港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(160) 『エル・シド』 1962年公開

2014-06-20 00:15:26 | 映画音楽



『エル・シド』 El Cid (米) 1962年制作
監督 アンソニー・マン
音楽 ミクロス・ローザ
主演 エル・シド (ロドリーゴ・ディアス) … チャールトン・ヘストン
    シメン … ソフィア・ローレン
    ベン・ユサフ … ハーバート・ロム
    ウラカ … ジュヌヴィエーヴ・パージュ
    ガルシア・オルドニェス … ラフ・ヴァローネ
主題歌 『エル・シドのテーマ』 ( El Cid ) 演奏・サウンドトラック

中世紀、回教徒から建国前のスペインを救った英雄エル・シドの生涯を描いた一大スペクタクル作品。
11世紀のイベリア半島は狂信的な回教徒のベン・ユサフ指揮下の強力なムーア人の激しい侵略に悩まされてい
たが若き闘将のロドリーゴの活躍によりムーア人に勝利する。これによりロドリーゴはエル・シドの称号を授かる。
しかし、ムーア人の太公を助命したことで恋人シメンの父を殺すことになる。やがて王が死去し王位継承に巻き込
まれたエル・シドは新王から追放されてしまう。数年後再びベン・ユサフが攻め込みスペインは窮地におち新王は
エル・シドを呼び戻す。劣勢ながらもエル・シドの活躍によってバレンシアで勝利したが彼はこの戦で戦死する。

主題歌の重厚でポエティックな『エル・シドのテーマ』は、『ベン・ハー序曲』のミクロス・ローザの作曲でサウンド
トラックも彼の楽団によるものです。

↓はミクロス・ローザ楽団のサウンドトラックによる『エル・シドのテーマ』  YOUTUBEより



映画音楽史(159) 『西部開拓史』 1962年公開

2014-06-19 01:34:50 | 映画音楽



『西部開拓史』 How the West was Won (米) 1962年制作
監督 ヘンリー・ハサウェイ  (第一、二、五話)
    ジョン・フォード (第三話)
    ジョージ・マーシャル (第四話)
音楽 アルフレッド・ニューマン
主演 ゼブロン・プレスコット … カール・マルデン
    レベッカ・プレスコット … アグネス・ムーアヘッド
    イヴ・プレスコット … キャロル・ベイカー
    リリス・プレスコット … デビー・レイノルズ
    ライナス・ローリングス … ジェームズ・スチュアート
    クリーブ・バン・ベイレン … グレゴリー・ペック
    ゼブ・ローリングス … ジョージ・ペパード
    シャーマン将軍 … ジョン・ウエィン
    マイク・キング … リチャード・ウィドマーク
    ジェスロ・スチュアート … ヘンリー・フォンダ
主題歌 『牧場の我家』 ( A Home In The Meadow ) 唄・デビー・レイノルズ
挿入歌 『ジョニーが凱旋するとき』 ( When Johnny comes marching home )

1830年から半世紀間の開拓者一家の物語で、全編五話で構成されたシネラマ方式による長編西部劇。
【第一話】1830年末、ゼブロン・プレスコット一家は新天地オハイオに向かう旅に出た。一家がキャンプを張っていた
ところに毛皮売りのライナスが現れて夕食を共にする。その後ライナスは強盗団に襲われ負傷するがその強盗団が
プレスコット一家を襲うのを知って身をもって守り抜く。一家は筏で急流を下るが途中で両親が亡くなった。ライナスと
長女のイヴは恋仲となりライナスは農園を築きイヴと開拓する決意をした。
【第二話】1840年末、次女のリリスはセントルイスの酒場の歌手をしていたがパトロンが死に金鉱を譲り受ける。
それを目当てにした賭博師クリーブが彼女に近づいたが金鉱は無価値だと分かったため彼女から去っていく。
ある日、蒸気船で賭け事に興じていたクリーブは聞き覚えのある歌声に気づき、改めてリリスに求婚する。
【第三話】1850年末、南北戦争が勃発し、ライナスとイヴの息子ゼブも戦闘に加わる。しかしライナスは戦死し
戦後にイヴも後を追うように亡くなった。ゼブは農園を弟に譲って騎兵隊に残る。
【第四話】1860年末、ゼブは大陸横断鉄道の守備隊長になっていた。建設責任者のマイクは野牛狩りのジェスロの
意見を無視してインデアン居留地内に線路を敷こうとしたためインデアンと騒動を起こす。その責任を感じたゼブは
騎兵隊を退任してひとり西へ向かう旅に出る。
【第五話】1870年末、ゼブはアリゾナで保安官になり、そこで未亡人となったリリスと再会する。しかしアリゾナは治安
が悪く列車強盗が多発していた。ゼブは強盗団の首領のガントを倒して正義を守り抜き、西部に平和が訪れる。

