クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

Workbook for the Eighteenth-Century Clavichord

2013-01-28 00:21:52 | Information
Paul SimmondsによるWorkbook for the Eighteenth-Century Clavichordが出版されたとのことです。



取り上げられている作曲家は
Johann Wilhelm Häusler
Johann Gottfried Müthel
Johann Adam Hiller
Ernst Wilhelm Wolf
Friedrich Wilhelm Marburg
Johann Gottfierd Echard
Christian Friedrich Schale
など

単なる曲集ではなくワークブックというところがとても気になりますね

Simmondsとは2009年のクラヴィコードシンポジウムの折、夕食のテーブルで隣り合わせたことがあり、彼のあまりにラフな服装に驚いた憶えがあります。「弦は何を使っている」と聞かれVogelで買ったものを使っていると答えるとイギリスのMalcolm Roseを勧められました。チェンバロでもRoseは定番の弦メーカーですが、Jean TournayもやはりRoseを勧めていたのでクラヴィコード用としても評価が高いようです。

木工作業も終盤

2013-01-26 13:22:27 | Instruments

あとはリッドとモールディングを残すのみとなったところで適当な材がなかったので、仕方なく仕入れた状態の大きな材から切り出すことに。木目の状態や寸法をみながらどう木取りするか、半日木を眺めていました^^;


木工作業が終わると次は金属加工。これは中高音のチューニングピンに使う3.5mmの鉄棒を切りそろえたところ。

クラヴィコードシンポジウム

2013-01-17 13:07:59 | Magnano
イタリア、マニャーノでのクラヴィコードシンポジウム、今回は9月3日から7日の日程で行われます。
テーマは「C. Ph. E. バッハ」「クラヴィコード、他のすべての鍵盤楽器への鍵」の2つ。
昨年春に日本でコンサートや講習会をしてもらったオーストリアのローマン・クラダさんから、シンポジウムのコンサートで使いたいのでもし参加するなら楽器を持って来てほしい、といううれしいお誘いがあったので参加するつもりです。
朝から深夜までクラヴィコード漬けの幸せな5日間が過ごせますよ


響板の裏側

2013-01-17 08:19:20 | Instruments

ブリッジを間にはさんでレストプランクと反対側にリブ、さらにリブとレストプランクとをつなぐように3枚の薄いリブが配置されています。クラヴィコードのリブ入れ方は非常に多様で、Hubert (Christian Gottlob, 1714-1793) では現存する楽器のリブの配置や本数がすべて違っているほどです。このSilbermannではブリッジから響板にかかる弦の圧力を分散させる役割を重視した入れ方と考えられます。


ローズの裏側。小さく切った羊皮紙とニカワで接着しました。


ブリッジの高音側の端とライナーとをつなぐように羊皮紙を貼り付けています。これも弦の圧力で陥没しがちなこの部分を補強すると同時に、高い周波数の振動をボディに伝えやすくする役割も期待できます。