にこにこ堂「ちえまる本舗!」

編み編み大好きなハマのおばはん。闘病の日々ですが、明るい気持ちで頑張っています!!負けないぞ!!

毎日の習慣、昼間編

2005-04-29 | 介護アイデア
毎朝毎晩の歯磨きは、退院してから今までずっと私がしてきました
七沢の病院で、何度か自分で磨いたそうですが、歯ブラシが思わぬ場所に当たったり、健常の左手も、しっかりと物をつかめないのだそうです。
しかも、口の中が麻痺しているので、何処をみがいているのか力加減もわからず、出血してしまうのですそんな危ない思いをしてまで無理してやらなくてもいいよ。
歯磨きもリハビリのひとつだけど、そのうちやればいいじゃん。
というわけで、しっかりと私のお仕事になったわけです
朝は、まず自分で着替えをして、お尻でいざって居間へ。
座椅子に坐ったところへ私がケロちゃんの洗面器と口腔洗浄剤を溶かした水を持っていきます。
それでぶくぶくして、熱くしたタオルで顔と手をごしごし拭きます。
そして、食後トイレへ行った後、またぶくぶく、手洗い、洗顔、洗髪をすませるのです。
さて、あともう一息
そのあと、一番大切な歩行練習です。でもこれは、退院してから三年目あたりから始めたので、それ以前は洗顔、洗髪で朝のセレモニーはおわりでした
実はお恥ずかしい話ですが、洗顔も退院時は目が閉じないので、清拭剤で拭くだけでした。
勿論入浴も私一人では難しかったので、必ず毎晩、念入りに清拭をしていました。
そのうち、流しで顔を洗うようになり、ふけがすごいので洗髪も毎日かならずしようということになりました。
以前にも増して、かなり仕事が増えてしまったのです
でも、習慣になってしまうと、毎朝フルコースをこなさないと、何だかスッキリしなくなりました。
生活の中に上手く組み込んでしまえば、面倒だと思っていたことも楽にこなせるものですね。
二人でいろいろと試行錯誤しながら、あれこれ試してきましたが、どれもいい経験になっていると思います。
その時その時の身体の状態に合わせて、どんどん変えていくといいですね。
ほんの少しの工夫で、生活がとても快適になるのだったら嬉しいですよね

オリジナル即席円座

2005-04-27 | 介護アイデア
横浜の桜もあっという間に終わってしまいました
また来年を楽しみに、桜のテンプレートからまた猫ちゃんの所に帰ってきました。
またよろしくね!!

4月27日その2
最初に、ちょっと前回の続きです。
このイラストは、お義母さんを椅子から布団へ移動させていた時の風景です。(懐かしいなぁ・・・
小さな人でしたが、力が抜けている為けっこう重かったので、なるべく腰に負担がかからないように気をつけていました。
必ずお義母さんに私の首ったまにしがみついてもらい、私も抱きつくようにして腰に手を回して
「エイヤッ」と気合を入れて移動させていました。
なるべく身体を密着させるとらくでしたよ。    お・わ・り

さて、本題です。
これは、偶然思いついた大ヒットアイデアです
仕事先の病院でのことでした。
透析中、患者さん(高齢の女性)に呼ばれたので行ってみると「お尻が痛くて痛くて・・・」と顔をしかめていました。
どれどれと、見せてもらうとお尻のしっぽ(?)のあたりに小さな骨が出ていて、そこが当たって痛かったのです。
「これじゃ、床ずれになっちゃうね」
私は急いで病棟のリネン室へ駆け込み、必死で円座を探しました。
でも、運悪く全部出払ってしまったようで、一個も残っていませんでした。
困ったなぁ・・・何とかしてあげたいなぁ・・・
暗い気持ちで透析室へ帰ろうとしていたとき、
「そうだっ」ふと、ひらめいたのです
急いで準備室へ駆け込み、バスタオルを4枚(何故か)を少しずらして重ね、横にしてくるくると巻いてみました。
そしてそれをドーナツ型にしたら、とってもいい感じ
あとはどうやって繋ごうか・・・で、思いついたのがネット包帯でした。
伸縮がきく筒状になっているのでいけそうです。
普通は使いやすいようにカットして売っていますが、業務用なので、ロール状になっています。
それを長めにカットして、中に巻き寿司状のバスタオルを入れてドーナツ型にして結ぶんでみました。
おおっまさに円座だ
こいつで我慢してもらおうと、急いでそのおばあちゃんに持って行きました。
もう喜ぶ喜ぶ

