goo blog サービス終了のお知らせ 

クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

SACDで聴くチェンバロ

2013-10-07 18:32:57 | CD review
先週、20年以上働いたCDプレーヤーがとうとう壊れてしまいました。音が途切れとぎれになって使い物にならず、30分くらいすると通常の状態に戻るのですが、だんだん症状が重くなるようで使用をあきらめました。ネットワークオーディオにも興味はありますが、PCMとは歴然と違うDSDの音を聴いて以来、SACDを聴きたくなっていました。そこで、SACDプレーヤーとしてのみならず、CDプレーヤーとしても最廉価クラスでありながらネットで見ると評価の高いONKYOのC-S5VLなら予算的になんとかなりそう^^ 注文した翌日にはもう届きました。

という前段があって、まだ多くはない手持ちのSACDの中から、今日はアスペレンがルイ・クープランを弾いた録音を聴いてみました。この録音はヴィクトリア&アルバートミュージアム所蔵のヴォードリ1681年のオリジナルを使っています。ヴォードリの音を聴きたいと思って探して購入したもので、ハイブリッド版なのでこれまで何度かCDプレーヤーでは聴いていました。

ここで正直に告白すると、私はCDでチェンバロを聴くのは好きではありません。しばらくすると頭が痛くなるような耳障りな音にどうにも我慢できなくなって、1枚を聴き通すことはまずありませんでした^^; 結論を言えば、SACDでは大丈夫です。ヴォードリのオリジナルを生で聴いたことはありませんが、深く暖かみがあり、かつ歯切れのいい澄んだ響きを気持ちよく聴くことができます。しばらく聴いてからCD層を聴き直してみましたが、あまりに歪みの多い音に愕然。極端に言えばディストーションがかかっているようです。このC-S5Vは、CDプレーヤーとしての評価も高く、ここ数日の間に聴いた他の録音では今までよりよくなったという印象だったので、CDの再生音として今まで聴いていた音より劣っているわけではないはず。ですから、これはDSDとPCMとの差がそのまま出ていると理解してもいいと思います。オソロシイことに今まで「こんなもの」と慣れてしまって、歪んだ音を聴いていたわけです。高次倍音の豊富なチェンバロはDSDとPCMとの差が出やすいのかもしれません。


Louis Couperin edition vol.2
Passacaille de Mr Couperin
Pièces de clavecin
Bob van Asperen
AEOLUS AE10114
このCDをリッピング→AudiogateでDSD 2.8MHzに変換→KorgのポータブルレコーダーMR-1に転送→MR-1のアナログ出力をプリアンプに接続
という手順でPCMからDSDに変換したものを聴いてみました。他のCDでの試聴では多少音質改善の効果があったので、チェンバロではどう変わるかいくらかの期待を持っていましたが、ほとんど変化はありませんでした。
PCMとDSDとの音質の差はD/A変換の過程で生じる、したがってPCMからDSDにD/D変換した後にD/A変換すれば、PCMのデータ密度の低さはあっても音質向上が見込めるという理屈でしたが、残念ながらチェンバロの録音には効果がないと言っていいでしょう。