港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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映画音楽史(112) 『渚にて』 1960年公開

2014-04-25 03:06:06 | 映画音楽



『渚にて』 On the Beach (米) 1959年制作
監督 スタンリー・クレーマー
音楽 アーネスト・ゴールド
主演 ドゥワイト・タワーズ … グレゴリー・ペック
    モイラ・ダヴッドソン … エヴァ・ガードナー
    ジュリアン・オズボーン … フレッド・アステア
    ピーター・ホームズ … アンソニー・パーキンス
主題歌 『渚にて (ワルツィング・マチルダ) 』 ( Waltzing Matilda ) 唄・ジミー・ロジャーズ

核戦争の恐怖をリアルに警告したネヴィル・シュート原作による空想小説の映画化。
1964年、米ソ冷戦が破綻して双方の水爆合戦で地球は死滅に向かう。原子力潜水艦ソーフィッシュ号は
難を逃れてオーストラリアのメルボルン港に入港する。しかし、この地も放射能汚染はまぬかれない。
タワーズ艦長はサンフランシスコの状況を偵察のために故国に戻るが町は完全に死滅してしまっていた。
潜水艦がメルボルンに戻ると、オーストラリア政府は人類の最期が来たことを告知して市民に安楽死用の
自殺薬を配給していた。タワーズはソーフィッシュ号と共に自沈する覚悟を決めて出航する。

主題歌の『渚にて』はA・B・パターソン作詞、マリー・コーワン作曲の1903年に作られたオーストラリアの民謡で
第二次世界大戦ではオーストラリア兵士の愛唱歌でもありました。
映画ではピーターの開いたパーティで、期せずして唄い始められたこの歌が次第に大合唱になっていきました。
サウンドトラック盤もあるのですが、日本ではジミー・ロジャーズのレコードでヒットしました。

Once a jolly swabman
Sat beside a billabong
Under the shade of a klibar tree
And he sang as he sat
And he waited while his billy boiled
You'll come a-waltzing Matilda with me

↓はジミー・ロジャーズの『渚にて』 YOUTUBEより



映画音楽史(111) 『カンカン』 1960年公開

2014-04-24 00:37:59 | 映画音楽



『カンカン』 Can-Can (米) 1960年制作
監督 ウォルター・ラング
音楽 コール・ポーター
    ネルソン・リドル
主演 フランソワ … フランク・シナトラ
    シモーヌ … シャーリー・マクレーン
    ポール … モーリス・シュヴァリエ
    フィリップ … ルイ・ジュールダン
    クロディーヌ … ジュリエット・プラウズ
主題歌 『アイ・ラヴ・パリス』 ( I love Paris ) 唄・フランク・シナトラ&モーリス・シュヴァリエ

エイヴ・バロウズ原作のベル・エポック時代を背景にした同名のブロードウェイミュージカルの映画版。
1890年代、パリではカンカン踊りが禁止されていたがシモーヌの店ではもぐりでカンカンが踊られていた。
警察から摘発されなかったのはシモーヌを愛していた弁護士のフランソワが賄賂で丸め込んでいたためである。
ところが、主席判事ポールの部下として堅物のフィリップ判事が新任としてやってきて取り締まりを強めた。
シモーヌの店も手入れにあい、シモーヌや踊り子のクロディーヌが逮捕される。シモーヌの釈放をめぐって
フランソワやフィリップらが画策を応酬し合って一大騒動となるが粋人のポール主席判事が事態を丸く収めた。

主題歌の『アイ・ラヴ・パリス』はコール・ポーターの歌曲で、映画ではフランク・シナトラとモーリス・シュヴァリエが
デュエットで唄っており、全編に十数曲のナンバーが散りばめられていました。

I love Paris in the spring time
I love Paris in the fall
I love Paris in the winter when it drizzles
I love Paris in the summer when it sizzles

↓はフランク・シナトラの『アイ・ラヴ・パリス』 YOUTUBEより



映画音楽史(110) 『五つの銅貨』 1960年公開

2014-04-23 00:47:00 | 映画音楽



『五つの銅貨』 The Five Pennies (米) 1959年制作
監督 メルヴィル・シェイヴェルソン
音楽 リース・スティーヴンス
主演 レッド・ニコルズ … ダニー・ケイ
    ボビー … バーバラ・ベル・ゲデス
    ドロシー(6~8才) … スーザン・ゴードン
    ドロシー(13才) … チューズディ・ウエルド
    ルイ・アームストロングス … ルイ・アームストロングス
主題歌 『五つの銅貨』 ( The Five Pennies ) 唄・ダニー・ケイ

1920~30年にかけて活躍したデキシーランドジャズのコルネット奏者レッド・ニコルズの音楽伝記映画。
人気奏者のレッドは歌手のボビーと結婚し娘のドロシーが生まれるが小児マヒにかかってしまう。
そのためレッドは音楽を捨てて娘の治療に全力を尽くす。娘の病も癒えたころ音楽界に復帰しようとしたが
既に名声は薄れてしまっていた。しかし、レッドは見事なカムバックを果たす。

