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クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

日本初のクラヴィコードコンサート-つづき

2013-04-04 00:38:36 | Instruments
昨年6月の記事で日本初?のクラヴィコードコンサートが新潟で行われたかもしれないことを紹介しましたが、梅岡俊彦さんのブログにその時のプログラムが紹介されています。 それによると、エタ・ハーリヒ-シュナイダーは1941年10月11日と12日に合計3回の演奏会を新潟で行っていますが、12日に「イタリア軒」で行われたコンサートがクラヴィコードのみを使ったものでした。バッハのインヴェンションとシンフォニアからそれぞれ6曲、wohltemperierte Klavier I からC-durとes-mollの前奏曲とフーガ、MatielliのアダージョとCimarosaのソナタ となっています。14時30分から15時30分の1時間のコンサートです。楽器はドイツから運んだようですが、当時の聴衆はどんな様子だったのでしょう?

タンジェント取り付け

2013-03-24 08:25:11 | Instruments
これまで10台のクラヴィコードを作りましたが、今回Sibermannクラヴィコードを作るにあたってこれまでと変えたところがあります。その一つがタンジェント。これまでは2.5mmの真ちゅうの丸棒の先端を叩いてつぶしてタンジェントとしてきましたが、今回は真ちゅう板をくさび形に切り出す伝統的な方法で作りました。 丸棒から作ったタンジェントは弦との位置合わせや高さ=キーディプスの調整が楽に出来るのが利点。その一方で巻線を使うために先端に厚みを持たせたい場合に厚みのヴァリエーションを作りにくい、frettedの場合左右に曲げて調律する時に曲げづらい、などの欠点があります。
今回のSibermannクラヴィコードは、最低音2.0mmから最高音0.8mmまで厚みに変化を持たせているので、5種類の厚さの真ちゅう板から切り出すことにしました。そこで問題になるのは、どうやって切り出すか。0.8mmならばハサミで切ることができますが、1mm以上になるとそれは難しく、最初に考えていた糸ノコ盤を使う方法では2、3本切ったところでノコ刃が折れたため却下。仕方なく糸ノコを使って手作業で切り出し始めましたが、切り口を直線に同じ寸法に切るのは難しい。あれこれ考えた末ミニサイズの丸鋸盤と金属切断用のノコ刃を購入。一つ切ってみたら切り口がきれいでこれはいける!と思ったのも束の間、二つ目を切っている最中に軸にブレが出て故障。メーカーは軸を固定するビスの締付け不足による初期不良、本来の性能なら真ちゅうは2mm厚まで対応、とのことでしたが、あまりに早い故障で耐久性に不安があったため返品。しっかり張力のかかる糸ノコのフレームを調達したこともあって、かなり精度よく切り出せるようになったので、結局地道に手作業で切り出しました。




こんなにタンジェントの切り出しに苦労するとは想定外の事態で、柔らかい素材で形状も単純ではあるものの、部品メーカーVogelで一つ70セント、100ヶ以上購入で50セント前後の値段になっているのもうなずけます。もちろんメーカーではもっと効率よく作る設備を持っているはずで、シャーリングやプレスでは断面が変形するのでおそらく小径薄刃のチップソーで切断でしょう。
今さらながらですが、もう一つ今回の発見?は、タンジェントの角度。これまであまり気にすることなくやっていて問題がなかったのですが、少し手前に傾けて打ち込まないと、キーを押し込んだ時に手前の弦にタンジェントが触れてしまって具合がよくありません。図面の弦の位置からあらかじめキーにマーキングしてあるのですが、その位置から少し後ろにずらして角度をつけて打ち込むための加減に気を使いました。まあ1回やればわかることなんですが^^;
でタンジェント取り付けが終わったところ↓


これからタンジェントの高さをそろえて、リスティングクロスを巻いて完成です。

鍵盤調整終了しました

2013-02-23 00:48:27 | Instruments
ようやく鍵盤調整も終わり、これから張弦です。


張弦プランを練り直し。
青のラインが今回の楽器。赤は2008年製作の5オクターブfretted、黄は昨年製作の4オクターブ半fretted
昨年の楽器は低音弦は短めで張力も低めでしたが十分な音量が得られたので、今回も張力は少し低めにしてみます。

木工作業も終盤

2013-01-26 13:22:27 | Instruments

あとはリッドとモールディングを残すのみとなったところで適当な材がなかったので、仕方なく仕入れた状態の大きな材から切り出すことに。木目の状態や寸法をみながらどう木取りするか、半日木を眺めていました^^;


木工作業が終わると次は金属加工。これは中高音のチューニングピンに使う3.5mmの鉄棒を切りそろえたところ。