惰天使ロック

原理的にはまったく自在な素人哲学

「Thinking about the Real World」詳細目次訳(ver. 0.1)

2010年11月03日 | TRW私訳
なんの気なしに買って、ぱらぱらぱらーっと眺めているうちに、今年の冬はこれを読もうかという気になってきた。とりあえずいつものように詳細目次訳を作ってみる。毎度のごとくの注:このblogにあるMSWの私訳を読んだことのある人には周知のことだろうが、わたしの訳を真に受けると後でどんなひどい目に会うかわからないよ(笑)。

この本はドイツのミュンスター大学での講義をもとに編まれたものなので、出てくる人名もサール以外全員ドイツの人だろう、ということで名前のカタカナ読みもドイツ語読みにしているわけだが、読み間違いがあったらゴメン(笑)。

D.フランケン・A.カラクシュ・J.G.ミシェル編「ジョン・R・サール:現実世界について考える」目次
Dirk Franken, Attila Karakuş, Jan G. Michel (ed.), "John R. Searle: Thinking about the Real World"

編者まえがき
ジョン・R・サールの謝辞
略語一覧

■■第1部 イントロダクション──基礎的な現実と人間の現実 (J.R.サール)
※25ページの書き下ろし。「サール自身によるサール哲学概論」として読める内容と構成になっている。

イントロダクション
1. 心身問題:意識と志向性
2. 志向性の構造
3. 観測者相対と観測者独立・客観性と主観性
4. 言語論
4.1 話者の意味
4.2 意味の伝達
4.3 慣習
4.4 統語論
5. 合理性論
6. 言語の可能性
7. 社会的現実
8. 倫理学
9. 美学
結語

■■第2部 コロキウム I──ジョン・R・サールの哲学についての論文集
※各論文は通常の論文形式で書かれている。つまり題名と著者名の下にアブストラクトとキーワードがあり、本文は(だいたいは)イントロダクションから始まる。末尾には参照文献リストがある。以下は本文の項目見出しだけを列挙する。節番号のない論文は適当につけてみた。

●論文1 心的なものの目印(mark)としての主観性
キルステン・ブルカンプ、ダーク・フランケン、ダイアン・ツェクル
(Kirsten Brukamp, Dirk Franken, Diane Zekl)
1. イントロダクション
2. サールにおける存在論的主観性の概念
2.1 意識の存在論的主観性
2.2 意識の存在論的主観性から導かれること
3. 志向性と一人称存在論
3.1 「結合原理(connection principle)」とは何か
3.2 「結合原理」に対するサールの見解

●論文2 サールの内在的志向性の説明における諸問題
ダーク・フランケン、ダヴィド・P・シュヴァイカード
(Dirk Franken, David P. Schweikard)
1. イントロダクション
2. 主張1:志向性は現象的意識とまったく同じものである
3. 主張2:にもかかわらず、志向性は現象的質と同じものではない
4. 主張3:内在的志向性はいかにして共有されるのか

●論文3 サールの生物学的自然主義:ひとつの類型学
ヤナ・ブレックマン、キルステン・ブルカンプ、アッティラ・カラクシュ、ヤン・G・ミシェル、アルネ・M・ヴェーバー
(Jana Bleckmann, Kirsten Brukamp, Attila Karakuş, Jan G. Michel, Arne M. Weber)
イントロダクション
1. 自然主義とは何か
2. 「生物学的」は何を含意するのか
3. 「生物学的自然主義」とは何か
結語

●論文4 サールにおける心的因果:生物学的自然主義、もしくはそれに似た何か
ベアテ・クリッケル、アレクサンダー・ロイトリンガー
(Beate Krickel, Alexander Reutlinger)
1. イントロダクション
2. 心的因果の問題
3. サールにとって因果とは何であるのか
4. サールにとって心的状態とは何であるのか
5. ふたつの因果関係
5.1 垂直的因果
5.2 水平的因果
6. 生物学的自然主義は心的因果の問題を解決するのか
7. ひとつの示唆
8. 結論