我が儘で気位が高く、文句ばかり言っているおばあさんなので、まわりからも疎外視されていたようです。
よっぽど嬉しかったのでしょうね。透析が終わるまで、何度も何度も
「ありがとう、ありがとう」と言ってくれました。
その日から、私にだけは文句を言うどころか、会うたびに褒める褒める
その円座、かなり気に入ってくれたようで、一日おきの透析に来るたび大切にお尻の下に敷いてくれていました。

そのおばあさんも、昨年春に亡くなったそうです。きっとあの円座も一緒だね。  合掌

移動の工夫

2005-04-27 | 介護アイデア
初めて七沢のリハビリ病院で、きゅうちゃんの移動介助をする時、どのような角度で、ベッドの前に車椅子を置いたらいいのか、どのように支えてあげたらいいのか全くわかりませんでした
仕事先の病院でも、お年寄りの移動をしていますが、ほとんどベッドから抱きかかえて車椅子に移動させてあげるので、またちょっと違いますよね
でも、心配する必要はなく、ちゃんときゅうちゃんが手取り足取り(は出来ませんね)教えてくれました。
着替えも同じでした。着る時は患側から、脱ぐ時は健側から、とかね
今まで知らない事ばかりで、馴れるまでしょっちゅう順序を間違えたりしました(今もたまに間違えます

私はきゅうちゃんが移動する時に、必ず右手でズボンの後ろのゴムの所をしっかりつかんでいます。
トイレの段差を超えて便座に坐るまでの間や、車椅子から絨毯の上に降りるときなど、これひとつで安全、安心です。
これは、万が一バランスを崩して、前後左右に倒れそうになった時でも腕力だけで転倒を防げるのです
ところが、両方の手で腕や脇を持っているだけでは、いざという時にはとても支えきれません。それこそ、一緒に倒れてしまうでしょう
なので、必ず「右手はズボン、左手は腕」をムンズとつかんで移動介助をしております。

あと、入浴介助のとき、一番困るのが何処を持って介助してあげたらいいのか、ちょっと悩みますよね
そんな時にお役立ちなのが「古ストッキング命綱」ですこれは、ヘルパー二級の講習の時に教えてもらったアイデアです。
その名前のとおり、伝線して履かなくなったストッキング6本を使って作る紐です。
ストッキング2本を一本につなぎます。それを3本作ってみつ編みにし、胴回りに巻き、移動する時そっと後ろを持って転倒を防止するわけです。
頭で考えると、なんだかなぁ・・って思いますが、人に見せるもんじゃないし、すべって転ぶことを考えたら、これが一番安全なようです。
何故、ストッキングかというと、肌触りもさらっとしていて、水はけもよく、ぬれてしまってもすーっと乾く、そしてとても丈夫だからだそうです
ストッキングでいろいろ工夫できそうですね

コップ転倒対策、その2

2005-04-25 | 介護アイデア
今日の写真は、現在きゅうちゃんが使用しているマグカップです
夜のお楽しみワインで一杯呑む時のマグカップです。
ほとんど溢すことがないので、本来ならラップなど必要ないのです。
じゃ、どうしてラップかというと、一杯やるときに飼っているセキセイインコのきみちゃんを外に出しているのですが、きゅうちゃんが呑んでいると必ず飛んできて一緒に呑んでしまうのです

ともすると、ワインの中にドボンしそうになるので、ラップをするようになりました。
でも、今度はストローの吸い口に止まったので、ラップごと外れてしまったのです。一枚では強度が弱いので、ストローを包み込む感じでもう一枚かけました。
すると、かなり頑丈で、うっかり倒してもこぼれませんでした
この写真では2枚目のラップが横に広がっていますが、これはわざとこうしただけで、実際はちゃんとカップにくっつけております(笑)

