港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(107) 『大砂塵の女』 1959年公開

2014-04-20 02:04:14 | 映画音楽



『大砂塵の女』 La Cucaracha (墨) 1959年制作
監督 イスマエル・ロドリゲス
音楽 ラウル・ラヴィスタ
主演 ラ・クカラチャ … マリア・フェリクス
    アントニオ・セタ … エミリオ・ヘルナンデス
    カベラ … ドロレス・デル・リオ
    ヴァレンタン・ラソ … ペドロ・アルメンダリス
主題歌 『ラ・クカラチャ』 ( La Cucaracha ) 

1910年に勃発したメキシコ革命の女闘士で歌にまでその男遍歴を唄われた"ラ・クカラチャ"を描いたメキシコ映画。
メキシコ革命戦争の最中、浮気女の"ラ・クカラチャ"はメキシコ革命軍の連隊長セタに想いを寄せる。
そんな時、敵軍の奇襲で革命軍は大混乱になるが"ラ・クカラチャ"の鼓舞により敵を退けた。
やがて戦いも激しさを増しセタが戦死。"ラ・クカラチャ"は彼の意思を受け継いで戦列に飛び込んでいく。

主題歌の『ラ・クカラチャ』は作者不詳の古いメキシコ民謡で、メキシコ革命の英雄であったパンチョ・ヴィリアの
率いた軍隊の愛唱歌といわれていて歌詞も様々あるようです。
ラ・クカラチャの言葉の意味はゴキブリですが、パンチョ・ヴィリア軍のことを指しているとも言われています。
映画ではタイトルバックなどに多用されていましたが、サントラ盤もなく主題歌のクレジットもありませんので
歌手や演奏者は不明です。
また、"ラ・クカラチャ"は1934年にもメキシコで映画化され、この曲が使われていました。

La cucaracha, la cucaracha,
ya no puede caminar
porque no tiene porque le falta,
marihuana pa' fumar.

↓はトリオ・ロス・パンチョスの『ラ・クカラチャ』 YOUTUBEより



ポップス・ベストテン 1962年4月 その3

2014-04-19 01:33:29 | ポップス

『今週のベストテン』1962年4月21日
①ルイジアナ・ママ ジーン・ピットニー
②トゥナイト サウンド・トラック
③霧の中のジョニー ジョン・レイトン
④花咲く街角 デル・シャノン
⑤大人になりたい コニー・フランシス
⑥レッツ・ゲット・トゥゲザー ヘイリー・ミルズ
⑦悲しき片想い ヘレン・シャピロ
⑧すてきな16才 ニール・セダカ
⑨夢みる恋 ヘレン・シャピロ
⑩悲しき女学生 パット・ブーン
⑪恋の一番列車 ニール・セダカ
⑫ライオンは寝ている トーケンズ
⑬夢のデイト コニー・フランシス
⑭悲しい恋の物語 ダイオン
⑮君去りし夜 ウーゴー・ブランコ楽団
⑯戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
⑰可愛いベイビー コニー・フランシス
⑱ブルー・ハワイ エルヴィス・プレスリー
⑲シェーンのテーマ ポール・ウエストン楽団
⑳駅馬車のテーマ ラルフ・ハンター楽団

『今週のヒットレコード』1962年4月22日
①霧の中のジョニー ジョン・レイトン
②ライオンは寝ている トーケンズ
③戦場に陽は落ちて リトル・リチャード
④好きにならずにいられない エルヴィス・プレスリー
⑤すてきな16才 ニール・セダカ
⑥アテネの恋歌 ナナ・ムスクーリ
⑦悲しい恋の物語 ダイオン
⑧トゥナイト サウンド・トラック
⑨大人になりたい コニー・フランシス
⑩ザ・ツイスト チャビー・チェッカー
⑪ハッピー・ホセ ジャック・ロス楽団
⑫ジョニーの真心 パット・ブーン
⑬ビッグ・バッド・ジョン ジミー・ディーン
⑭愛してほしいの ポール・アンカ
⑮恋のスーパー伯爵 ジーン・チャンドラー

『今週のベストテン』ではトップに『ルイジアナ・ママ』が返り咲き激しいバトルを繰り返しています。
ベストテンにはニール・セダカの『すてきな16才』とパット・ブーンの『悲しき女学生』の
二曲がランクインし、『恋の一番列車』、『ライオンは寝ている』が陥落です。
下位を見ますと、コニー・フランシスの日本語盤『可愛いベイビー』が初登場し、
映画のリヴァイヴァル上映に伴って『シェーン』と『駅馬車』の主題歌が並びました。

『今週のヒットレコード』の方はコニー・フランシスの『大人になりたい』とチャビー・チェッカーの
『ザ・ツイスト』がベストテンに入り、ジミー・ディーンの『ビッグ・バッド・ジョン』と『ハッピー・ホセ』
がトップテンから陥落しましたが、『ハッピー・ホセ』は再びカムバックすることになります。
下位では『ナポリに帰りて』、『あなたに夢中』、『ルイジアナ・ママ』の三曲が圏外に去り、
新顔としてパット・ブーンの『ジョニーの真心』、ポール・アンカの『愛してほしいの』そして
ジーン・チャンドラーの『恋のスーパー伯爵』が登場し上位を目指します。