本来の主題歌はアルフレッド・ニューマン作曲・ケン・ダービー作詞でケン・ダービー・シンガースによる
'How the West was Won'なのですが、あえて『牧場の我家』とさせていただきます。
この『牧場の我家』の原曲は有名なイギリス民謡の『グリーン・スリーヴス』 ( Green Sleeves ) で、これに
サミー・カーンが詩を付けたものです。
映画では【第二話】において蒸気船のステージでデビー・レイノルズが唄っていました。

Away, away, come away with me
Where the grass grows wild and the winds blow free
Away, away, come away with me
And I'll build you a home in the meadow

↓は映画より『牧場の我家』  YOUTUBEより


じっくりと聞きたい方のために
↓はデビー・レイノルズの『牧場の我家』  YOUTUBEより



挿入歌の『ジョニーが凱旋するとき』につきましては、当ブログの映画音楽史(37)『第十七捕虜収容所』で紹介して
いますので、ここでは省略することにします。


映画音楽史(158) 『怒りの葡萄』 1962年公開

2014-06-18 00:18:22 | 映画音楽



『怒りの葡萄』 The Grapes of Wrath (米) 1940年制作
監督 ジョン・フォード
音楽 アルフレッド・ニューマン
主演 トム・ジョード … ヘンリー・フォンダ
    ジョード夫人 … ジーン・ダウエル
    ケイシー … ジョン・キャラダイン
主題歌 『レッド・リヴァー・ヴァレー』 ( Red River Valley ) 

凶作と機械文明で職を失った小作人の厳しい生活を描いたジョン・スタインベックの小説をジョン・フォードが映画化。
正面から資本主義社会の歪みを糾弾した勇気ある問題作品。
1930年代半ば、殺人容疑で投獄されていたトムが釈放されてオクラホマの実家に戻るが、凶作のために家族は
新しい土地を求めて西へと旅立っていた。やがてトムは家族と再会したが、豆摘みや桃もぎなどの仕事も長続き
せず、カリフォルニアでは農園主側とのスト騒ぎでトムは殺人を犯して保安官から追われる身となり、トムは皆に
迷惑をかけまいとして去ってゆく。さらなる苦難を乗り越えてジョード家のトラックは仕事を求めてひた走る。

主題歌の『レッド・リヴァー・ヴァレー』は古いアメリカ民謡でこれをヒューゴー・フレイが編曲したものです。
映画ではタイトルバックとエンドロールにインストゥルメンタルが流れ、ラスト間近の野外ダンスパーティーの
シーンでは母親とダンスをしながらトムがワンフレーズ唄っていました。サントラ盤はリリースされておりません
ので、映画での演奏楽団は不明です。ここでは有名なミッチ・ミラー楽団を貼っておきます。

From this valley they say you are going,
We will miss your bright eyes and sweet smile,
For they say you are taking the sunshine
That has brightened our pathways a while.

