張弦のあとタンジェントを付けて高さと角度の調整。とりあえずのダンピングクロスを巻いてチューニング。初めて音が出てから1週間くらいになるが、音もいくぶんこなれて来た。
ダンパーレール(またはダンピングボード)のある楽器は初めてなので、厚み、弦やタンジェントとの間隔などで cut-and-try が必要。図面と写真にはダンパーレールはない。おそらく消失したのだろう。バス弦のヒッチピンの後ろに貼付けてある長方形の穴の明いたブロックによって、ダンパーレールがあったことがわかる。中高音のヒッチピンの位置が少し奥に寄っていることも、ダンパーレールを前提とすれば説明がつく。
今まで作って来たクラヴィコードでは、ダンピングクロスをきっちり巻くのが常だったが、今回はパラッと巻いて、裏にフェルトを貼ったダンパーレールが、タンジェントによって持ち上げられた弦を押さえるようにしてみるつもり。こうやって少し弦を抑えてやると、高音部分で少し弦に弾かれがちなところが鳴らしやすくなるようだ。
ダンピングクロスも、今まで使っていたスウェードテープでは少し硬すぎるように感じたので厚手のウール地を調達。近くの街の洋品店で見本を見て取り寄せてもらったのだが、ちょうどよさそうなものは生地としては高級の部類で、コートを仕立てたらいいものができそうなほど