主題歌の『五つの銅貨』はダニー・ケイ夫人のシルヴィア・ファインの作で彼女は他にも二曲提供しています。
また、ジャズの定盤である『聖者の行進』や『リパブリック讃歌』などの名曲が目白押しで、サッチモの他にも
レイ・アンソニー、ボブ・クロスビー、シェリー・マンらが出演し音楽ファンを楽しませた一編でもありました。
なお、映画におけるダニー・ケイのコルネット演奏は当時55歳のレッド・ニコルズ本人が吹き込んでいます。

This little penny is to wish on
And make your wishes come true
This little penny is to dream on
Dream of all you can do

↓はダニー・ケイの『五つの銅貨』 YOUTUBEより


ダニー・ケイとサッチモの掛け合い『聖者の行進』も忘れられない一曲です。

Now when the saints, marching in
When the saints go marching in
Yes, I want to be in that number
And when the saints go marching in

↓はダニー・ケイ&ルイ・アームストロングの『聖者の行進』 YOUTUBEより


映画音楽史(109) 『アラモ』 1960年公開

2014-04-22 00:19:14 | 映画音楽



『アラモ』 The Alamo (米) 1960制作
監督 ジョン・ウェイン
音楽 ディミトリー・ティオムキン
主演 ジェームズ・ボウイ … リチャード・ウィドマーク
    デイヴィー・クロケット … ジョン・ウェイン
    ウィリアム・トラヴィス … ローレンス・ハーヴェイ
    ヒューストン将軍 … リチャード・ブーン
    スー・ディキンソン … ジョーン・オブライエン
    フラカ … リンダ・クリスタル
主題歌 『遥かなるアラモ』 ( The Green Leaves Of Summer ) 演奏・サウンド・トラック盤
挿入歌 『アラモの唄』 ( Ballad of the Aalamo ) 演奏・サウンド・トラック盤
挿入歌 『皆殺しの唄』 ( Deguello ) 演奏・サウンド・トラック盤

1836年、当時メキシコ領テキサスは独裁者サンタ・アナの圧政に苦しんでいたが住民の独立の気運が高まり
ついにメキシコ軍との戦いが始まる。戦いの指揮をとったのはヒューストン将軍で、アラモに砦を築いて
メキシコ軍を迎え撃つ。180人の守備隊に対して7000のメキシコ軍との戦闘が始まる。多勢に無勢、守備隊の
敗色は濃厚となり、サンタ・アナは最後通告を出して婦女子を砦から立ち退かせると総攻撃をしかけた。
義勇士としてかけつけたデイヴィー・クロケットも倒れアラモ砦は玉砕した。

主題歌及び挿入歌はすべてディミトリー・ティオムキンの作曲で、『遥かなるアラモ』と『アラモの唄』は
ポール・フランシス・ウエブスターが作詞しました。
映画ではタイトルバックに『皆殺しの唄』と『遥かなるアラモ』がメドレーで流れ、また、死を覚悟した守備隊が
愛する妻子を砦から逃がすシーンでも『遥かなるアラモ』のインストゥルメンタルが使われていました。
映画が製作された時は『遥かなるアラモ』はフェビアンが唄っていましたが、70ミリ版ではカットされています。
サントラ盤の演奏はいずれもディミトリー・ティオムキン楽団ですが、レコードとしては『遥かなるアラモ』は
ブラザーズ・フォーで大ヒットし、『アラモの唄』はマーティ・ロビンス盤がリリースされています。

A time to be reaping  A time to be sowing
The green leaves of summer  Are calling me home
Was so good to be young then  In the season of plenty
When the catfish were jumping  As high as the sky

↓はブラザーズ・フォーの『遥かなるアラモ』 YOUTUBEより


映画音楽史(108) 『アパートの鍵貸します』 1960年公開

2014-04-21 03:21:07 | 映画音楽



『アパートの鍵貸します』 The Apartment (米) 1960年制作
監督 ビリー・ワイルダー
音楽 アドルフ・ドイッチェ
主演 C・C・バクスター … ジャック・レモン
    フラン・キューブリック … シャーリー・マクレーン
    シェルドレイク … フレッド・マクマレー
主題歌 『アパートメント』 ( The Apartment ) 演奏・フェランテとタイシャ―のピアノ

サラリーマンの悲哀を笑いとペーソスで描いたワイルダー自前のソフィスティケーション喜劇。
保険会社の平社員のバクスターは上役に取り入るために自宅アパートを彼らの逢引の場所として提供する。
ところが、部長のシェルドレイクはバクスターが密かに恋していたエレベーターガールのフランを自宅に連れ込んだ。
その上、シェルドレイクは妻と離婚してフランを迎えるという約束を果たそうとしない。フランは思い余って
バクスターの部屋で睡眠薬自殺を図ったところをバクスターに救われた。バクスターは会社に嫌気がさし、
辞表を出して新しい町で人生の再出発をしようと一人で前祝いをしているところにフランが駆けつける。

主題歌の『アパートメント』はチャールズ・ウィリアムズの作曲で、映画のタイトルバックに使われていました。
サントラ盤は存じ上げませんか、フェランテとタイシャ―のピアノのレコードがリリースされています。

↓はフェランテとタイシャ―の『アパートメント』 YOUTUBEより


あの広いオフィスに限りない数のフリーデンには驚かされました。