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WindowsCE FAN/Windows Phone FANのウェブマスター日記 2007年~2011年版です
Windows Phone FAN日記









MID (Mobile Internet Device) の存在意義
パソコンのフォームファクターのカテゴリは、時代とともに変わってきた。
今から30年前に「マイコン」「パソコン」という言葉が登場したあと、ラップトップの登場により、「デスクトップ」「ラップトップ」。やがて「ノートパソコン」が登場した。その後、「PDA」、「スマートフォン」ときて、昨年来 Intel によって盛んに提唱されているのが「ネットブック」「MID - Mobile Internet Device」というカテゴリだ。

昨年夏頃から、「低価格のノートパソコン」として大ブレイクした「ネットブック」と比べると、正直言うと、この「MID」というデバイスカテゴリがイマイチ、ピンとこなかった。そうした「MID」というデバイスについて、改めて存在意義を、提供者側の論理で語ってくれたのが、この記事だ。

(関連記事)
【レポート】 Moblinセミナー 基調講演(2) - MoblinのCore技術構成と次世代プラットフォーム
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/09/13/moblin02/?rt=na

記事中の引用だ。
「池井氏は、まず1999、2005、2009年のWebサイトアクセスランキングを提示し、新興サイトがランクに多く含まれることを指摘、これから、今後インターネットでどのようなことが起こるのかは予測が困難だとした。」

この結果、機器に求められる要素としては、この4点があるという。
・ 低消費電力で高性能
・インターネット最新技術を利用可能
・ソフトウェアの互換性
・ワイヤレスによる常時接続

上記の予測困難と言う要素は、2番目の「インターネット最新技術を利用可能」「ソフトウェアの互換性」に結びつくのだろう。こうした潜在的なニーズを満たすために、Intel が企画したのが、最新の Intel Core 2 Duo と命令レベルで互換性を持つ、組み込み向けの小型・省電力プロセッサ「Atom」だというわけだ。そして、ソフトウェアとしては、Linuxベースの「Moblin」を提供する。

なるほど。提供者側の論理としては、非常に綺麗に整理された結果のプロセッサ戦略であり、OS戦略であるというのが分かった。なんか、はじめて納得感がある説明を得た気分だ。

しかし、ユーザー側から考えると、まだ「MID」というデバイスはよく分からないことが多い。どういう場面で使えるのか、そしてその場面の中で遭遇する、どの程度のニーズを満たしてくれるものなのか、今ひとつピンとこないのだ。

とすると、インターネット・サービスを提供する側の立場に立ってみると、そうなる理由も分かりやすい。日本でののインターネット・サービスは、パソコンで使うユーザー向けと、携帯電話で使うユーザー向けに特化して日夜、様々なサービス事業者によって開発が続けられている。結果として、最新のサービスは、パソコン向けか、携帯電話向けに登場することになる。その結果、ブレイクしてサービスの利用者が増えてくると、スマートフォン向けが登場したり、テレビ向けが登場したりするわけだが、いずれも、オリジナルの使い勝手を実現できていないケースの方が多い。結果として、ユーザーも増えないし、サービスを提供する側でも力が入っていかない。

再びユーザー側に戻ってみると、そうしたときに何ができるか分からないデバイスをとりあえず買ってみるというのは、限られた層で留まってしまう。それよりは、既存のデバイスを置き換えてくれた方が手を出しやすい。

PDA に対してスマートフォンがとったアプローチのように既存の何かをアップグレードするか、ネットブックがノートパソコンに対してとったアプローチのように同じような機能なのに、価格を大幅に下げてくれた方がいいわけだ。

その点で「MID」というデバイスカテゴリには、まだネットブックや、スマートフォンを超えるデバイスが登場してきていないように思える。そんな中で、「Moblin」はすでに、Linux Foundation に移管されているし、インテルが何をしていくのかという点は、若干不明瞭であるが、かつてもそうだったように、やがては、市場のニーズにあったプロセッサを開発し、販売することにフォーカスしていくのではないか。その時「MID」というデバイスカテゴリが本当に生まれているかどうか。楽しみな反面、1年、2年という短期で考えるとかつて「PDA」が苦労してきたような難しさがあるようにも思う。
[ ニュース ] / 2009-09-14 02:15:19 コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




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