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クラヴィコード徒然草ーLife with Clavichord

チェンバロ、クラヴィコード製作家 高橋靖志のブログ
製作にまつわるあれこれや猫との暮らし、趣味のオーディオについて

Antonio de Cabezon 生誕500年

2010-08-25 15:56:00 | Music
今年はショパン生誕200年ということで関連したイベントが盛んだが、カベソン生誕500年の年でもあったことに気がついた。つまりカベソンは1510年生まれ。
地元スペインでは、クラヴィコードによる記念コンサートが開催されて、ラジオでも放送されたようだ。
http://www.bernard-brauchli.com/program/500eme_Anniversaire_Cabezon-GB.pdf
リンクの元は、クラヴィコード・シンポジウムの主催者の一人である Bernard Brauchli のサイト



『音楽の聴き方』

2010-05-06 23:39:14 | Music
岡田暁生氏の前著『西洋音楽史』の評価は、少なくとも私の周囲ではもう一つだったが、『音楽の聴き方』は、私にとっては、今までのもやもやがすっきりする好著。ただし、「言語としての音楽」を論じてアーノンクールに言及するなら、もっとバロック音楽について語ってほしかった。『西洋音楽史』でも感じたが、著者にとってバロック音楽、なかでもバッハはあまり身近なものではないようだ。ちなみに、バッハの「マタイ受難曲」が初演後100年間お蔵入りだったとの記述は誤り。残された楽譜から数回の再演が確認されている。また、バッハが自身の音楽を「使い捨て」と考えていたというのも、転用や改稿を繰り返した事実を考えれば極論に過ぎる。
文化のエッセンスとして、音楽と料理・酒は同じ位置にあると常々感じている私としては、音楽を語る言葉とビールを語る言葉との対比は面白かった。日本には日本独自のビール文化が根付いてはいるが、「のどごし」や「キレ」、「クリアさ」をやたら強調したその味わい方には違和感がある。そもそも酒はその土地で穫れたものを肴に呑むのが一番うまいし、世界中でそれぞれの土地の酒はそうやって飲まれいてるはず。けれども日本では、数社の大手ビール会社が間断なく新商品を開発して、テレビをつければそのコマーシャルが一日中流れているという状況。そこには、本来あるべき地域性というものが欠けている。もっとも、世界中の酒が世界中の食品とともに輸入され、消費されている日本では、地域性なんて言ってられない。この事情は、音楽にもそのまま当てはまる。かく言う私もその当事者の一人…
本の感想からだいぶ話がそれてしまった。「~それらの背後には何らかの歴史的経緯や人々の大切な記憶がある。このことへのリスペクトを忘れたくない。『こういうものを育てた文化=人々とは一体どのようなものだろう』と謙虚に問う聴き方があってもいい。」というくだりに共感を覚えた。このことは、楽器を作る上でももっとも基本になると感じはじめたところだったので。


ドイツ・ハルモニア・ムンディ設立50周年記念限定BOX

2009-12-30 12:29:26 | Music
昨年出たときに買いそびれたCD50枚セットが再入荷との知らせ。ハルモニア・ムンディといえば、言わずと知れた古楽の名門レーベル。今回は機を逃すことなくgetできた
ドイツ・ハルモニア・ムンディ設立50周年記念限定BOX
まず一流の演奏家によるCDが1枚あたり100円ちょっとという破格の値段が魅力だが、こういう機会でもなければ自分で買って聴くことはなさそうな曲の比重がけっこう高いのもうれしい。古楽を知りつくした技術陣による録音も見事。