山形建築研究所-BLOG-休憩室

ここは建築設計事務所-山形建築研究所の休憩室です。
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山形建築研究所-BLOG-休憩室にお越しいただきありがとうございます。 私たちは、首都圏北部の中核と言われる宇都宮市に事務所を置き、栃木県全域をはじめ、関東近県を設計業務範囲の核として、住宅設計を主として行っている建築設計事務所です。 このブログは山形建築研究所の休憩室です。 イベント情報や現在進行中の建築現場のレポートをはじめ、住まい、建築にまつわる諸々の話、事務所や我が家での出来事等、日々感じた事などを趣味の写真を交えながら気の向くまま、勝手気ままに綴っていきます。 よろしくお付き合い下さい。

木のどこがいいの?

2015年05月18日 | オープンオフィス
先週、お邪魔した<高林のすまい>
杉のフローリングの上で暮らすご家族の様子を拝見させて頂いて・・・

どうして木がいいの
木材という材料は洋の東西古今を問わず古くから慣れ親しんできた材料です。
「気持ちがいい」「ぬくもりがある」「親しみやすい」「なんたって木」・・・なんて木という材料の話になると、みんな感性の部分でしか話さなくなってしまいますね。
感覚的ないい方が良くないと云っているわけじゃないんですけどね。
私自身も確かに木が好きですが、それでもやっぱり木を説明するときには好きになった女の子を親に話す時みたいに
「とにかくいいんだから・・・」とか「会ってみればすぐに分かってもらえるから・・・」的ないい方をしてしまいがち。


そんなことじゃいけない・・・といことで、ちょっとだけうんちくをご披露して。
水と太陽という生物が棲息するための条件とを満たすところに木が生えているということから人が生きることができる環境のシンボルとして感じること
何十億年前に地球に発生した植物、その木に対して生物の記憶として私たちは無条件に惹かれてしまう
・・・それが植物愛・・・というような解釈に私もそうだそうだと納得してしまうのですが、失礼ながら丹波哲郎氏的世界、また別の世界にのめり込んでしまいそうなのでいけないいけない。

木が暖かいというのは、木の細胞が無数の空気の粒を抱え込んだ、さながら断熱材のような材料だからということで説明ができます。
素足が触れる床の場合、熱伝導率が木の十倍高いコンクリートでは、見る見る足裏の温度が下がっていくのに対して、木の床では最初ちょっと下ってから後は逆に暖かくなる。
冬の冷たい布団に入ったときの理屈だと思っていただけると解りやすい。
ついでに言うと木の床は人が歩くための固さの嗜好尺度のちょうどいいところにあるらしい。
固すぎても柔らか過ぎてもくたびれてしまうので歩きにくいという。
もうひとつついでに云うと、木には吸湿性があるから高温多湿な日本では足の裏にかいている汗を吸ってくれるという働きもあります。
湿度を調節してくれるということは不快指数を和らげてくれるということであって、体感温度を調節してくれると云うことでもあります。
木の家が夏冬気持ちいいということは、まさにこのことを云うのですね。
木の家にいると落ち着くということも云われます・・・落ち着くって何だ、静かで刺激的でない環境。
静けさに一番関係の深い音に関して云うと、木は柔らかいからコンクリートやガラスのように音をはね返さない。
耳が痛くなるような高音や不快な低音は吸収してくれて、気持ちいい音だけが反射する。適性残響というのはこのことで昔から音楽ホールや劇場の室内の仕上は木材と決まっていたもの。

まだまだあるんですが今日のところはこのあたりで・・・続きをお楽しみに!といったところで、本日は写真はナシ。



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外と内をつなぐ

2013年06月07日 | オープンオフィス
日本の住宅の特徴は縁側や土間、庇など室内と室外の間につなぎ目となる中間的な空間があることだといわれています。
深い庇は強い日射しや雨から屋内空間を守り陰影のある美しい立面を形成しています。
土間や縁側は室内と室外空間を、あるときは繋ぎ、あるときは柔らかくさえぎる。
日本の気候風土と木造の柱梁構造がそうした空間をつくり出し日本人の空間の好みとして定着してきました。

私たち日本人は、小さな窓しか開いていない壁ばかりの部屋より外に大きく開いた部屋が好きです。
それも外が見えるだけでなく、人や風も通るような開口部を好んでいるようです。
広いウッドデッキやテラス、中庭などが室内とつながる外部空間であり、逆に室内にあって外部とつながるのが、サンルームや縁側、土間空間です。
そうしたつなぎの空間は、見た目だけでなく生活を内外に発展させ、空間を豊かにしてくれます。
雨の降っている日でも外気にふれながら外にいたい・・・
雨が降ってきたから洗濯物をとりこむとか、庭の自転車をしまいこむといった実利的なスペースとしてでもあり、
また、こころの問題としても、そのような内であり外であるというような空間が用意されていないと私たちの生活はみたされないでしょう。

