SHIN-GEN-SAI 【箴・言・彩】

珠玉の名言・箴言をイシューします。

保呂草潤平の独白

2010-05-29 22:00:25 | 人生
体力や武器に劣る者は、頭を使わなければ生きていけない。予習・演習を十分にして、あらゆる場面に対してシミュレーションをしておく。これが気の弱い私の方法である。

森博嗣「恋恋蓮歩の演習」より。
最後に書かれた保呂草潤平の独白であるが、
どこが気の弱い泥棒の言葉だろう。
また同時に、自分自身も常にこのような態度でいることに気づかされる。
そう、優れた者にうち勝つには、こうするしかないのである。
日々是精進。
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瀬在丸紅子、激昂す。

2010-05-22 06:47:14 | その他
「首になるのがそんなに怖い? 私なんか、もう何もないのよ。全部なくなってしまった。全部取られてしまったのよ。だけどね、どうしても取られないもの、誰にも渡せないものがあります。それが、人の価値を決めるものです。それだけは、最後まで、死ぬまで、誰のものでもありません。立ち上がりなさい。人の誇りを持ちなさい!」

森博嗣「恋恋蓮歩の演習」より。
滅多に感情を昂ぶらせない瀬在丸紅子が、
かつての召使いであるヒミコ号警備長の片平を叱る場面。
あったはずの拳銃をなかったことにする不正に対し怒るわけだが、
それより言葉の内容が秀逸。
こういう一本筋の通った矜持が、
あの犀川創平につながってくるのだろう。
我々も当然の如くこの言葉を内に戒めとして持たなくては。


さて、来週の土曜はまだ学会出張中の予定です。
したがいまして、次回更新は日曜あたりになるかな。
よろしくお願いします。
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「犠牲」

2010-05-15 03:48:07 | 仕事
「犠牲にするものが多いほど、デザインは当然、洗練されるんだ。削られるほどシャープになる。それが、そもそもデザインの本来の意味だし、シャープっていう形容の定義だろ?」

森博嗣「数奇にして模型」より。
西之園萌絵とデザイン論を交わす、院生の金子の言葉。
今、論文執筆で苦しんでいる。
ボキャブラリが貧弱で、適切な言葉が思いつかない。
思考の方向性はともかく、状況の説明が無駄ばかりで、
洗練されていないのである。
この文章を借りれば、
私はまだまだ犠牲を払っていないということであろうか。
もっともっと没頭しなければ・・・。
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ほかならぬ人へ その4

2010-05-08 05:12:06 | その他
「一日8時間眠る人と5時間眠る人だと、同じ75年間生きてもね、5時間の人は8時間の人より14年も余計に働いたことになるの。14年だよ。その話を昔榎田さんから教えて貰って、私は残り時間が少ないんだし、もう長々と眠ってなんていられないと思ったのよ」

肺癌が再発した東海さんが明生に語った言葉。
この心意気である。
探し求めていたのはこの人だと明生が気づく。
そして結婚し、あっという間に彼女は鬼籍に入ってしまう。
「ほかならぬ」とはそういうことだったのか・・・。
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ほかならぬ人へ その3

2010-05-01 05:25:18 | その他
「だからさ、人間の人生は、死ぬ前最後の一日でもいいから、そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。言ってみれば宝探しとおんなじなんだ」

次兄・靖生にふられた渚を慰めての明生の言葉。
このあと、彼女は事故で命を失う。
彼女の脳裏に、明生のこの言葉はどのように響いたのだろう。
そしてそれこそが、読者に突きつけられた作者の思いなのだろうか。
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