人の物差しは変幻自在である。しかし自身の変化には自分ではあまり気づかない。体調の変化には敏感でも感性や審美眼の基準となるものの変化には目を向けない。それらは、気分や感情や経験や立場や、とにかくあらゆるものの影響を受けている。受けていることを知っていれば、意識的な修正が出来てもう少しましな評価になるけれど、知らずにいるともう揺れ幅がめちゃくちゃである。では、ぶれない審美眼にはどんなメリットがあるだろう。それは他者がその審美眼を信頼することが出来る、ということである。人間関係というのは止まり木のようなもので、時々他者の心が飛んできてそこに止まるわけだが、ぐらぐらしていては止まることが出来ない。しっかりと安定している心の止まり木が信頼と呼ばれているものだ。
森博嗣「つぼねのカトリーヌ」より。
信頼か・・・。
客観的な審美眼を持てるよう、日々精進。
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