惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

THN1-3-13j

2011年11月08日 | THN私訳
3-13 非哲学的な半知識(承前)

この体系に説得力を与えている(give authority)主なものは、体系の各部分が根拠とする疑問の余地のない論証のほかに、各部分が互いに整合すること、部分のひとつが必然的に別の部分を説明することである。記憶に伴う信念は、判断に由来する信念と同じ本性をもつ。また因果の恒常的かつ一様な結合に由来する判断と、途中が途切れていて不確実な結合に依存する判断との間には、いかなる違いも存在しない。実際、互いに相容れない例があるところで行うあらゆる決定において、心はまずそれ自身の内側で分割され、過去に見て記憶している例の数によって、どちらの側にでも傾きうることは明らかである。この闘争(contest)は結局、観察事例の多い方に軍配が上がる。ただしその確証力は対立する事例の数に応じて減少する。半知識を構成する各々の可能性は、想像に対してそれぞれ別個に作用する。そして可能性の集成の大きな方が最後には勝つ。その時の力は優勢の度合いに比例する。こうした現象のすべてが上述の体系を直接的に(directly)導く。他のいかなる原理に基づくにせよ、これらの現象を満たし、かつ矛盾のない説明を与えることは、まったく不可能であろう。これらの判断は習慣が想像に及ぼす効果(結果)だと考えない限り、我々は永久に矛盾や不合理に苛まれることになるであろう。

(3-13おわり)
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