クラヴィコードのCDの紹介コーナー。
面白いものが手に入ったら紹介していきたいと思います。
Joseph Haydn
The Seven Last Words
Aapo Hakkinen
(ALBA ABCD 251)

ハイドンの「十字架上の7つの言葉」クラヴィーア版のクラヴィコードによる演奏。
使用楽器は、J. H. Silbermann, c. 1775, Unfretted, FF-f3 (Germanisches Nationalmuseum, MIR 1061)
ハッキネンの解説には、クラヴィーア版には"ridotte per il Clavicembalo o Forte Piano"との表記があるが、18世紀終わりのドイツ語圏では Clavicembalo は Clavier と同義語で、もっとも普通にみかける Clavier はクラヴィコードだったこと、強弱記号やテクスチュアからハイドンの1780年代の鍵盤曲の演奏に際しては、チェンバロは第一の選択肢からは外れること、1794年になってから新しいウィーンモデルのクラヴィコードを彼自身が購入したこと、などが書かれています。
つまり、ハイドンがこの曲のクラヴィーア版を監修した時点で想定していた楽器は、クラヴィコードだったということになります。
録音・再生装置のない時代の鍵盤楽器のための編曲版は、身近に音楽を聴くための手段だったことが指摘されますが、このCDを聴くと、この版もまさにそのような用途で作られたということが納得できます。音響的にスケールダウンされてもまたそこにはスケールの大きな世界が広がっていることに驚きますが、そもそもハイドンがクラヴィコードによってイメージを膨らませながら作曲していたと考えれば、驚くことではないのかもしれません。
面白いものが手に入ったら紹介していきたいと思います。
Joseph Haydn
The Seven Last Words
Aapo Hakkinen
(ALBA ABCD 251)

ハイドンの「十字架上の7つの言葉」クラヴィーア版のクラヴィコードによる演奏。
使用楽器は、J. H. Silbermann, c. 1775, Unfretted, FF-f3 (Germanisches Nationalmuseum, MIR 1061)
ハッキネンの解説には、クラヴィーア版には"ridotte per il Clavicembalo o Forte Piano"との表記があるが、18世紀終わりのドイツ語圏では Clavicembalo は Clavier と同義語で、もっとも普通にみかける Clavier はクラヴィコードだったこと、強弱記号やテクスチュアからハイドンの1780年代の鍵盤曲の演奏に際しては、チェンバロは第一の選択肢からは外れること、1794年になってから新しいウィーンモデルのクラヴィコードを彼自身が購入したこと、などが書かれています。
つまり、ハイドンがこの曲のクラヴィーア版を監修した時点で想定していた楽器は、クラヴィコードだったということになります。
録音・再生装置のない時代の鍵盤楽器のための編曲版は、身近に音楽を聴くための手段だったことが指摘されますが、このCDを聴くと、この版もまさにそのような用途で作られたということが納得できます。音響的にスケールダウンされてもまたそこにはスケールの大きな世界が広がっていることに驚きますが、そもそもハイドンがクラヴィコードによってイメージを膨らませながら作曲していたと考えれば、驚くことではないのかもしれません。