瓢簞舟の「ちょっと頭に浮かぶ」

こちらでは小説をhttps://kakuyomu.jp/works/16816700427846884378

魂は記憶する。そして……

2019-01-20 17:10:45 | 随想
記憶にない、忘れてしまったことは無いことになってしまいますねえ。自分にとっては、ですけど。自分にとっては無いけれど、それは確かに在った。在ったけれど無い。

それがどうしたってなもんですが、そんなことを考えたら、なんだか感傷的になりまして。哀しくてねえ。

忘れている感じがしてならんのですよ。覚えてなきゃいけないことを忘れて、無かったことにしてしまっているような気がします、あたくしは。
でも、忘れているようで忘れていないとも思ってます。なんでそんなことに感情を揺さぶられるのだろう、と思うことがあったりもしますから。魂は何かを覚えているのでしょう。そのような事実を記憶していないだけで、事実を体験し揺さぶられた感情、それは刻まれ消えずに残っている。

過去だけの話ではありません。未来も。

未来をまだ無いものと認識しているのはその記憶が無いからです。記憶が無いことは存在しないことになってしまう。過去がそうであるように未来も。だからその記憶が無いだけで未来は既に在ると考えることも可能でしょう。
 
忘れているから思い出す作業をしているような気がします。追体験をしているのでしょう。何度も何度も。忘れては思い出し、思い出しては忘れて。形を変えて何度も。そうすることで芳醇になる。

私たちは今現在を生きているだけではなく、過去も未来も同時に生きている。生きるとは記憶を取り戻すことだからです。忘れていることを思い出すことだからです。過去の記憶も未来の記憶も。そして過去世も来世も。

繰り返すことで存在は熟成し、熟れきったらまた始めるのでしょう。


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