日本の国土を全部農地化して養える人口以上の人口を日本は有している。
故に日本は加工貿易体制をとり、工業製品を売ったお金で食べ物を買って、国民を食べさせている。
が、この加工貿易体制は、発祥の地であるイギリスとは違った、偽加工貿易体制である。
イギリスは加工貿易をするにおいて、その原材料をすべて旧植民地から購入している。
それにこれらの地域は、すべて旧スターリング体制の国々であるから、決済関連でもめることはない。
実にうらやましい。
が、日本は違う。
日本はこのイギリスの旧植民地から、原材料を買っている。
それらの旧宗主国であるイギリスを怒らせたら、もう、加工貿易体制は維持できない。
そして現在、日本の安全保障体制は、アメリカに依存している。
国家の安全と国民の胃袋をアングロサクソンに握られている。
ああ、なんということであろう。
これは戦前から何も変わっていないのだ。
日本が第一次世界大戦までに得た版図から得られる資源で国民を養い、それで満足すればよかったのか、旧軍と官僚勢力が、一か八かの大ばくちを打って、なんとか自活できる加工貿易体制にしようとした企てを褒めるべきなのか、私にはわからない。
そんなことを思ったいけもとであった。