クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

クラヴィコードの比較・分析のためのソフト

2010-05-27 10:11:17 | Information
クラヴィコードの図面やデータをパソコン上で参照、比較できるソフト。

以下のページからダウンロードできる。http://www.clavichord.se/

ストックホルムの楽器博物館所蔵のクラヴィコードのうち20台が収められている。作成者の一人 HansErik Svensson 氏は、昨年のクラヴィコード・シンポジウム参加者で、このソフトを使って Lindholm の工房で製作された楽器の分析についてのレクチャーをしていた。将来的には博物館所蔵の約100台のクラヴィコードのデータを収録したいとのこと。
弦長の比較にはlog を使っているため、弦の材質の違い=密度の違いに影響を受けない比較が可能。また、任意の楽器を複数選んでデータを重ねて表示できるところもすぐれている。

クラヴィコード・シンポジウム

2010-05-19 22:57:58 | Magnano
イタリア北部の小さな街マニャーノで隔年で開かれているクラヴィコード・シンポジウムの次回の案内が届いた。

第10回国際クラヴィコード・シンポジウム
2011年9月6日から10日
テーマは、
最初の図像資料から現存する最初期の楽器までの初期クラヴィコード(楽器学とレパートリー)
ペダルクラヴィコード、その起源から18世紀まで
19世紀のクラヴィコード
の3つ。

昨年参加した第9回では、テーマの一つがハイドンとクラヴィコードというものだったので、それなら前年出来たばかりの5オクターブの楽器を持ってと、勢いで参加してしまったが、次回のテーマには今のところちょっとからみにくい。それでも、なんとかこの次も参加して、またクラヴィコード漬けの数日間を過ごしてみたい。

昨年は日本からは筒井さんと私の二人だけの参加でしたが、次回はクラヴィコードに興味のあるあなた、ごいっしょにいかがですか?

クラヴィコード・シンポジウムとマニャーノについては
http://www.musicaanticamagnano.com/

完成

2010-05-18 15:03:02 | Monk's clavichord

ようやく完成。
音色にけっこう強いキャラクターがあって,カベソンやフレスコバルディなんかを弾くとはまってしまいそう。弾いている間にもどんどん変わって行くのがわかって、ときどきハッとするような鳴り方をする。
イタリアの修道士が1600年頃に作った楽器ということで、最初は、見た目だけでなく音も禁欲的な硬質な響きの楽器をイメージしていた。実際出来た楽器は、禁欲的というよりはむしろ開放的な鳴り方。もっとも、オリジナルの楽器の響板の状態はわからないので、どんな音を出していたのかは判断できないのだが。

クラヴィコードの原点と言うべき楽器をあげるとすれば、ライプツィヒの楽器博物館にある16世紀半ばの2つの楽器だろう。



この2つの楽器と今回の楽器は形は似ているが、大きく異なるのは弦の張り方と1対の弦を共有する鍵盤の数。ライプツィヒの2つの楽器は弦はボディの長さ方向と平行に張られて、分割されたブリッジを持っている。これはルネサンスのクラヴィコードの特徴。そして3つから4つの鍵盤で1対の弦を共有する。
一方、今回製作した楽器は、弦を対角線方向に斜めに張り、低音から高音まで連続したブリッジを持ち、共有弦も2つまでの diatonically fretted。つまり17世紀に考案されたシステムを採用している。1600年ころという製作年代が確かだとすると、当時の修道院は楽器製作の技術では最先端を行っていたことになる。修道院でワインやビールを造ったりもしているから、ある種の研究機関的な役割も持っていたのかもしれない。
バロック以降を考えると、この楽器はクラヴィコードの原点と言えるのではないだろうか。Jean Tournay が勧めた理由がわかったような気もする。

およばれ

2010-05-13 19:40:45 | Daily life
昼前に、熊汁をしたから食べにこいとのお誘い。さっそく出かけた。

昨日から肌寒い天候で、ストーブに乗った鍋が暖かそう。


熊肉のほかに根曲がり竹のタケノコとアザミにウルイ(オオバギボウシ)と、山菜も入っていて、山の恵みがいっぱい。熊の肉は鉄分が多く赤黒い色をしていて、とても噛み応えがあって味も濃い。今年の春は2頭の熊が捕れたとのこと。熊が増えたとも聞いたが、実際のところはどうなのだろうか…