ひとつの提案として・・・
庭に面した開口部に連続するデッキを用意します。それもできるだけ奥行きをとってあげて。
休日の晴れた日にデッキチェアを持ち出して落葉樹の木漏れ日の下で、読書三昧・・・なんてのはいかがでしょうか。
ここは屋根のない、壁で囲まれていない場所ですから、雨が降ったり、風の強い日には使えないでしょうが
部屋の中からデッキが見えるだけで、リビング空間の一部として十分に意識できるスペースです。

部屋のスペースとしては十分な広さがとれなかったリビングでも外の空間を取り込むことで、ゆったりとした大きなスペースとなり、
内と外がスムーズにつながって、ひとつの空間なんだと、感じ取れるような工夫をプラスしてみるとよいでしょう。
たとえば、室内の床面とデッキの床面を同じレベルに揃えてみます。間に入るサッシュのレールも歩行感を妨げないよう、できるだけフラットにしてやります。
内部と外部を仕切る建具も、内外一体で使うときには、できればそこにないと、邪魔にならないだけでなく、スッキリとして気持ちが良くなります。

見たい眺めのある方角や、生活を展開させたい外部空間に向けて開口部を設ける。
桟や枠のない大きなガラス窓を設けて、外には花や緑、素敵な椅子などが置いてあれば、視線はひとりでにそちらを向くでしょう。
ただし、真正面に富士山を見るような開口場ばかりでは単調になってしまいます。
たとえば、廊下の突当りに見える緑、高窓から見え空、小窓から差し込む光など、変化に富んだ開き方、見え方を工夫することが大切です。
市街地にある敷地では、一階にいる人の目の高さで良い眺望が得られるケースは少なく、良い眺望を得る方法を考えなければなりません。
二階リビングはその工夫のひとつでしょう。
公園や隣家の樹木、遠くの景色など、なんであれ見るべき場所が見つかれば、ともかくそちらに開口部を設けること。
どこにも良い景色がない場合は、自分の敷地内にその場所をつくるしかありません。
植栽で囲まれた庭、小さなプール、中庭等。トップライトだって、空を見るための大きな開口部と考えられるでしょう。


見たい場所がある一方、見たくない場所もあります。汚い街並み、店舗の裏側、隣家のトイレや浴室の窓、等々。
リビングやダイニングなど、普段、人がいる場所からはそれらが見えない角度、位置に開口部を設ける。
壁の向きや位置、袖壁など平面的な検討が必要になる場合もあります。
見たくないものが平面的に広がっている場合は、断面的解決が効果的です。
床や窓の高さを変え、垂れ壁や張りだしたテラスなどで、見たくないものを遮る。
植木や垣根などの植栽、すだれ、格子などの付属物、塀や物置などの外構も、見たくないものを隠すための手段になります。
見ないことと対になるのが、外部の目からプライバシーを守ることです。
平面、断面で考え、外構を利用するなど、考え方は隠すテクニックと同じです。
でも、他人の視線を気にしすぎると、周囲に対して閉じた住宅となって、冷たい街並みをつくることになってしまいます。
明るい外部から暗い室内は見えない、遠くの人の動きは気にならないなど、人間の心理を計算して閉じる範囲をとどめておく配慮も必要です。

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寝苦しい夜でも・・・

2011年06月24日 | オープンオフィス
東日本大震災の後、しばらく計画停電が行われました。
今までは<停電>そのものが遠い記憶の中のものだったのに、日常の中で電気が止まるという現実に誰もが直面することになりました。
電気が止まってしまうと、なんにも出来ないということに気付かされたようです。
ここのところ気温が上がって寝苦しい夜を過ごしていらっしゃることと思います。電気使用率も気になるところですが……

今日は『あかり』について・・・

キャンプに出掛けた時、夜の暗さと対照的な月や星の明るさ、想像以上にまぶしいくらいのランタンの光に気づく事があると思います。
暗さがあるから明るさがあるという単純なことに気付いたり、何か忘れていた光景を思い出したりすることがあると思います。

現代には、<暗がり>がなくなりました。家庭も職場も隅々まで明るく、どこでも新聞が読めるのが、明るさの常識のようになっています。
明るさは日本経済の成長、豊かさの象徴のように思われています。

<豊かな暮らし=明るい照明=明るい家庭>と思ってはいませんか?

日の出と共に働き、日が暮れると暗い安らぎの時間がやってくる。覚醒と安らぎの繰り返しの中でこそ、健やかな精神が育まれると思います。
夜になっても明るい生活を過ごす事でどこか、ひずみが必ず現れるように思います。

明るい照明=明るい家庭にはならないということ。家庭では、職場や学校とは違う環境が必要です。
夜は安らげる暗い夜を用意すること。これこそが本当の意味での「ゆたかさ」なのでは?

