湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

ツルムラサキ

2018-09-09 16:10:10 | コラム
人の食べ物の好き嫌い
もしくは
食べず嫌いだとか

たんに肉類が好きだとか
野菜類が嫌いだとか‥


肉については
魚も含めて
限られた食材だと思う

調理法は色々あれど
肉類に関しては
一言で終わる

『わたし、鶏肉がダメなんですぅ』 って。


しかし
野菜類ともなれば
いったい
どのくらいの野菜の種類があるのやら

まして
その家庭、そこの母親達の調理の仕方や
生まれ育った土壌や
親の好き嫌いによって
数限りない野菜の中での
何割しかの
ヘビーローテーションとなってしまっていることでしょう


食卓に上がってこない野菜は
徹底的に出てこないのが
それを物語っていよう


野菜の数が限りなく
季節ごとに存在し
また、時代の流れにもより
野菜の食べ方が変わったりするもの


そこに調理人の好みと
冒険心の無さは致命的に
シンプルな野菜さえも
その選択を狭めていく


私とて同じだった


まさか
ここにきて
こんなにも好きになってしまった野菜が現れるなんて

全くの食わず嫌い
いや、その範疇にも入っていなかった

ふと手にしたとき
あまりのその新鮮に
思わず店の方に聞いていた


青臭みはどうか
ぬめりはあるのか


古くから伝わる野菜なのに
何故こういう形で私と出会ったのか


兼業農家の方々が持ち寄り
小遣い稼ぎに開いたような小さな店で見つけた

『ツルムラサキ』

さっと茹でて
少し甘みをつけた胡麻和えにする
歯ざわりがよく
噛み締めたときに
少しだけぬめりが出てくるが
嫌なぬめりではなく
むしろのどごしに良い

そして
青臭みは
ほうれん草よりないくせに
ほうれん草より栄養価が高いという


気に入れば
何度でも
何度でも
食べ続ける癖のある私

笑ってしまうぐらい
今日も『ツルムラサキ』



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ススキの香りのする道を歩きに行こう

2018-09-09 10:11:14 | ポエム
その部屋の小さな窓から
空は見えてますか?


自分の中から
湧き出る嵐のような痛みや切なさを
幾晩も超えて来たのでしょう?


空を見ることも忘れてしまうほど
きっと祈りながら
ひたすらに超えてきたのでしょう?


手に繋がれたものが
棘のないバラの蔓だとしたら
こんな憂いは吹き飛んでしまうはずなのにね


鎖にも似た重いものは
あなたには一番似合わないこと
私は知っているよ



軽やかに
また、あの小道を歩きましょう

まだ見ぬ、秘密の花園を
私に教えてくれると言った人


もうすぐ
秋の風が吹く
ススキの香りのする季節


逢いにいくよ
抱きしめにいくよ


今の涙は
知らん顔して
どこかに
置き忘れたままにしておいて


逢えた時に
私と一緒に探しにいこう
そして
私と一緒に泣こうね






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