カップにラップをかけるとき、思いっきりピンと張ってかけます。
その時、ストローの下の部分を斜めにカットして尖らせておくと、上手くラップに挿せますよ。
長さも下から3センチくらいカットすると、飲みやすいようです。

おすすめ!黒豆の煮汁

2005-04-24 | 介護アイデア
今日はちょっと目先を変えて、我が家のお気に入りをご紹介します
まず、左側のはよく介護用品売り場にあるストロー付き介護カップをマネしたものです。
スーパーで円筒形のタッパーを買ってきて、蓋にストローくらいの太さの穴(ちょっと細めにあけるといいよ)をあけたものです。
安くできるし、うっかり倒しても中身を目一杯入れなければこぼれません
穴は錐で少しずつ広げながら開けるとOK

真ん中はワイヤレスピンポンです。
玄関とトイレ、きゅうちゃんの横にいつもいてくれてます。
本体一つで三つまで増設できるので、さっそく買いました。
トイレは、きゅうちゃんが出るときに知らせるため、部屋のは、私がベランダで洗濯物を干している時に何かあったとき(電話が鳴っている時や、急にトイレへ行きたくなった時など)のために使っていますが、とても助かっています。

さていよいよ右側の黒豆の煮汁です
たまたまテレビを見たのがきっかけで始めました。もう一年以上飲んでいますが血圧はいつも低めで安定しております。
一度、浮気をして「黒豆茶」に変えてみたのですが、だめ・・・
だんだん数値が上がってきたのです。
それでまたもとに戻して飲み始めたら、やっぱり下がったので、それ以来黒豆煮汁一筋です

作り方は、黒豆50グラムに対して水1リットルで煮るのです。
5時間以上水につけた黒豆を20分くらい煮て、おしまいです。途中出てくる「アク」は絶対に捨ててはいけません
それを何回かに分けて飲むのですが、なれると結構美味しいものです。
これはおすすめで~す

一時帰宅の大切さ

2005-04-23 | 脳幹出血
2000年1月20日(木曜日)にきゅうちゃんはリハビリ病院をめでたく退院しました。
途中、1999年の暮れから一週間一時帰宅しました。
もう退院間近かでしたが、なんと言ってもお正月です絶対帰ってこなきゃね

外泊はいつでもOKなので、それまでにも何度か「帰っておいで」と勧めましたが、きゅうちゃんは気を遣ってか、一度も帰ってきませんでした。
でも、さすがに今回はすんなりと外泊する気になってくれてよかったよかった
お義母さんだって、楽しみにしているに違いありません。
一時帰宅は、三人で楽しく新年を迎えることが第一の目的ですが、その他に、きゅうちゃんが実際に生活を始めるために、何が必要か、どの場所にどんな手摺をつけておいたらいいのか確認するためのものですね。むしろそっちの方が大切かもしれません。
ただ、やみくもに手摺をつけても、つかまる高さが合わなかったり、かえって邪魔になってしまうかも・・・その意味でも本当に一時帰宅は必要です。

きゅうちゃんのお友達が七沢まで一緒に迎えに行ってくれたので、本当に助かりましたが、一番肝心なことを忘れていたのです。
それは、「く・る・ま・い・す」
前もってレンタルか区役所の福祉課で借りればよかったのに、全く気が付きませんでした。全くおばか
それも、家の前に到着して、さて車から降りようとしたときに気が付いたもんだから、さあ大変だ
呆れて苦笑いしていたきゅうちゃんは、何とか歩いていこうと、庭のフェンスに手をかけましたが、きゅうちゃんの友達は
「きゅうちゃん、おれにおぶされ」ときゅうちゃんの前に後ろ向きにしゃがみこみました。
きゅうちゃんより小柄でしたが職人さんなので、かなり力もちらくらくときゅうちゃんをオブって家まで連れてきてくれたのでした。
迎えに出たお義母さんは目が点・・・そのあと爆笑、そのあとうれし泣きで、久々の母子、感動のご対面でした。

