の発見は、太陽系外での生物学的活動に対する史上最も強力な証拠であり、この惑星に微生物が豊富に存在する可能性を示唆する」ことを明らかにした。

ただし、実際に生命体を発見したわけではなく、生物学的な過程を示唆する物質を発見したものであるため、今後さらに多くの観測を行う必要があると強調した。

K2-18bは、2015年にNASAのケプラー宇宙望遠鏡が初めて発見し、その後、2016~2017年にハッブル宇宙望遠鏡による観測によって、大気中に水があり、惑星表面では水を液体状態に保てる温度が維持されている可能性があると推定された。
半径は地球の2.6倍、質量は約8倍で、地球より大きく海王星より小さいこの惑星は、太陽系にはない種類の惑星だ。赤色矮星のK2-18を、ハビタブルゾーンである2300万キロメートルの距離で33日に1回公転している。

研究チームは2023年、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線観測装置を利用して、水の蒸気、二酸化炭素、メタンとともに、この物質の存在を暗示する手がかりを発見した。

しかし、信号はきわめて弱かった。

これを受け、研究チームはジェイムズ・ウェッブの中赤外線機器を利用してもう一度観測したところ、はるかに強力な信号を発見できたと明らかにした。

研究チームは「2つの物質の濃度は100分の10以上と推定される」として、「これは、地球の大気での濃度に比べ数千倍高い」と明らかにした。

研究チームの推定が正しければ、地球よりはるかに多くの生物学的活動が行われていることになる。

研究チームは、2種類の物質の検出は、統計的な有意性では3シグマの水準だと主張した。

これは、今回の発見が偶然である確率が1000分の3であることを意味する。

科学者が科学的発見の基準とする数値は5シグマだ。

これは、偶然である確率が350万分の1であることに相当する。

■追加検証が必要…不可能な可能性も

ただし、科学専門誌「ニュー・サイエンティスト」は、他の科学者たちは今回の観測結果については検証が必要であり、別の非生物学的な要因によって生成された可能性を排除するまでは慎重でなければならないという点を強調したと報じた。

米国航空宇宙局(NASA)エイムズ研究センターのニコラス・ウォーガン博士はニュー・サイエンティストに「今回の証拠は2023年に比べるとさらに説得力はあるが、他の研究チームの検証が必要だ」と述べた。

ウォーガン博士は来週にデータが公開されれば確認できるだろうが、データを解釈するには数週間、または数カ月を要する可能性があると補足した。

もう少し懐疑的な反応もある。

ミシガン大学のライオン・マクドナルド教授は「過去にも3シグマの水準の信号が検出されたことはあったが、詳細に調査した結果、完全に消失してしまった」として、「まるでオオカミ少年のような状況が展開されている」と述べた

研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で最大24時間の追加観測を行えば、5シグマの水準に到達できると期待している。

しかし、ウィスコンシン大学マディソン校のトーマス・ビティー教授は、大気観測の困難さを踏まえると、5シグマに到達することは根本的に不可能かもしれないと語った。

マサチューセッツ工科大学(MIT)のサラ・シーガー教授は、非生物学的な要因による生成が不可能なことを立証することは困難であるため、今回の発見は、長期間有効な生体指紋の候補として残る可能性があると述べた。

研究チームは今回の発見について、現在の観測機器だけでも生命体が存在しうる惑星から生物学的指標が検出できることを立証したという点で、大きな意味があると述べた。

研究を主導したニック・マドゥスダン教授は「われわれは観測宇宙生物学の時代に入った」と語った。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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