クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

禁断の電子工作 Altec Model 19のクロスオーバーネットワーク

2017-12-18 13:11:02 | Audio

仕事に追われて納期が遅れるとピンチを招くことは分かっているのにこう言う時に限って悪魔のささやき(^^;;

スピーカー(Altec Model 19)のネットワークをオリジナルのN1201-8Aから自作のものに交換してから数ヶ月
ホーンの押し出し感と低音の量感は増したけれども、高音に少しピークがあってソフトによっては気になることがあった

あり合わせの部品で組んだので参考にした回路どおりの定数にならずそれが原因とも思えたので、コイルを新規に調達したいと思いつつ悶々と過ごす日々(笑)

低音側に入っている2.5mHの空芯コイルを3mHのコア入りにしたい、部品箱には5mHのコア入りコイル
これを3mHまでほどく手がある、インダクタンスは例の中華マルチテスターで測れるし、この先スピーカーシステムの変更はないだろうからこの部品の使い道はないだろう

ということでほどいてみた
さらに毒を食らわば皿まで、高音側に2つずつのコイル1.3と0.85をそれぞれ定数通りの1.0と0.5までほどいた 

ほどいてみると結構な長さ
低音のコイルの直流抵抗はこれまでの0.9Ωから0.2Ωほどになった(メーカーの資料では18AWG 2.5mHの空芯0.88Ω、 15AWG 3.0mHのコア入り0.169Ωなので実測値と一致する)

組み直したのがこれ
ターミナル類を総動員してパーツを配置しなおしたので半日くらいのお楽しみの時間

共振回路の抵抗が12Ωのところ手持ちの関係で15Ωなので効きが強くなる可能性があるがとりあえず聴いてみることに

これまではチェンバロの高音が強すぎて耳障りだったのがすっかり柔らかくなったのには驚いた
低音はサヴァールのヴィオールがど迫力で迫ってくるし細かいニュアンスが以前より聞き取れるようになった気がする

手持ちの部品だけでここまでの結果が出れば大満足
これで心置きなく仕事に集中できる(笑) 


有元利夫版画展

2017-12-18 10:20:32 | 日記

最終日にようやく観に行くことができた有元利夫版画展

自宅から1時間ほどのところにある弥彦の丘美術館は、文字通り小高い丘の林のなかに建つ小さな美術館

展示されていたのは銅版画とリトグラフ、小さなものはハガキ大の大きさだが、簡素な線にもかかわらず引きこまれる世界があった。リトグラフの彩色は岩絵の具とのことで、どこか懐かしいような色調はそれに由来するのだろう。時間が堆積したような作品を意図したとありましたが、古い楽器を見ているような感覚があった。

有本はわずか38歳で夭逝したことを初めて知って驚いた。制作に専念したのは10年、「作りたがり屋」という言葉が印象に残った。

有元利夫 版画の世界 ー中村 玄コレクション展ー