港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(164) 『ブルー・ハワイ』 1962年公開

2014-06-25 00:14:57 | 映画音楽



『ブルー・ハワイ』 Blue Hawaii (米) 1961年制作
監督 ノーマン・タウログ
音楽 ジョセフ・J・リリー
主演 チャド・ゲイツ … エルヴィス・プレスリー
    マリー・デュラル … ジョーン・ブラックマン
    アビゲール … ナンシー・ウォルター
主題歌 『ブルー・ハワイ』 ( Blue Hawaii ) 唄・エルヴィス・プレスリー

1937年に制作されたビング・クロスビー主演の『ワイキキの結婚』をヒントに作られたプレスリーの音楽映画。
二年間の軍隊生活を終え帰国したチャドは、父のパイナップル会社を継ぐのを嫌い、母親の反対を押し切って
恋人マリーが務める観光会社に就職する。そこで美人教師と四人の女生徒にハワイ一周のガイドをしたが、
乱闘騒ぎを起こしてクビになる。その後もさんざんな目に合いながらも新しい仕事を見つけてマリーと結ばれる。

主題歌の『ブルー・ハワイ』はレオ・ロビン作詞、ラルフ・レインジャー作曲で、前述の『ワイキキの結婚』の主題歌
としてビング・クロスビーがヒットさせた名曲で、映画ではタイトルバックに流れました。

Night and you
And blue Hawaii
The night is heavenly
And you are heaven to me

↓はエルヴィス・プレスリーの『ブルー・ハワイ』  YOUTUBEより


また、この映画でプレスリーは全14曲を唄っています。
中でもヒットしたのが『好きにならずにいられない』 ( Can't Help Falling In Love ) です。原曲はジョヴァンニ・
マルティーニの『愛の喜び』で、これをジヨージ・ワイス、ヒューゴ・ペレッティ、ルイジ・クリートアの三人が合作で
仕上げたものです。

Wise men say only fools rush in
but I can't help falling in love with you
Shall I stay would it be a sin
If I can't help falling in love with you

↓はエルヴィス・プレスリーの『好きにならずにいられない』  YOUTUBEより


ハワイアンとロックを融合させた挿入歌の『ロッカフラ・ベイビー』 ( Rock-A-Hula Baby ) はフレッド・ワイズ、
ベン・ウェイズマン、ドロレス・フラーの三人による共作です。

The way she moves her hips to her fingertips
I feel I'm heaven bound
And when she starts to sway, I've gotta say
She really move the grass around

↓はエルヴィス・プレスリーの『ロッカフラ・ベイビー』  YOUTUBEより


挿入歌の『ノー・モア』 ( No More ) の原曲は『ラ・パロマ』でスペインのセバスティン・イラディエールの作曲に
よるもので、これをドン・ロバートソンが編曲しハル・ブレア―が詩を付けたました。

No more do I see the starlight caress your hair
No more feel the tender kisses we used to share
I close my eyes and clearly my heart remembers
A thousand good-byes could never put out the embers

↓はエルヴィス・プレスリーの『ノー・モア』  YOUTUBEより


この映画では上記の曲のほかに、『ハワイアン・ウエディング・ソング』、『アロハ・オエ』、『月影の渚』などの
有名な曲を唄っています。



映画音楽史(163) 『ハタリ!』 1962年公開

2014-06-24 00:09:38 | 映画音楽



『ハタリ!』 Hatari! (米) 1962年制作
監督 ハワード・ホークス
音楽 ヘンリー・マンシーニ
主演 ショーン・マーサー … ジョン・ウェイン
    ラセフィナ・ダレッサンドロ … エルザ・マルチネリ
    カート・スタール … ハーディ・クリューガー
    ブランディー … ミシェル・ジラルドン
    ポケット … レッド・バトンズ
主題歌 『子象の行進』 ( Baby Elephant Walk ) 演奏・ヘンリー・マンシーニ楽団

東アフリカのタンガニーカで猛獣狩りをする男たちの夢と希望の冒険物語で 原作はハリー・カーニッツ。
モメラ野獣チームのリーダーでアメリカ人のショーンは野獣の生け捕りに生きがいを求めている。そこへ女性記者
のセラフィナが取材にやって来た。チームはセラフィナをダラスと呼び彼女の取材に応じながら野獣の捕獲に熱を
入れる。そのダラスは親を失った三頭の子象を連れ戻ってショーンを困らせる。やがてショーンはダラスに恋心を
抱いたものの不器用なショーンはそれを切り出せなくてダラスも苛立つ。ダラスはショーンを諦めて黙ってチームを
去る。自分にとってダラスは大切な人だと気づいたショーンは三頭の子象をトラックに乗せてダラスの泊まっている
と思われるホテルに向かう。三頭の子象にとっては自分たちの母親同様のダラスの居所を探し始める。

