【ブリュッセル斎藤義彦】
欧州連合(EU)のモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表(外相)とイランのザリフ外相は18日、同国の核問題に関する共同声明を発表した。
イランが核開発の抑制措置に着手し、EUはすべての対イラン経済・金融制裁の解除に向け準備することで合意したと明らかにした。
米国も制裁解除に向けた準備を始めた。
欧米など6カ国とイランによる核合意の履行を確認する「共同委員会」が、19日にウィーンで開催される。
対イラン制裁は、国際原子力機関(IAEA)がイランの抑制措置の履行を確認した「合意履行の日」に解除される。
EU高官は「来年1月ごろ」とみている。
共同声明は、6カ国とイランが今年7月に合意した「包括的共同行動計画」の発効を確認した。
イランはウラン濃縮用の遠心分離機の制限や、重水炉の改修に着手。
EU加盟国はすべての経済・金融制裁を解除することで枠組み合意した。
これで「履行の日」に解除する準備が整った。
一方、オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスを通じて声明を出し、「イランの核武装阻止に向けた重要な節目だ」と歓迎した。
また、「イランの核計画が平和利用に限定されることが確実になる」と強調した。