↓はパット・ブーンの『ジョニーの真心』 YOUTUBEより


↓はジーン・チャンドラーの『恋のスーパー伯爵』 YOUTUBEより



映画音楽史(106) 『白銀は招くよ』 1959年公開

2014-04-18 00:52:21 | 映画音楽



『白銀は招くよ』 12 Madchen und 1 Man (西独) 1959年制作
監督 ハンス・クエスト
音楽 フランツ・グローテ
主演 フローリアン … トニー・ザイラー
    エファ … マルギット・ニュンケ
主題歌 『白銀は招くよ』 ( Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt ) 唄・トニー・ザイラー

アルペン三冠王のトニー・ザイラーのスキー技術を堪能させる青春スキー映画。
アルプスのチロル地方の山村に警察の駐在所があるが、事件もないために閉鎖されようとしていた。
老警官が閉鎖を防ぐために偽の窃盗事件をでっち上げたため、本部からフローリアン刑事が駆けつける。
そんな時、山小屋に12人の娘たちがスキーにやってきた。そこに本物の窃盗団が現れて大騒動になる。
フローリアンは窃盗団一味を逮捕し、娘たちのリーダーのエファと結ばれる。

主題歌の『白銀は招くよ』はウィリー・デーメル作詞、フランツ・グローテ作曲によるものです。
日本でもこのレコードは爆発的な大ヒットとなり、当時の各ベストテン番組でもトップに輝いています。

Ich bin der glücklichste Mensch auf der Welt
Gute Laune ist mehr wert als Geld
Heut riecht was, heut riecht was
Was schönes für mich in der Luft

↓はトニー・ザイラーの『白銀は招くよ』 YOUTUBEより



映画音楽史(105) 『わらの男』 1959年公開

2014-04-17 00:32:53 | 映画音楽



『わらの男』 L'Uomo di Paglia (伊) 1958年制作
監督 ピエトロ・ジェルミ
音楽 カルロ・ルスティケッリ
主演 アンドレア … ピエトロ・ジェルミ
    ルイザ … ルイザ・デラ・ノーチェ
    リータ … フランカ・ベットーヤ
    ジュリオ … エドワルド・ネヴォラ
    ベッペ … サーロ・ウルツィ
主題歌 『わらの男』 ( L'Uomo di Paglia ) 演奏・カルロ・ルスティケッリ楽団

妻子ある中年男と若い娘の恋をベースにして小市民生活の哀歌を描いたジェルミのオリジナル作品。
機械職人アンドレアの一人息子のジュリオが肺炎になり療養のために妻のルイザと共に実家に戻った。
そのためアンドレアは一人暮らしを余儀なくされる。ある日、近所のアパートに住むリータと知り合い、
彼女の弟の就職を世話したことから親しくなり、うしろめたい恋が始まる。
やがてアンドレアの妻子が戻る日が近づくが、アンドレアのリータに対する態度は煮え切らない。
リータはアンドレアとの恋に絶望して飛び降り自殺を図る。真相を知った妻は再び実家に戻った。
大晦日の深夜、アンドレアは苦い酒に酔い誰もいないはずの自宅に戻ると、そこに妻子の姿があった。

アンニュイなメロディーの主題歌『わらの男』はカルロ・ルスティケッリの作曲によるもので、映画の全編に
流れて映像と連動して主人公たちの不安定な情感をかもし出していました。

↓はカルロ・ルスティケッリ楽団の『わらの男』 YOUTUBEより


映画音楽史(104) 『殺られる』 1959年公開

2014-04-16 00:17:13 | 映画音楽



『殺られる』 Des Femmes Disparaissent (仏) 1959年制作
監督 エドアール・モリナロ
音楽 アート・ブレイキー
主演 ピエール … ロベール・オッセン
    ベアトリス … エステル・ブラン
    コラリーヌ … マガリ・ノエル
    トム … フィリップ・クレー
主題歌 『殺られる』 ( Des Femmes Disparaissent ) 演奏・アート・ブレイキーとジャズメッセンジャース

マルセイユを舞台にしたオリジナルストーリーで、非情な暗黒世界を描いたフィルム・ノワール作品。
労働者のピエールは恋人のベアトリスが謎の外出をしたのを不審に思い後をつけ、彼女が入った別荘に
侵入する。別荘ではパーティーが開かれていたが、それは女性人身密売組織の罠であった。
ピエールは組織仲間のコラリーヌの手助けで組織と対決。警官隊も駆けつけて派手な銃撃戦の末に
ベアトリスは危機一髪のところで助け出される。

主題歌の『殺られる』の作曲は、アート・ブレーキ―と、テナーサックス担当のベニー・ゴルスンによる共作で
これもまた時代の流行となったモダンジャズを取り入れたフランス映画です。
映画では、タイトルバックにおいてシンバルとドラムによる斬新的なリズムが効果を盛り上げていました。

↓はアート・ブレイキーとジャズメッセンジャースによる『殺られる』 YOUTUBEより