その晩はみんなで寿司パーティーをしました。
久しぶりでやっと家の中が明るく賑やかになり、手乗り文鳥のきゅーぞーもチュンチュンととても嬉しそうでした。
ところが、またまたアクシデント勃発
きゅうちゃんがトイレへ行きたいと言うので、机の端につかまり、私も身体を支えてゆっくりと立ち上がりました。今考えると全く怖いもの知らずというか、無謀というか、装具無し、杖も無し、私の介助だけで部屋から5メートルくらい離れたトイレまで行っちゃったのですよく足首がなんともなかったと思います。
しかし、帰ってくるとき、問題の五センチ段差を超えた拍子にバランスを崩し、二人一緒に倒れてしまったのです
このとき、麻痺側にいた私はきゅうちゃんの重さに耐え切れず、テーブルの上に乗っていたお皿に手をつき、お皿が割れて怪我をしてしまいました。
でも、きゅうちゃんが無事でよかった痛かったけど・・・

その日から七沢に帰るまでの数日間は車椅子無しで過ごしました。
ちょうどどこも正月休みで、調達することができず、きゅうちゃんにつらい思いをさせてしまいました。危ないので、おしりでいざって移動することにしたのです。
でも、そのおかげでキャスターつき移動板が誕生したのです!怪我の功名かな

この期間中、トイレに取り付ける手摺りの長さや位置を知ることができました。
一時帰宅は、障害を持ってしまった家族を迎え入れるための、大切な準備期間だと思いました。

靴下の履き方

2005-04-21 | 脳幹出血
きゅうちゃんは、七沢で、まず靴下の履き方を教わったそうです。
片手でどうやって履くのかなぁ・・・と不思議に思っていましたが、きゅうちゃんはいとも簡単に、しかもあっという間に履いてしまったのです驚き~

まず、図のように靴下の履き口を自分のほうに向けて置く。
履き口の中に左手を少しずつ少しずつ忍び込ませ、指が隠れるくらいに入ったら、えいやっとばかりに思いっきり手のひらを開く。
広くなった履き口を足の方へ持っていって履かせる。

なるほどね~、こりゃ~すげえや・・・

背が高いと、やっぱりそれに比例して手足も大きいので、靴下の履き口を思い切り広げるとすごい
大きさです
それをガバッと28センチの足に履かせるのですが、早い早い
あっという間に両方の足に靴下を履かせてしまうのです。始めてみた時は目が点になりました


段差で深まった「夫婦の絆」

2005-04-20 | 脳幹出血
まだ、このように手摺がつくまでは、トイレタイムが恐怖でした
きゅうちゃんも、なるべくなら行きたくないと思っていたようです。
きゅうちゃんは必死で右側の淵につかまり、私はきゅうちゃんのズボンの後ろのゴムのところをしっかりつかんで乗り越えていました。
私が手を離したら一気に地獄です
やっと二人の息がぴったり合って、スムーズに便器までたどり着く事ができるようになった頃、市から改修許可がおりて、すぐに手摺の工事をしてもらえたというわけです。約一ヶ月頑張りました(今思い出すと懐かしいなぁ・・・)
住宅改修は、ここへ引っ越してくる前に申請したかったのですが、聞いたら「実際に住んでいないと許可がおりない」と言われ、が~~~ん
でも、人間その気になれば、なんだ~ってできちゃうものなんですね。
この段差のお陰で、自身がついた気がします。
二人で力をあわせて乗り越え、夫婦の絆をますます(?)強いものにしてくれた有難~い段差に、感謝感謝

継続は力なり!言葉のリハビリ

2005-04-20 | 脳幹出血
きゅうちゃんの、数ある後遺症の中に、「構音障害」というやっかい物がおります。
これは、言葉の発音がうまくできないので、本人にとって非常にストレスが大きいのではないかと思います。

七沢のリハビリ病院では、言語訓練の時に
「パン屋さんの前をとおると、ジャムパンやクリームパンのいい匂いがいっぱいした」
と、何度も練習していました。
退院して、我が家に帰ってきてからも、一所懸命練習を続けていました。でも、なかなかよくなりませんでした。