ヘンリー・マンシーニはこの映画のために数曲を作曲していますが、中でも主題歌となった『子象の行進』は
明るくてユーモラスなマーチとしてヒットしました。サントラ盤の演奏はヘンリー・マンシーニ楽団です。
映画ではダラスが子象たちを水浴びに連れて行くシーンなどで使われていました。
レコードとしてはヘンリー・マンシーニ楽団のほかローレンス・ウエルク楽団などもリリースされており、タイトルも
『子象の散歩』という邦題もありました。

↓はヘンリー・マンシーニ楽団の『子象の行進』  YOUTUBEより



映画音楽史(162) 『ニュールンベルグ裁判』 1962年公開

2014-06-23 00:43:59 | 映画音楽



『ニュールンベルグ裁判』 Judgment at Nuremberg (米) 1961年制作
監督 スタンリー・クレイマー
音楽 アーネスト・ゴールド
主演 ダン・ヘイウッド … スペンサー・トレイシー
    ハンス・ロルフ … マクシミリアン・シェル
    エルネスト・ヤニング … バート・ランカスター
    テッド・ローソン … リチャード・ウィドマーク
    ベルトホルト夫人 … マレーネ・ディートリッヒ
    ルドルフ・ピーターセン … モンゴメリー・クリフト
    イレーネ・ホフマン … ジュディ・ガーランド
主題歌 『リリー・マルレーン』 ( Lili Marleen ) 

ニュールンベルグで行われた第二次大戦の連合国によるナチ戦犯の軍事裁判を描いた法廷劇で、戦勝国が
敗戦国を裁くことの妥当性や祖国のために戦うことが犯罪なのかの是非など戦争裁判の矛盾を提起した問題作。
ナチ首謀者の戦争裁判に引き続いてニュールンベルグで軍事裁判が行われた。アメリカのヘイウッド判事が裁判
長となり、かつて第三帝国の憲法の草案を作成したヤニングなどの司法関係者を被告とした裁判が始まる。
ローソン検事はヒトラーに迎合したことによる責任を追及し、ロルフ弁護士がこれに反論して激しく対立する。
一方、ヘイウッドは既に絞首刑となった将軍の未亡人ベルトホルト夫人からヤニングがヒトラーに苦言を呈して
いた事実を聞く。やがて裁判は結審を迎え他の被告が無罪を主張するなかヤニングは自ら有罪を認める。

主題歌の『リリー・マルレーン』はドイツの詩人ハンス・ライブが1937年に発表した詩集の一篇にルディ・ツインクと
ノルベルト・シュルツェが作曲したもので、ララ・アンデルセンが唄って一世を風靡しました。やがて、第二次大戦に
おいて、この曲は敵・味方を問わずに戦線で唄われました。また、ドイツ地上戦の最前戦に連合軍の慰問をした
ディートリッヒがこの曲を唄ったことで、連合国軍やドイツ軍双方の愛唱歌となりました。
映画では、廃墟と化した街の夕暮れをヘイウッド判事とベルトホルト夫人が歩くシーンで、市民が町のあちこちで
この曲を唄っているのが漏れ聞こえました。
レコードとしてはララ・アンデルセンのほか、マレーネ・ディートリッヒの英語盤やドイツ語盤がリリースされています。

Vor der Kaserne, vor dem grossen Tor,
Stand eine Laterne und steht sie noch davor.
So wollen wir uns wiedersehn,
Bei der Laterne wolln wir stehn,
Wie einst Lilli Marleen, wie einst Lilli Marleen.

