「自由と行為の哲学 (現代哲学への招待Anthology)」
原著者:P.F. ストローソン, ピーター・ヴァン インワーゲン, ドナルド デイヴィドソン, マイケル ブラットマン , G.E.M. アンスコム, ハリー・G. フランクファート,
編者:門脇 俊介, 野矢 茂樹
訳者:法野谷 俊哉, 三ツ野 陽介, 近藤 智彦, 小池 翔一, 河島 一郎, 早川 正祐, 星川 道人, 竹内 聖一
春秋社刊
7net / Amazon
さっき注文してきた。ひと通り読んだら(いつのことかは判らないが・・・)感想を書こう。
今年の夏休みはまるまる一週間、実家の居間で高校野球を見ながら(!)ずっと「制度論の構図」を読んで過ごしていた。読むほどに、制度論や権力論を含む社会的存在論をこの本の先へ進めるには(あるいはこの本が、ひょっとすると不必要に難しく受け止められてしまっている、その場所から解き放つには)、まさに「自由と行為の哲学」が重要だということを改めて感じた。
(Aug.24,2010付記)
この本の目次が知りたい人が結構いるらしい。そういう検索語でググってこのblogに来る人がちらほらいるので、調べたら版元のサイトにも目次が掲載されていない。困った本屋だ。わたしは著者と訳者の名前のリストを見ただけで「これは買い」だと判断したわけだが、そういう人ばかりではないのである。
本は今日届くので、読む前に目次を書き写すことにしよう。この本自体がどうであれ、「自由と行為の哲学」への関心が高まることは、ほとんどあらゆる意味で望ましいことだとわたしは思っている。
●「自由と行為の哲学」目次と各論文の初出
序論 野矢茂樹
第I部 自由
第1論文 自由と怒り P・F・ストローソン (法野谷 俊哉訳)
P.F. Strawson, "Freedom and Resentment", Proceedings of the British Academy, 48, 1962.
第2論文 選択可能性と道徳的責任 ハリー・G・フランクファート (三ツ野 陽介訳)
Harry G. Frankfurt, "Alternate Possibilities and Moral Responsibility", The Journal of Philosophy, 66, 1969.
第3論文 意志の自由と人格という概念 ハリー・G・フランクファート (近藤 智彦訳)
Harry G. Frankfurt, "Freedom of the Will and the Concept of a Person", The Journal of Philosophy, 68, 1971.
第4論文 自由意志と決定論の両立不可能性 ピーター・ヴァン・インワーゲン (小池 翔一訳)
Peter van Inwagen, "The Incompatibility of Free Will and Determinism", Philosophical Studies, 27, 1975.
第II部 行為
第5論文 行為・理由・原因 ドナルド・デイヴィドソン (河島 一郎訳)
Donald Davidson, "Actions, Reasons, and Causes", The Journal of Philosophy, 60, 1963
第6論文 実践的推論 G・E・M・アンスコム (早川 正祐訳)
G.E.M. Anscombe, "Von Wright on Practical Inference", P.A. Schilpp and L.E. Hahn (eds.), The Philosophy of Georg Henrik von Wright, Living Philosophers Series Volume XIX, La Salle III: Open Court, 1980.
第7論文 計画を重要視する マイケル・ブラットマン (星川 道人訳)
Michael E. Bratman, "Taking Plans Seriously", Social Theory and Practice, 9, 1983.
第8論文 反省・計画・時間的幅をもった行為者性 マイケル・ブラットマン (竹内 聖一訳)
Michael E. Bratman, "Reflection, Planning and Temporally Extended Agency", The Philosophical Review, 109, 2000.
読書案内
後記
収録論文のデータ
索引
(Aug.28,2010)
訳者名に漏れがあったのを修正し、各論文に訳者名を加えた。まだちょっとずつしか読んでいないので感想を書くなどというわけにはいかないが、とりあえず、この本は「読書案内」も大変充実している、ということを追記しておこう。