何かを言おうとしても上手く発音できないので(特に「サ行」「タ行」「パ行」)、一発で相手に伝わりにくいのです。
最初の頃、聞き役の私も、きゅうちゃんが何を言っているのかよくわからないので、何度も何度も聞き返すのですが、そのうち何度も何度も同じことを言わせては酷なような気がして、途中でわかった振りをしたことがありました
でも、それは違~う 

「何度も繰り返し喋ること」

これは立派なリハビリなのです
きゅうちゃんも、何度聞き返してくれても全然嫌ではなかったそうです。
むしろ、わからないのにわかった振りをする方が、絶対つらいですよね~。きゅうちゃんに失礼だね
そうとわかってからは、なんの遠慮もなく、こころゆくまで何度も聞き返すことにしました。
その甲斐あってか、五年経った今では、しっかりした発音ができるようになり、ほとんどの言葉を聞き取れるようになりましたばんざ~いっ
でも、日によっては舌がうまくまわらない時もありますが、数えるくらいです。季節の変わり目などにその症状が現れるようですね

でも、本当に「気長にゆっくり、焦らず諦めず」ですね
そう簡単に変わりはしません。何年かかけて少しずつ変わっていくみたいです。
リハビリをしてなかなか成果が表れなくても、やめちゃいけない
無理をしないで、気が乗らないときはやらない。
でも、長く続ける。
何でもそうですね。   

「継続は力なり

家宝の段差スロープ

2005-04-18 | 脳幹出血
今の団地に引っ越してくる前に住んでいた民間アパートは、つくりが古いので障害のある人や、高齢者にとってはかなり過酷な住まいでした
まず、玄関を入ると真っ先に最初の難関が目に飛び込んできます。
靴を脱いで上がるところの高さが、なんと30センチ近くもあるのです
上がりかまち(玄関ステップ台)を置くにしても、狭くてとても問題にならん・・・
お義母さんなどは、元気な頃でさえ、一度坐ってから靴を脱ぎ、身体を回しながら床に足を乗せて、やっと上がっていました。こんな玄関見たことなかった・・・
お次の難関はきわめつけ畳の部屋へ入るところの段差が、これまた驚きの5センチだったのです
こいつだけはなんとかしないとと思い、ホームセンターや介護ショップ、スーパーで、段差スロープを必死で探したのですが、この頃5センチの高さのものは売ってなかったのです。
介護用品カタログを見ても、みんなせいぜい3センチ止まり。ど~して5センチがないんだよぉ~
自分で作るにしても、あの、オリジナルキャスターつき移動台のようなわけにはいきませんよね~、いっくらなんでも・・・

ある日、困った困ったと思いながら、鎌倉駅から仕事先の病院への裏道を歩いていました。
あ、材木屋さんだ・・・そうだここで作ってくれないかなあ
とヒラメイタのです
奥を覗くとそこの若奥さんみたいな人が洗濯物を干していました。
何だかとても話しかけやすい雰囲気の人だったので、思い切って聞いてみました。
「こちら様で、段差スロープを作っていただけないでしょうか?」
すると、若奥様は
「あ、わかりました。ちょっと主人に聞いてみますので、連絡先を教えてください。たぶん大丈夫だと思いますよ
さっそく、携帯と仕事先、自宅の番号を書いて渡しました。
その日、確か夕方頃だと思いますが、早々と材木屋さんのご主人から連絡があり、喜んで作ってくださるとのお返事をいただきましたバンザイ

翌日、段差スロープのサイズを測って持っていき、なんとその2日後に出来上がったのです早いっ
確かに、お願いしたとおり高さが5センチの素晴らしい段差スロープでした私のイメージとぴったり!!すごいっ
「これ、おいくらですか?」と聞くと、驚いたことに
「いいんですよ。暇な時に端材でつくったんだから。使ってください。
え~~~っです。信じられな~い
でも、職人さんの意地ってもんがあるので、これ以上何を言ってもお金を受け取ってくれないなと思い、素直にに有り難~く頂くことにしました
さっそく段差にあわせて置いてみました。それは一寸のくるいもなく、吸い付くようにピタッと納まったのです。
すばらしい・・・まさにこれが職人の技なのだ
これはお金では決して買えないこの世でたった一つの段差スロープです
そして、2,3日たった頃、でっかい菓子折りを持ってお礼に行きました
今でもこの段差スロープは、引っ越した新しい家の一等席で、毎日私たちを守ってくれています。
一生大切にするからね

早々と退院の準備!!

