梅の香庵~うめのかあん~

梅の香堂別館喫茶スペース*梅の香庵*
とりとめないことをとりとめなく・・・

師匠と呼ばせて下さい

2013-04-25 01:20:25 | 日記
しばらく前。
書店をぶらついていたその時、
ふと手にした画集を見て衝撃を受けました。

作家の名は、久保修さん。
切り絵画家。
知らなかったけど、かなり有名な方。



ページをめくるうちに思わず口走りそうになった。

師匠!
そう呼ばせてください!!

氏の切り絵を見たら、
「私も切り絵やってます」なんておこがましい。
とても同じジャンルだなんて言えないほどレベルが違う。当たり前だが。



いやーもうなんていうんでしょうか。
切り絵の技が多彩なんです。

こんあんアリかよ!っていう技の数々。
でもアリなんだよ。だって別にルール決まってないじゃん。
いい絵が出来ればそれでいいじゃん。

スタンダードに黒い紙でアウトラインを切り取り、
色をつけたい部分には裏から色紙を貼る。

それは私もやっているのだけど、
氏は、黒い紙の上からも貼っちゃうんだな~。

そんなのものすごく単純なことなんだけど、
無意識に、それはルール違反だと思ってやらなかった。
でもべつに貼ってもいいだ。
そんな決まり無いんだから。

ああ。
目からウロコ。


更に、切り絵の上に更に切り絵が重ねてあったり、
半透明な紙で影を表現したり、
切り絵だけど描いてる部分もあったり。
これ一体、何枚の紙が重なってんの?っていう複雑な構造。
よくよく見ても仕組みがわかんないものまである。

すごい。


私の切り絵は完全に我流で、誰にも教わったことないし本も読んだことないし、
好きなように作っていたけど、
にもかかわらず、
切り絵はこういう構造であるべきだっていう決めつけがあった。
ということに初めて気づいた。

早速画集を1冊購入。
これが「2」とあったんで、2があるなら「1」もあるはず。しかし店頭にない。
てことで楽天ブックスへGO。
これが在庫切れでメーカー問い合わせであるのなかないのかあるのか?という末にありました。やった。




「紙のジャポニスム・切り絵」1、



細かいってのもすごいんだけど、色彩があふれてるのも素敵。
和紙の色や素材感で色んな表現をしている。


切り絵って、成田一徹先生みたいな、クールに白黒のみっていう方が、
ザ・切り絵!って感じじゃないですか?

自分で切り絵を作ってて、つい多色にしてしまいたくなるんだけど、
これだとせっかく切り絵なのに、切り絵っぽくない気がするな~とか思ってしまうんですよね。
こんなんよりも単色の方がよくないか?
ぱっと見ふつうに描いてるって思われるのもなんだかしゃくだし。せっかく切ってるのに。
とか邪念が湧いてしまったり。


そんな思いが久保さんの切り絵でふっとびました。

切り絵っぽかろうがぽくなかろうが、
いい絵はいい。
その絵の制作方法なんざ、見る人にとっちゃどうでもいいこと。
どう作ってあろうとも、いい絵にはちゃんと味わいが出る。

あ。一応言っておくと、久保さんの切り絵はちゃんと切り絵っぽいですよ。


やはりよいものを見ると糧になる。
勝手に師匠と呼ばせていただこう。
久保修さんのオフィシャルサイト、是非ご覧下さい。