惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

うにてんてん

2011年11月09日 | わけの判らぬことを云う
別に何のことはない「ヴ」のことである。ひらがなで書いたら何か別の可愛いもののように見えたから題名にしたまでである。

もともと日本語にはない音である。英語ならv、ドイツ語ならwの音である。ややこしいのはドイツ語のwの場合で、英語ではこれは、特に語頭にある場合はたいてい「ウ」と発音するのだが、ドイツ語では当然「ヴ」なわけである。同じ名前が英語圏の文脈と大陸の文脈では異なる読み方をされている場合があるわけである。有名なのは「ウィトゲンシュタイン」と「ヴィトゲンシュタイン」、あるいは「マックス・ウェーバー」と「ヴェーバー」である。

カタカナ語の場合、「ヴ」はもともと日本語の音ではないからというのでバ行音で代替することも多いわけである。典型的なのは「ベートーベン」と「ベートーヴェン」である。

何をわけのわからないことを書いているのかというと、つまりこの「ヴ」表記というのは、これをやたらと嫌う人がいる一方で、逆に強烈なこだわりを持っている人もいるということである。

最終的には別に、外国語名をもつ対象を指示・識別する上で誤認が生じない限りはどっちだっていいじゃないかということにしかならない。それは言うまでもないことである。

しかしそうは言っても、この種の好み(嫌悪)というのは、その好み(嫌悪)を持っている当人にとっては、絶対的とは言わないまでも相当に強力ムヒな拘束力を持っているものだということも、まず間違いのないところである。たとえば社会学の偉い人が「ウェーバーじゃない、ヴェーバーだ!」と言ったら「先生、そんなのどっちだっていいじゃないですか」とは、権威権力関係の後腐れをさておいたとしても、それでも言いにくいことのはずである。なぜだろうか?
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