2005-04-17 | 介護アイデア
まだ早いとは思いつつ、きゅうちゃんからのリクエスト(手摺り、シャワーチェアー、ウォシュレット、etc)は早めに答えてあげたいと思い、さっそく揃えていく方向に持っていきました。
なるべく時間のある時に、あちこちまわったり、介護用品のカタログを取り寄せたりしてチェックチェック
まず、手摺りは近くのホームセンターにあったので、握りやすそうな木製をゲットしました。
トイレの入り口と、便座から立ち上がるときに掴む分、そしてお風呂場の入り口の分、全部で三本購入でこれはOK
次はウォシュレットです。これも、家電ショップでなんなくクリア
問題はシャワーチェアーでした
どの介護用品も超高額でびっくらこきました。なんのこともない椅子が1万円以上するんだ・・・ショック・・・
何かいいものないかなあ・・・と、しばらくの間、ずっと思い悩んでおりました。
ところがある日、「そうだ段差スロープもいるなぁ」と思い、少し大きなホームセンターへ出掛けたのです。
入り口のまわりは大好きな園芸用品がずらりと並んでいたので、何気なしにぼんやり植木を見ていました。すると、
「あ・・・これ、いいかもしれない
見つけたのが、よく芝生の広い庭においてある丸っこい白い椅子だったのですやったぜ
きゅうちゃんの希望どおり、背もたれも肘掛けもOKプラスチックでちょっと安っぽい感じはしますが、お風呂場で使うのだから充分かもしれない
しかも、お値段がなんと980円ですよ
これはもう買うっきゃないと、すぐにレジまで走りました。
帰りはこの大きな椅子を持ってバスに乗るのはちょっと勇気がいったので、頑張って徒歩30分の道のりを、ひたすらかついで帰りました。
きっとこっけいな姿だったでしょうね~
でも、これできゅうちゃんが安全にお風呂へ入ることができるのだと思うと、がぜんファイトが沸いて頑張れました
ばんざ~いっ

車椅子でも畳の生活

2005-04-16 | 介護アイデア
七沢病院の生活も少しずつ慣れてきた頃、いつものようにきゅうちゃんと帰宅後の生活についていろいろ話し合っていました。
転院してからは今までのように毎日記録をつけるということがなくなってしまったので、確かな日にちはわからないのですが、転院して二ヶ月くらい経った頃だったと思います
きゅうちゃんが
「俺が退院するまでに揃えておいて欲しいものがあるんだけど」
と言いました。
あ、そうか、そろそろ考えておかないとな・・・

まず、トイレにウォシュレットをつけてほしい。(そりゃそうだ!了解!)
   背もたれと肘掛けのついているお風呂用の椅子を買っておいてほしい。(さっそく 探しやす!)
   トイレの入り口に手摺をつけておいてほしい。(お安い御用!!)

で、「あとはベッドだよね?」
と言うと、なんと、帰ってきた言葉が
「いらないよ。今までのままでいいよ。おふくろもいるから部屋狭くなっちゃうし、自分のせいで倒れたんだからこっちが今までの生活にあわせなくちゃいけないんだ・・・だから買わないでいいからね。」でした。
「ほえ~スゴイ・・・エライ・・・」マジでびっくりしました。
きゅうちゃんのリハビリを担当している理学療法士さんからも、ベッドのことを聞かれたそうです。きゅうちゃんの意向を伝えたところ、やっぱりえらくびっくりしていたそうです。誰だってスゴイと思うよ。