●論文5 スキマ(gap)における行為?ジョン・サールの自由意志の概念について
キム・J・ブーストレム、アナ・ホナッカー、アーノルド・ツィーシェ
(Kim J. Boström, Ana Honnacker, Arnold Ziesche)
1. イントロダクション
2. サールの自由意志の概念について
2.1 決定論的世界のスキマ(gap)
2.2 両立主義は弱すぎる
2.3 機械論的な脳か、それとも量子論的な脳か
3. 疑問点と問題点
3.1 進化説(evolutionary argument)は機械論的な脳に対立するのか
3.2 我々はほんとにスキマ(gap)を経験するのか
3.3 「セカンド・チャンス」問題
3.4 何の自由なのか?
3.5 「非決定性(indeterminacy)」対「ランダム性」
4. 可能なバックドア
4.1 スキマ(gap)を説明する
4.1.1 スキマ(gap)は回避できない
4.1.2 スキマ(gap)は自己において閉じている
4.2 真の問題を回避しつつ、なお問題を解くということ
4.3 自由意志は幻想(錯覚)か?
4.4 両立主義を強化する

●論文6 サールの固有名詞論について、51年後の再論
アムレイ・バール、ヤン・G・ミシェル、ルドルフ・O・ミュラン、マレイケ・ヴォルツ
(Amrei Bahr, Jan G. Michel, Rudolf O. Müllan, Mareike Voltz)
イントロダクション
1. 新たな意味論的解釈
1.1 受け入れられた観点:サールによる決定記述のクラスタ論
1.2 問題
1.3 解決:直接参照
2. 認知言語学の観点から
2.1 記述主義における直観を説明する
2.2 感情、語り、記述
2.3 和解
結語

●論文7 サールの外部実在論(external realism)について
ヨハネス・コーブマーシャー、マークス・ポールマン、セバスチャン・シュモランツァ、アンスガール・ザイデ
(Johannes Korbmacher, Markus Pohlmann, Sebastian Schmoranzer, Ansagar Seide)
※この論文は節番号だけがあって見出しがない(泣)。

●論文8 自明・平凡・退屈? サールの概念的相対主義について
マークス・ザイデル、アルネ・M・ヴェーバー
(Markus Seidel, Arne M. Weber)
※この論文も節番号だけがあって見出しがない(くそーっ!)。

●論文9 社会的現実の構築における宣言型言語行為の役割
ベルント・プリーン、ヤン・スクドラレク、セバスチャン・シュトルテ
(Bernd Prien, Jan Skudlarek, Sebastian Stolte)
1. イントロダクション
2. 社会的現実の構築
3. 宣言型言語行為と制度的事実
4. 制度的事実の創出における宣言型言語行為の役割
5. 批評
6. 集合的宣言型言語行為
7. 結論

●論文10 記述的許容性を通じた規範的妥当性? なぜサールの社会的現実論は不完全なのか
セバスチャン・ムーダーズ、ヨハネス・ミュラー、シュテファニー・ミュラー、マークス・リューサー
(Sebastian Muders, Johannes Müller, Stephanie Müller, Markus Rüther)
1. サールと自然主義
2. 事実の階層性
3. 存在論と創発
4. 社会的事実と制度的事実の違いについてのサールの見解
5. 歴史的事実の視点(perspective of historiographical facts)
6. サールと道徳的規範性

●論文11 語り得ぬ言葉:サールにおける社会的事実の構成(constitution)
デニス・ベトゲ、ベネディクト・P・ゲッケ、クリスティアン・ツォイヒ
(Dennis Bätge, Benedikt P. Göcke, Christian Zeuch)
1. イントロダクション
2. サールの社会的存在論についてのコラム
3. サールは問題を提起している(beg the question)のか?
4. 言語行為論についての考察
5. 受容と認知(acceptance and recognition)についての考察
6. サール哲学を拡張する(Searle extended)

■■第3部 コロキウム II──各論文に対するサールの返答
※論文2への返答を除いて節見出し等はつけられていない。
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