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映画音楽史(162) 『ニュールンベルグ裁判』 1962年公開

2014-06-23 00:43:59 | 映画音楽



『ニュールンベルグ裁判』 Judgment at Nuremberg (米) 1961年制作
監督 スタンリー・クレイマー
音楽 アーネスト・ゴールド
主演 ダン・ヘイウッド … スペンサー・トレイシー
    ハンス・ロルフ … マクシミリアン・シェル
    エルネスト・ヤニング … バート・ランカスター
    テッド・ローソン … リチャード・ウィドマーク
    ベルトホルト夫人 … マレーネ・ディートリッヒ
    ルドルフ・ピーターセン … モンゴメリー・クリフト
    イレーネ・ホフマン … ジュディ・ガーランド
主題歌 『リリー・マルレーン』 ( Lili Marleen ) 

ニュールンベルグで行われた第二次大戦の連合国によるナチ戦犯の軍事裁判を描いた法廷劇で、戦勝国が
敗戦国を裁くことの妥当性や祖国のために戦うことが犯罪なのかの是非など戦争裁判の矛盾を提起した問題作。
ナチ首謀者の戦争裁判に引き続いてニュールンベルグで軍事裁判が行われた。アメリカのヘイウッド判事が裁判
長となり、かつて第三帝国の憲法の草案を作成したヤニングなどの司法関係者を被告とした裁判が始まる。
ローソン検事はヒトラーに迎合したことによる責任を追及し、ロルフ弁護士がこれに反論して激しく対立する。
一方、ヘイウッドは既に絞首刑となった将軍の未亡人ベルトホルト夫人からヤニングがヒトラーに苦言を呈して
いた事実を聞く。やがて裁判は結審を迎え他の被告が無罪を主張するなかヤニングは自ら有罪を認める。

主題歌の『リリー・マルレーン』はドイツの詩人ハンス・ライブが1937年に発表した詩集の一篇にルディ・ツインクと
ノルベルト・シュルツェが作曲したもので、ララ・アンデルセンが唄って一世を風靡しました。やがて、第二次大戦に
おいて、この曲は敵・味方を問わずに戦線で唄われました。また、ドイツ地上戦の最前戦に連合軍の慰問をした
ディートリッヒがこの曲を唄ったことで、連合国軍やドイツ軍双方の愛唱歌となりました。
映画では、廃墟と化した街の夕暮れをヘイウッド判事とベルトホルト夫人が歩くシーンで、市民が町のあちこちで
この曲を唄っているのが漏れ聞こえました。
レコードとしてはララ・アンデルセンのほか、マレーネ・ディートリッヒの英語盤やドイツ語盤がリリースされています。

Vor der Kaserne, vor dem grossen Tor,
Stand eine Laterne und steht sie noch davor.
So wollen wir uns wiedersehn,
Bei der Laterne wolln wir stehn,
Wie einst Lilli Marleen, wie einst Lilli Marleen.

↓はマレーネ・ディートリッヒのドイツ語盤『リリー・マルレーン』  YOUTUBEより