そして、「じゃ、これからは車椅子から床の上に降りたり、また坐った状態から車椅子に乗る訓練をしていきましょう
ということになったのです。これは本当に異例で、特別なのだそうです。きゅうちゃん、いい先生でよかったね
ところが、言うは易し・・・これはかなり高度な技術がいりました。
いつものリハビリメニューを全てこなした後、最後に指導を受けながら乗り降りの訓練をするのですが、平衡感覚がないので、何度やってもしっかり坐ることができません。
なんとか椅子の上にお尻が乗るのですが、すぐに横へ落ちそうになってしまうのです。
普通の半身麻痺ならば、訓練すれば徐々にできるようになるそうですが、きゅうちゃんの場合はなかなか難しそうでハラハラです。うっかり落ちて骨折でもしたら目も当てられませんよね
逆に危ないので、先生も「また違う方法を考えましょう」と言ってくださいました。


一時はどうなることかと心配しましたが、退院後、試行錯誤でいろいろ試しているうちに、とても安全な方法を見つけることができたのです。
車椅子から降りるときは、上体を下に傾けて屈んだ姿勢になり、左手を床について左ひざも少しずつ下ろして床に下りる方法です。
車椅子に坐る時は、その逆をすればいいのですが、危ないので、手摺のあるところまでいざって行き、手摺に掴まって立ち、そこへ私が車椅子をスッと持っていく方法をとることにしました。
実際に生活していくと、結構いい方法が見つかるものだと思いました。
頭で考えているよりも、まずやってみることが一番かもしれませんね

今日のイラストは、きゅうちゃんが手摺のある所まで、お尻でいざって行く時に「お尻が痛いだろうなあ・・・」と思ってドイトしたものです
板の裏にキャスターを五個付けました。最初は四隅だけでしたが、中央にも一つプラスしたらとても丈夫で安定がよくなりました。

七沢病院めぐり

2005-04-15 | 脳幹出血
「脳血管リハビリセンターにて」(きゅうちゃんの手記より)

ここは完全な車椅子社会で、何でも車椅子が優先で、周りの人は、先生と看護師さんを除いて全員と言ってよいほど車椅子利用者なのです。
全箇所にちゃんと手摺が付いていて、生活がとても楽に過ごせるようになっていました。
その気になれば一日中立たなくても済むので、健康な時よりかえって快適かもしれませんね?
助かるはずのない私が、どうしたことか助かってしまったのだから、言うまでもなく、当然最悪の障害が残ってしまいました。
まず、目は景色が二重に見えて常に上下左右に揺れていますし、耳も左側がほとんど聞こえません。顔は左側の方がだらんと下がってしまっているのが自分でもわかるのです。
口も左側に曲がっていてしかも動かず、物が食べにくいし水分もたれてきてのみにくい。 も一つついでに喋りにくい! まるで幼児語です。
でも、命が助かったのだから良しとしなければいけませんね?
身体も、右半身が麻痺していて右手右足が全く動きません。平衡感覚も木っ端微塵にやられてし
まったので、回復しても一人では歩けないと言われました。
まるで足は腰からぶら下がっているような感じです。そしてこんなにも手足が重いものだとは思ってもみませんでした。
泥酔して意識を無くした酔っ払いを担ぐと、よく、「石の様に重たい」というのがわかるような気がしました。(おわり)


七沢リハビリ病院の玄関を入ると、とっても大きなテレビが置いてあり、その周りに大勢車椅子の患者さんが集まってじっと画面を見つめていました。
とにかく面会者と病院職員以外はほとんどが車椅子の患者さんなのです。
きゅうちゃんの部屋は玄関からかなり遠く、一階の長い長~い廊下をひたすら歩いてエレベーターまで行くのですが、途中いくつかの訓練室がありました。
言語訓練室、作業訓練室、あと(忘れてしまいましたが)もう一つの訓練室でした。
いつも出入り口が開いていたので、チラッと中を覗きながら通っていました。
例えば言語訓練室ですが、暗くて狭い部屋で、とても大きなテーブルがドンと置いてあり、後ろの棚にはテープレコーダーや、文字盤などが置かれていました。
きっとここで発音や言葉の訓練をするのでしょうね。
リハビリ室は一階と地下の二箇所で、きゅうちゃんは地下で訓練を受けていました。
初めて一緒にリハビリ室へ行った時に、思わぬ物を発見したのです
それは「温泉療法室」でした
「あ、これ、いいね~ただ温泉につかっているだけなのかね~
ここで何ヶ月か頑張って、最後のご褒美に入れてくれるといいね