↓はマレーネ・ディートリッヒのドイツ語盤『リリー・マルレーン』  YOUTUBEより



映画音楽史(161) 『ダイヤモンドヘッド』 1962年公開

2014-06-22 00:09:30 | 映画音楽



『ダイヤモンドヘッド』 Diamond Head (米) 1962年制作
監督 ガイ・グリーン
音楽 ジョン・ウィリアムス
主演 リチャード・ホウランド … チャールトン・ヘストン
    スローン・ホウランド … イヴェット・ミミュー
    ディーン・カハナ … ジョージ・チャキリス
    メイ・チェン … フランス・ニュイエン
    ポール・カハナ … ジェームス・ダーレン
主題歌 『ダイヤモンドヘッド』 ( Diamond Head ) 演奏・サウンドトラック

ピーター・ギルマンの小説をもとにして、ハワイを舞台に人種偏見を見つめ直した愛憎ドラマ。
カウアイ島では三代続いた大農園主リチャード・ホウランドがキングと称されて君臨していた。妻に先立たれた
リチャードの夢は上院議員になることと妹のスローンに王者にふさわしい婿をとらせることである。しかしスローン
が選んだ恋人は現地の雇われ人のポールであった。リチャードは何としてでもこれを阻止しようとポールの兄で
医師のディーンにまで圧力をかけ、嫌気がさしたスローンは島を出て酒に溺れる。そんなスローンをディーンが
優しく包み込みは本当の愛に目覚める。リチャードも人種偏見を捨てて自分の頑固な生きざまを悔い改め、
中国系の女性メイ・チェンに産ませた我が子と生きる決意をする。

主題歌の『ダイヤモンドヘッド』はジョン・ウィリアムスの作曲によるもので、彼の楽団によるサウンドトラック盤も
リリースされています。また、この映画に出演したジェームス・ダーレンの歌唱やユーゴー・ウィンターハルター楽団
などもレコードを出しています。残念ながらジョン・ウィリアムスのサウンドトラック盤はYOUTUBEに見当たりません。

↓はジェームス・ダーレンの『ダイヤモンドヘッド』  YOUTUBEより


ポップス・ベストテン 1962年6月 その4

2014-06-21 00:15:29 | ポップス

『今週のベストテン』1962年6月23日
①ブルー・ハワイ エルヴィス・プレスリー
②可愛いベイビー コニー・フランシス
③霧の中のジョニー ジョン・レイトン
④シェーンのテーマ ポール・ウエストン楽団
⑤ヤング・ワールド リッキー・ネルソン
⑥トゥナイト サウンド・トラック
⑦モスコーの夜は更けて ケニー・ボール楽団
⑧レッツ・ゲット・トゥゲザー ヘイリー・ミルズ
⑨悲しき女学生 パット・ブーン
⑩夕焼のトランペット ニニ・ロッソ
⑪大人になりたい コニー・フランシス
⑫黄色いリボン ジョニー・ハート楽団
⑬ローマの恋 サウンド・トラック
⑭ワン・モア・チャンス テディ・ランダッツォ
⑮涙の日記 バリー・ダーベル
⑯グッド・ラック・チャーム エルヴィス・プレスリー
⑰さらば街角 デル・シャノン
⑱夢見る兵隊 ウーゴー・ブランコ楽団
⑲ロッカフラ・ベイビー エルヴィス・プレスリー
⑳ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー

『今週のヒットレコード』1962年6月24日
①愛してほしいの ポール・アンカ
②戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
③ジョニーの真心 パット・ブーン
④夕焼のトランペット ニニ・ロッソ
⑤恋のスーパー伯爵 ジーン・チャンドラー
⑥ブルー・ハワイ エルヴィス・プレスリー
⑦可愛いベイビー コニー・フランシス
⑧大人になりたい コニー・フランシス
⑨霧の中のジョニー ジョン・レイトン
⑩モスコーの夜は更けて ケニー・ボール楽団
⑪ハッピー・ホセ ジャック・ロス楽団
⑫ライオンは寝ている トーケンズ
⑬グッド・ラック・チャーム エルヴィス・プレスリー
⑭トゥナイト サウンド・トラック
⑮ローマの恋 フィルム・シンフォニック楽団

『今週のベストテン』は順位もほとんど変動なくベストテン内の新旧入れ替えもありませんでした。
下位においても多少の変動こそありましたがこちらでも新旧入れ替えも見られず
ほぼ無風状態の一週間でした。

『今週のヒットレコード』では、またまた『愛してほしいの』がベストワンに返り咲きです。
また『モスコーの夜は更けて』が10位に入り、『ハッピー・ホセ』がベストテンから陥落し、
下位ではエルヴィス・プレスリーの『グッド・ラック・チャーム』が初登場して
『アテネの恋唄』が圏外に去りました。

↓はエルヴィス・プレスリーの『グッド・ラック・チャーム』 YOUTUBEより