港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

映画音楽史(224) 『シェルブールの雨傘』 1964年公開

2014-09-04 01:17:02 | 映画音楽



『シェルブールの雨傘』 Les parapluies de Cherbourg (仏) 1964年制作
監督 ジャック・ドミィ
音楽 ミシェル・ルグラン
主演 ジュヌヴィエーヴ … カトリーヌ・ドヌーヴ
    ギイ … ニーノ・カステルヌオーヴォ
    エムリー … アンヌ・ヴェルノン
    マドレーヌ … エレン・ファルナー
    カサール … マルク・ミシェル
主題歌 『シェルブールの雨傘』 ( Les parapluies de Cherbourg ) 演奏・サウンドトラック

ヌーヴェルヴァーク左岸派のジャック・ドミの草案をもとに、オペラ形式によるすべての台詞を出演者に唄わせる
という手法による画期的な作品で、港町シェルブールを舞台にした切なくて残酷な愛の姿をテーマにした傑作。
雨傘店の一人娘ジュヌヴィエーヴは自動車工のギイと恋仲であったが、ある日ギイに軍隊からの召集令状が届いた。
ギイはアルジェリア戦線に出征したが やがて音信が途絶えてしまった。ギイの子供を宿していたジュヌヴィエーヴは
ギイが戦死したものと思込む。ジュヌヴィエーヴは宝石商のカサールから身重を承知で結婚を申し込まれて受諾する。
それから一年半、戦地で負傷していたギイが帰還したがジュヌヴィエーヴは既に結婚していて傘屋も占められていた。
すべてに失望したギイは育ての親の娘マドレーヌと結婚してシェルブールでガソリンスタンドの店を持つ。さらに時が流れ、
クリスマスイヴの夜、ガソリンスタンドにジュヌヴィエーヴが偶然立ち寄って二人は五年ぶりに再会する。

主題歌の『シェルブールの雨傘』はミシェル・ルグランの作曲によるものです。映画のシナリオがすべて歌曲になって
いますので作詞は脚本を書いたジャック・ドミィということになります。主たるメロディーラインはほぼ全編を通じており
ますが、特にタイトルバックのインストゥルメンタル、駅での別れ、そしてラストシーンは必見です。
また、ジュヌヴィエーヴはダニエル・リカーリ、ギイはジョゼ・パルテル、他の俳優も全て吹替えとなっています。
余談ですが、自由気ままなセーヌ左岸派の監督なのに、雨に始まり雪で終わるという映画の基本文法を踏襲している
のには感心しました。

↓は『シェルブールの雨傘』タイトルバック YOUTUBEより


↓は『シェルブールの雨傘』駅舎の別れのシーン YOUTUBEより


↓は『シェルブールの雨傘』ラストシーン YOUTUBEより



今でも心の奥で愛し合っている二人のあまりにも残酷なラストシーンを見るたびに涙腺が緩みます。