スイッチを入れればいつでも明るさを確保できる、一見便利なこのシステムがあかりを楽しむという文化を阻害しているのです。
あかりの楽しみ方には明るさだけでなく、光の拡散の仕方、高さ、色味、照らしたり照らされたりする方向、など様々な要素があります。
それをひとつずつ変えてみることにあかりの楽しさがあるのです。
ろうそくやランプのようなパワーの少ない光の時代のほうが、様々な工夫があったのではないでしょうか。
今はパワーに頼っているだけのように思えます。

まず、試しに天井にある明るい照明を消して、部屋の隅のスタンドのスイッチを入れてみては?
天井、壁、床と明るくするところを変えてみるだけで雰囲気は変わるはずです。
明るさの感じも変わり、意外と明るいことに気付くはずです。
こんな体験が「あかりっておもしろい。」という気持ちを芽生えさせてくれるでしょう。
これこそあかり文化の入り口です。
あかりを楽しむということは、おいしいものを食べたいという気持ちと同じです。
さまざまなおいしい光を楽しむことこそが、豊かな住まいの光りのあり方です。

寝苦しい夜にこそ・・・ぜひ!




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よそ見しながら・・・

2010年05月26日 | オープンオフィス
今日は、一日事務所のなかでモニターを眺めながら<カチカチ>と・・・
でも、ずっとそんな作業を続けているわけでもなくて、時には流れてくるラジオに耳を傾けたり、外の様子を気にしたり、
決して継続的に作業をしているわけでもないようで・・・まあ、時々よそ見をして

そこで・・・

おなじ作業ということで、家事の中での食事を作ること・・・<調理>という作業について、ちょっと・・・

調理という作業が労働かどうかということに関して、考え方は様々だと思いますが、
明らかに労働的であり、どこか義務的な部分があるように思います。
それに、調理という作業は、必ずしも連続的に、途切れなくするようなものではなく、
ところどころ節目を持ちながらしていく作業であるとするならば、
食事をつくりながらちょっと目を遊ばせて、ほかのものを見たり聞いたりすることがあってもいいように思います。

電化製品が発達するまでのキッチンは、外気温の変化に影響されない、なるべく涼しいところに配置すると決まっていました。
たとえば中廊下をはさんで北側とか・・・

しかし現在は住宅の温熱環境に対する性能の向上と、電化製品の進歩によって、
キッチンを配置する位置の自由度は上がってきたようです。

一般的には、シンク、レンジの前の壁はかなり有効な壁で、
そこに調理器具や、布巾、洗剤などがあったほうが便利であるには違いありません。

しかし、キッチンの機能性のみを追求するのではなく、遠くの山並みや、窓先にしつらえられた庭の緑を見ながら
調理できるような開口部がデザインできれば、暮らしを楽しむことが出来るように思います。

もしかすると、高価なシステムキッチンを入れるよりも、美味しい料理が出来上がるかもしれませんよ。(^^






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通風をデザインする!

2010年02月16日 | オープンオフィス
今日は(も)一日、事務所でマウスをポチポチと・・・写真もここのところ撮れない日が続いてしまって、
ブログネタにも困って、そんな時は、困ったときの<オープンオフィス>ということで。(^^;

通風をデザインする!と題して。(^^)
通風の目的は、熱気の排出(室温上昇の抑制)と建物内を抜ける気流による涼感を得ることにある。
日本のような亜熱帯の国では夏の時期はかなり暑い。
その暑さをエアコンで処理するようになってしまっているが、本当にそれで良いのか。
昔風に通風がきちんと取れるプランニングをしないで、できなかった部分を機械でカバーしてしまうのは考えものである。

プランをきちんとつくれば、夏の恒常風を取り込んで夏でも風がよく通る家をつくることは可能である。
風さえ通れば高温多湿の多湿の部分がかなりカバーできるから、日本の夏でも過ごしやくなるはず。
風速1メートルで体感温度が1℃下がるというのは、山登りで経験したこと。
子供の頃、ふすまをすべて開けて風の通る部屋でした昼寝の気持ちよかったこと。

通風計画を行う際には、風の入り口と出口を結んだ経路をイメージして開口位置を設定する必要がある。
隅角部の部屋などは異なる2面に開口を設けることで、風の入り口と出口を確保できる。
外壁面が1面しかない部屋は、部屋の窓から室内の開口、隣接する空間の窓まで通じる経路を設定する。
周辺が開けた敷地では特に、風上側に風の入り口となる開口部を設けることが有効。

さらに、通風の経路を想定するとき、平面だけではなく上下方向の経路を想定すると、より効果的に通風を利用できる。
たとえば京都の町家は、奥座敷の庭先にある小さな坪庭が、風の井戸となって、屋根の上を吹く恒常風が、
室内の風を吸い取る役割をもたせている。家の断面で家の通風を考えている。
上下方向の経路は、傾斜屋根を持つ空間や階段室などの吹抜け空間を利用するなどの方法がある。


一方、密集地の場合は風向きの予測が難しく、風速も低下するため、開口部の向きより開口面積の確保が重要となる。
その際、住宅密集地では防犯性に注意したい。
対策には、開口部への面格子、通風用のシャッターの設置や、連窓の小窓などがあげられる。
低層部の開口には、特に防犯に配慮しつつ開口面積を確保する工夫が重要となる。




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