↓はミッチ・ミラー楽団と合唱団の『レッド・リヴァー・ヴァレー』  YOUTUBEより


当時、ジョージ・マハリスの名曲『ルート66』が有名だったため、何度も繰り返して映し出されるルート66の標識も
強く印象に残りました。


映画音楽史(157) 『罠にかかったパパとママ』 1962年公開

2014-06-17 01:50:19 | 映画音楽



『罠にかかったパパとママ』 The Parent Trap (米) 1961年制作
監督 デヴィッド・スウィフト
音楽 ポール・スミス
主演 シャロン … ヘイリー・ミルズ
    スーザン … ヘイリー・ミルズ
    マーガレット … モーリン・オハラ
    ミッチ … ブライアン・キース
主題歌 『レッツ・ゲット・トゥゲザー』 ( Let's Get Together ) 唄・ヘイリー・ミルズ

ドイツのエリッヒ・ケストナーの小説「双児のロッテ」を映画化したディズニー流のホーム・コメディー
湖畔のキャンプ場にボストンから参加したシャロンとカリフォルニアから来たスーザンが出会い、あまりにもそっくり
なのに驚く。二人は持っていた写真を突き合わせて双子であることを知った。両親は二人が幼いころに離婚して
それぞれが子供を一人ずつ引き取っていたのだ。二人は協力して別れた夫婦を和解させるために大作戦を始める。

本来の主題歌はトミー・サンズとアネットが唄った『罠にかかったパパとママ』 ( The Parent Trap ) なのですが
ヘイリー・ミルズの唄った『レッツ・ゲット・トゥゲザー』が大ヒットしてこちらの方が主題歌として定着しました。
作詞・作曲はリチャード・M・シャーマンとロバート・B・シャーマンの兄弟による共作です。
映画では大作戦の一環として一人二役のヘイリー・ミルズが山荘のステージで唄っていました。

Let's get together, yeah yeah yeah
Why don't you and I combi-ine
Let's get together, what do you say
We can have a swingin' ti-ime
We'd be a cra-a-azy team
Why don't we ma-a-ake a scene
Together, oh oh oh oh

↓はヘイリー・ミルズの『レッツ・ゲット・トゥゲザー』  YOUTUBEより



映画音楽史(156) 『日曜はダメよ』 1961年公開

2014-06-16 11:12:27 | 映画音楽



『日曜はダメよ』 Never on Sunday (希) 1960年制作
監督 ジュールズ・ダッシン
音楽 マノス・ハジダキス
主演 イリア … メリナ・メルクーリ
    ホーマー … ジュールズ・ダッシン
    ノーフェイス … アレキシス・サモロス
主題歌 『日曜はダメよ』 ( Ta Paidia Tou Peiraia ) 唄・メリナ・メルクーリ

赤狩りに嫌気をさしてヨーロッパに渡ったダッシン監督によるギリシャの港町を舞台にした人間謳歌。
港町ピリュースの娼婦イリアは日曜日は気の合った仲間と過ごすのをモットーにしているため日曜はお休み。
そこへ真理を求めて古代研究家のアメリカ人ホーマーがやって来てイリアに出会う。ホーマーはイリアにぞっこん
惚れ込み彼女に仕事を休ませて勉強を教え更生させようとするが当の彼女はチンプンカンプン。そんな最中、
港に艦隊が入港してイリアも酒場に舞い戻る。ホーマーはイリアにアメリカ的教養を押し付けるのをあきらめて
酒場で歌と踊りの輪に飛び込み人生の楽しみを知る。

ギリシャの民族楽器ブズーキを用いた主題歌の『日曜はダメよ』はマノス・ハジダキスの作詞・作曲です。
後の英詩はビリー・タウンによるもので、数多くの歌手や楽団の競演となり大ヒットしました。
映画では冒頭とラストの酒場でのシーンにインストゥルメンタルが流れますが、何と言ってもメルクーリがベッドで
煙草を吸いながらハスキーな声で唄い踊るシーンが一番の見せ場でしょう。

Ap' to parathiro mou stelno
ena dio kai tria kai tessera filia
pou ftanoun sto limani
ena kai dio kai tria kai tessera poulia
Pos ithela na eiha ena kai dio
kai tria kai tessera paidia
pou san tha megalosoun ola
tha ginoun leventes gia hari tou Peiraia

↓はメリナ・メルクーリの『日曜はダメよ』  YOUTUBEより