七沢へプチ旅行

2005-04-13 | 脳幹出血
きゅうちゃんがリハビリ病院で一所懸命頑張っていた三ヶ月間、週二回のお休みには雨の日もかぜの日もきゅうちゃんに逢いに行きました。
自宅から二時間はかかりましたが、もともと乗り物に乗るのが大好きだったので全く苦になりませんでしたし、景色が素晴らしかったのでむしろプチ旅行そのもの。楽しみでした
最初は自宅→港南台→大船→藤沢駅(小田急線)→「本厚木」か、その次の「愛甲石田」で降り、そこからまた約40分神奈中バスに乗って病院まで行っていました。
でも、そのうちもう一つの行き方を開発したのです
それは、大船→茅ヶ崎→厚木(相模線)→本厚木(小田急)→病院という方法でした。
かかる時間は同じく二時間でしたが、相模線の車窓から眺める景色は、とても言葉では言い表せないくらい素晴らしいものでした。
線路と並行して相模川が流れ、岸辺にはいちめんすすきの原、そして美しい富士山の姿
おまけに、10月、11月、12月と寒くなるに従って空気が澄んでくるので、目に入る景色も鮮明でもうスゴイの一言です。しかも富士山がデカイ
一番最初に見たときは、思わず席から立ち上がって出入り口に駆け寄り、かぶりつきで見てしまいましたそれこそ、遠足中の子供とおんなじだぁ・・・これでおにぎりの一つでもあったら最高です
この電車はいまどき珍しい手動のドアなのです。さらに有り難いことに、いつも空いていたので、のんびり坐って景色を見ることができるので、きゅうちゃんが退院するまではずっとこのコースを楽しんでいました。本当に降りたくなくなるくらい素敵な路線でした
日頃の仕事疲れも一変で吹き飛び、新鮮でクリアーな気持ちできゅうちゃんに会いに行く事ができたので、本当に有難いことですね。

本厚木の駅を降りて五分くらい歩いたところにバス停があります。
でも、バスの本数は確か一時間に二本くらいしかないので、よく駅前の100円ショップで時間調整をしたものでした
そのお店で、病院で使うきゅうちゃんの洗面器を買いました。
全然壊れないので、今でもなんとなく使っています(青いプラスチックのケロちゃんの絵がかいてあるやつ)
考えてみたら、これはいい思い出の品なので、大切にしなきゃいけませんね?

やっと時間が来てバス停へ行くと、すでに何人かのお客さんが並んでいました。
病院は終点で、まわりはがたくさんあるので、たぶんお風呂に入りに行くのでしょう(いいな~)
途中の景色が、これまた最高、街中からだんだん田舎道に入り、しばらくするとまた川と並行してバスが走るのです。
確かこれも相模川の子供だと思うのですが、今度は土手という土手には真っ赤な彼岸花の群落が・・・
彼岸花、大好きなんです、一年の中で、秋の草花が一番好きです。
なので、もうまわりの景色に釘付けでした。そのうちどんどん山の中へ入って行き、いよいよ病院まであと数分、そこで登場するのが小高い山にそびえ立つ「神奈川リハビリテーション病院」でした。とにかく立派
ここは、事故や脳以外の怪我や病気で、リハビリを必要とする患者さんが入院しているようです。
よく、帰りのバスに身体の不自由な患者さんが大勢乗ってきます。
そのたび運転手さんが手伝ってあげたり、とても丁寧に運転してくれていました。
障害のある家族をもつ人間にとって、とても嬉しく思います

いつもだいたいこんな感じで通っておりました。
病院へ行くたびに、「是非一度へ入らなきゃ」っていつも思っていました