にこにこ堂「ちえまる本舗!」

編み編み大好きなハマのおばはん。闘病の日々ですが、明るい気持ちで頑張っています!!負けないぞ!!

リハビリ病院と診療計画

2005-04-05 | 脳幹出血
【注】このイラストは、私の記憶の中のイメージで作成したものです。本物はもっと大きかったですねぇ~。

この病院は、脳卒中後遺症をはじめとし、脳血管疾患の機能回復訓練を中心とした、社会復帰を図る病院として、昭和41年神奈川県が開設したリハビリテーション専門病院だそうです。
入院区分としては、

 検査教育入院・・・・・・・・・・・・・・・・20床
    
  入院期間 一週間~一ヶ月程度

 早期リハビリテーション(急性期も含む)・・・44床

 一般リハビリテーション/・・・・・・・・・・360床
   
  入院期間 三ヶ月程度

 リハビリテーション教育入院・・・・・・・・・31床
 (脳卒中後遺症のため、一般リハビリテーションを終了したけれども、在宅生活を継続するため  にリハビリテーションの再訓練が必要と認められる方)
   
  入院期間 二ヶ月程度

きゅうちゃんのように、片麻痺の場合は発病後一年以内の方を入院の対象としているそうですが、発病後一年以上を経過していても、リハビリ治療の効果が期待できる方については対象とするそうです。
リハビリの一般過程を終了しても、まだもう少しリハビリを継続して、もっと身体が動けるようになりたい場合は、上記の「リハビリテーション教育入院」を許可してもらえるそうです。
また、逆に、日常生活動作機能が、種々の理由により減退傾向にあり、その防止のため、リハビリ治療が必要と認められる方も可能だそうです。


【きゅうちゃんの、この病院での「入院診療計画書」】によると、

 病名   脳出血・脳幹・高血圧

 症状   運動麻痺・仮性球麻痺・感覚障害・言語障害・

 治療計画 PT:移動動作訓練治療(乗り移り・立位保持・歩行)

              OT:片手動作訓練治療・ADL訓練治療
             
              ST:言語療法訓練治療

 検査内容および日程
             ・一般入院時検査:採血・尿・MRI or CT・心電図・レントゲン等
             
             ・定期検査(毎月一回):採血検査・心電図検査・尿検査等
             
              検査説明は異常と判断されない場合は致しません。
              適宜お問い合わせください
 推定される入院期間
              90日以内の入院期間を目標にするように指導されております。
              (一月上旬)
              治療必要と主治医が判断した場合のみ、入院期間を延長いたしま               す。

今日からリハビリ病院だよ!

2005-04-05 | 脳幹出血
10月1日(金)

朝6時半、予定通り、きゅうちゃんのお友達がパジェロで病院へ迎えに来てくださいました。
倒れてから車に乗るのは初めてです。しかも、車高がかなりあるのでみんなで心配しましたが、ゆっくりと動く方の手足をうまく使って乗り込むことができました。よかった
まだ身体が安定していないので、窓の上についている手すりに必死でしがみついていました。私も右側に坐り、しっかりと腕を掴んであげていたので大丈夫
病院は、厚木から更に40分ほど山奥に入ったところで、目の前に広がった、あまりに素晴らしい風景に私は思わず圧倒されました。
これからしばらくの間、週二回、ここへ来るたび旅行気分を味わいながら、この素敵な風景を眺めることができるのだと思うと、なんだか嬉しくなってしまいます。
その病院は脳血管障害の患者さんばかりで、まず玄関を入っていきなり全く違う世界に遭遇し、唖然としました。
それこそ完璧なる車椅子の世界です。何処を見ても車椅子だらけで、まさに車椅子が当たり前の風景といった感じです。
健常者の私の方が患者のような錯覚を覚え、なんとも異様な気分でした。
きゅうちゃんの病室は三階の三人部屋でした。同室のお二人の患者さんはこれから入院してこられるそうで、一番乗りだった私たちが、幸運にもベッドの選択権を手に入れることができたのです。やった~!!
当然のことながら、一番明るい窓際にしてもらい、とても喜んでいたのでしたがとんでもない!!問題はこれからでした。
担当医師との顔合わせで、しょっぱなから非常に不愉快な思いをさせられたのです。
たぶん先生も、脳幹出血の患者さんを扱ったことがなかったのでしょう。 今までの担当医からの紹介状を読み終えた後、突然呆(あき)れた顔をしたかと思ったら、こう言ったのです。
「普通の患者さんがこの病院に入院する時は車椅子で、退院する時はほとんど杖だけど、 あんたの場合は行きも帰りも車椅子だ。一生このままだね」
その瞬間、自分の顔つきがみるみる変わっていくのがわかりました。
な、な、なんてひどい!
あまりに失礼な言葉に、私はその場で殴ってやろうかと思いました。
とても医師が言うべき言葉とは思えません! 
もちろん私だって、退院する時は杖ではなく、「車椅子だろうな・・・」とは思っています。
しかし、これから一所懸命頑張ろうと張り切っている矢先だっただけに、余計腹が立ったのです。
この日は一日中ムシャクシャして気持ちが治まりませんでした。
でも、私の怒りとはうらはらに、きゅうちゃんは、別段気分を害した風もなく淡々としていました。
病院のまわりは、360度山に囲まれ、今にも牛の鳴き声が聞こえてきそうなくらい長閑(のどか)な所です。
温泉が出るらしく、あちこちにお風呂屋さんがありました。
とても心地よい秋の風が吹き始め、一年の中で最も過ごしやすい季節に、このような環境の良い病院へ来ることができたのはよかったのですが、きゅうちゃんはといえば、常に目が揺れているせいで、景色どころかテレビも見られないまま、三ヶ月にも及ぶ長くつらいリハビリと機能訓練の毎日を過ごしていたのです。
慣れないリハビリ生活の中で、今までのことやこれからのことなどを、いったいどんな風に考えていたのでしょうか?
 それを思うたび、私にきゅうちゃんのことを理解してあげられるのか、果たしてこれから先の心のケアをしてあげられるのだろうかと、とても不安でたまりませんでした。
後で入ってこられた患者さんも、後遺症がひどくて大変な思いをなさっていましたが、やはりきゅうちゃんの症状が一番重かったようです。


「脳血管リハビリセンターにて」(きゅうちゃんの手記より)

ここは完全な車椅子社会で、何でも車椅子が優先で、周りの人は、先生と看護師さんを除いて全員と言ってよいほど車椅子利用者なのです。
全箇所にちゃんと手摺が付いていて、生活がとても楽に過ごせるようになっていました。
その気になれば一日中立たなくても済むので、健康な時よりかえって快適かもしれませんね?
助かるはずのない私が、どうしたことか助かってしまったのだから、言うまでもなく、当然最悪の障害が残ってしまいました。
まず、目は景色が二重に見えて常に上下左右に揺れていますし、耳も左側がほとんど聞こえません。顔は左側の方がだらんと下がってしまっているのが自分でもわかるのです。
口も左側に曲がっていてしかも動かず、物が食べにくいし水分もたれてきてのみにくい。 も一つついでに喋りにくい! まるで幼児語です。
でも、命が助かったのだから良しとしなければいけませんね?
身体も、右半身が麻痺していて右手右足が全く動きません。平衡感覚も木っ端微塵(こっぱみじん)にやられてしまったので、回復しても一人では歩けないと言われました。
まるで足は腰からぶら下がっているような感じです。そしてこんなにも手足が重いものだとは思ってもみませんでした。
泥酔して意識を無くした酔っ払いを担ぐと、よく、「石の様に重たい」というのがわか
るような気がしました。