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春天の法則6

2011-04-30 11:19:05 | 長距離血統の法則
何がつまらないかって、人が見た夢の話を聞かされることほど、つまらない話はない。

社台の一人勝ち状態が続く競馬界で、一人気を吐くマイネル&コスモ軍団。それを率いるのはご存知、岡田総帥。
逃げ馬不在の今年の春天。そこで、軍師・岡田総帥が一計を案じた。総帥が送り込むのはマイネルキッツ、コスモメドウ、コスモヘレノスの3頭。いうまでもなく、大将格はキッツで、次いで軍団と繋がりが深い畠山厩舎&丹内のメドウで、三番手にヘレノス。本番を数日後に控えたある日、総帥は、それぞれの調教師と騎手を祇園の料亭に招き、壮行会を兼ねた作戦会議を開いた。

総帥は開口一番、こう言い放った。
「分かっちゃいるとは思うが、勝たせるのはマイネルキッツだ。いくら長距離実績があるからといって、変に色気を出すんじゃねえぞ。」
総帥の左右を陣取った国枝調教師と松岡Jは、当然のことだと無言で頷いた。
万葉S、ダイヤモンドSを連勝し、前哨戦の阪神大賞典で2着に入ったことで、俄然、色気が出てきたメドウを管理する畠山調教師。
「しかし…」と口を開いた途端に、「口ごたえするなら、今後、一切馬は預けねえ」と、言われた日には、沈黙するしかない。そして、その矛先は丹内にも向いた。
「おい、丹内。おめえも分かってるよな。これまで随分とオレの馬に乗せてやったことを。しかし、ありゃあ何だ?この前の阪神大賞典の乗り方は?メドウを勝たせるためのラビット役をてめえのコスモラピュタに任せたのに、何だあのペースは?あれじゃあ、ナムラのお膳立てをしてやったようなものじゃねえか?え?」
「いや、あれは松岡がナムラを深追いしたから…」と、反論したかったが、今後のことを考えてグッと堪え、コクリと頷いた。
「とはいっても、あれで松岡もナムラの脚が測れたわけで、本当はもっとマシなヤネに頼もうかと思ったけどよ、メドウとは2-0-0-2と相性の好いお前に任せるわ」と、一転、穏やかな口調になった総帥。
「だがな、調子こくんじゃあねえぞ。今回のお前の役割は『二の矢』だ」
と、一同の頭の中に「?」が5つほど並んだ。
「いいか、よく聞け。今回は『一の矢』をヘレノスに、『二の矢』をメドウ、そして『三の矢』はキッツ。名付けて『三本の矢作戦』だ!」
本来の意味とは違うよな?と、一同はお互い顔を見合わせたが、総帥はお構いなしだ。
「今年は、何が何でもハナ!という馬が見当たらない。聞くところによるとゲシュタルトが行きそうだが、行くなら行かせろ。マークするのはナムラクレセントとトゥザグローリーの2頭だ」
「3頭の中では、一番切れ味はないが一番しぶといヘレノスに2頭の後ろから突かせる。これが『一の矢』だ。ゲシュタルトが行かないときは、お前がハナを切ってビュンビュン飛ばしてもいい。そうすりゃ、どっちにしろ番手の2頭もペースが乱れるって寸法よ。まあ、どうせ人気にはならないから思い切って行け、思い切って。いいな分かったな、中谷?」
初乗りのアル共で3着に持ってきたご褒美で今回乗せてもらえるのかと思っていたものの、よくよく考えてみればそんなことはない。もし、ご褒美、いや中谷の腕を信じているのなら、その後の乗り替りはなかったはずなのだ。が、現実にはステイヤーズSでは松岡に、日系新春杯では丹内に、そしてダイヤモンドSでは外国人のベリーに乗り替り。要は今回はオレは「ラビット君」なのだ、とようやく悟った中谷に、刃向かうことなど出来っこはない。
「とはいうものの、あの2頭も結構しぶといのは百も承知。おそらくヘレノスあたりが絡んできても屁のツッパリにもならんだろう。まあ、何が何でも2周目の坂の手前までは絡んで絡みまくれ。いいな中谷。でだ、ここからが丹内の出番だ。いくら実力が違うといっても、道中執拗に絡まれれば最後まで息は持たない。そこで『二の矢』のメドウだ。ヘレノスが脱落しそうになると同時に、バトンタッチだ。で、おそらく2頭は下り坂の入り口から動いてくるはず。その外をピタリとつけて回って締めまくれ。なあに、メドウはスピードはないがスタミナ満点だ。スピードの無さは下り坂でチャラ。それには、メドウはヘレノスの直ぐ後ろにつけて、いつでも交代できるようにしておけ、いいな丹内?」
何か言いたそうな丹内。
「で、こうなると最後の直線の半ばで必ず番手2頭は脚が上がる。そこを『三の矢』の松ちゃんがズドーン!という寸法よ。ガハハハ!」と、既に勝った気で一人悦に入っている総帥。
「でも、前に行くトゥザグローリーとナムレクレセントは潰せるとして、後方待機の切れ味満点のロズキン、エイシン、ペル公は…昨年もジャガーメイルに差されたし…」
と、勇気を振り絞って丹内が聞いてみた。
「は?おめえ知らねえのか?そんなもん、届きっこないに決まってるだろ!ま、しょうがねえか、こんな大舞台で乗ったことないもんなあ。あのな、春天ってのはなあ、少なくとも4角で中団より前にいないと差しは届かないようになってんだよ!去年のジャガーも4角では5番手だ。いくら33秒台が使えるからといっても、後方一気じゃあ絶対に届かない。それを意識して下り坂で中団に取り付こうものなら、最後の直線での切れ味が削がれるんだよ。こんくらい覚えておけ!」
と、ひとしきりウンチクを垂れた総帥。
「あとは、昨年みたいに勝気に急いで早めに先頭に立たないようにな!松ちゃん!」
と、最後の最後で松岡にも釘をさすことは忘れない。
「さ、今夜は前祝いといきまひょか?」と、最後は、何故だか関西弁になり、しかも壮行会&作戦会議だったはずが前祝いになってしまった総帥であった。

と、以上が昨夜見た夢である。
いや、マジで。















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