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春天の法則4

2011-04-29 13:24:29 | 長距離血統の法則
今年の春天は、いつになく豪華メンバーが揃い、見所満載。4歳馬VS5歳以上馬の世代間対決、4歳馬同士の覇権争い、あるいは社台グループVSマイネル軍団。そして、血統的に最も興味があるのが、SS系VSキングマンボ系の対決。
出走馬18頭中8頭を送り込んだ常勝軍団SS系。一方、キングマンボ系は、昨年、15年間もの長期にわたりリーディングサイアーの座に座り続けた『父SS系政権』(95~07年サンデーサイレンス、08年アグネスタキオン、09年マンハッタンカフェ)を崩壊させ、新時代の幕開けを感じさせたキングカメハメハ2騎を筆頭に、5頭を送り込む。これからの種牡馬勢力を占う意味でも、この対決は見逃せない。

昨年こそSS系の牙城を崩したキンカメではあるが、2歳リーディングでは新種牡馬のディープの2位に甘んじた。現在の総合ランキングでもマンハッタンカフェに次ぐ2位である。ロズキンは、JC勝利のあと勝ち星から遠ざかっており、一人気を吐くトゥザグローリー1頭だけでは、2年連続のリーディングサイアーは覚束ない。ディープの勢い、マンカフェの安定感を考えるとこのままでは、『三日天下』になりそうだ。

■血統傾向■

SS産駒の春天初出走は96年になるのだが、以降ここまで【4-3-3-27/37】と4頭の春天馬を輩出しているのだが、二代目SS系種牡馬からは、いまだ春天馬は出ていない。二代目SS系種牡馬の中でも『長距離四天王』のダンスインザダーク、スペシャルウィーク、ステイゴールド、マンハッタンカフェ4頭の産駒の芝3000m以上のレースの成績は【12-11-10-81/114】であり、その勝利は全てダンスインザダークによるもの。だが、昨年も書いたが、このダンスインザダークにとって春天は鬼門なのである。

<SS系長距離四天王種牡馬~芝3000m以上の成績>
ダンスインザダーク:12-7-6-50/75
スペシャルウィーク: 0-2-1- 9/12
ステイゴールド  : 0-1-1- 8/10
マンハッタンカフェ: 0-1-2-14/17

春天より200m短いだけの菊花賞では【3-2-0-6/11】と3勝2着2回の好成績を収めるダンスであるが、何故だかこの春天では【0-0-1-15/16】と、未だ勝てずじまいで、03年ダイタクバートラムの3着が最高着順である。昨年も09年菊花賞2着、ステイヤーズS1着、10年ダイヤモンドS1着と抜群の長距離適性を見せていたフォゲッタブルだが、本番で1番人気に推されるも6着に敗退した。今年も懲りずに出てくるようであるが、実はこの馬にはもう一つの『春天鬼門血統』を持っていることを忘れてはいけない。(これも昨年書いたけど。)

フォゲッタブルの母は名牝・エアグルーヴで、その父はトニービン。実は、このトニービンというのもダンスと似たり寄ったりで、とにかく春天とは相性が悪いのだ。

<父、母父トニービンの芝3000m以上の成績>
父 :2-6-7-34/49
母父:4-6-5-34/49

ご覧の通り、決して芝3000m以上が苦手というわけではなく、むしろ種牡馬の中ではスタミナ勝負に強い部類に入る。だが、これが春天となると、全く勝てなくなるのだ。

<父、母父トニービンの春天での成績>
父 :0-1-0- 7/ 8
母父:0-1-0-13/14

馬券対象になったのは、父、母父合わせて22頭中たったの2頭という大不振。ちなみに菊花賞での成績は父で【0-0-3-10/13】、母父で【0-3-0-8/11】と、いくらか春天よりましではあるが、こちらも未勝利なのは変わらない。しかし、トニービンの後継種牡馬であるジャングルポケットに関しては、まだ6世代での成績ではあるが、昨年の春天馬ジャガーメイル、08年菊花賞馬オウケンブルースリと、父トニービンよりは勝ちきれる傾向があるのかもしれない。

で、キングマンボ系。
今年の春天には、キンカメ産駒2頭をはじめ、キングズベスト産駒2頭、そしてエルコン産駒1頭の計5頭が出走する。この5頭の源流は言うまでもなくミスプロ系キングマンボ。skaizerさんが、コメントしているように、キンカメ産駒に長丁場は似合わないイメージが付きまとう。それは、キンカメはアメリカンダート血統のミスプロ系であることや、自身がNHKマイルカップ、ダービーを連勝したが3000m以上での実績がないなど、確固たる根拠がないことに起因する負の先入観。現にロズキンは昨年の菊花賞で2着には入っているものの、やはりベストは中距離あたりか?とか、トゥグロは菊を避けマイル路線に進んだ経緯も手伝って、どうしてもステイヤーというイメージが沸いてこない。
だが、先入観を捨てて冷静に現実に眼を向ければ、自ずと真実が見えてくる。

キングマンボ産駒の芝3000m以上での成績は【0-0-0-1/1】(03年ダイヤモンドS10着のタイキダイナスティ)だけであるが、その後継種牡馬の成績は合計で【8-5-3-25/41】というもの。

<キングマンボ系種牡馬芝3000m以上の成績>
エルコンドルパサー:6-3-3-25/37
キングカメハメハ :0-1-0- 0/ 1
キングズベスト  :2-1-0- 0/ 3

<キングマンボ系産駒芝3000m以上の成績>
トウカイトリック(エルコン産駒) :4-3-3-14/24
コスモメドウ(キングズベスト産駒):2-1-0- 0/ 3
ソングオブウインド(エルコン産駒):1-0-0- 0/ 1
エアジパング(エルコン産駒)   :1-0-0- 0/ 1
ローズキングダム(キンカメ産駒) :0-1-0- 0/ 1

ご覧の通り、キングマンボ系の芝3000m以上の成績の殆んどは、トウカイトリックに拠る所が大きいのであるが、05年春天馬のスズカマンボの母父もキングマンボである。確かにトウカイトリックとコスモメドウの2頭により底上げされている感はあるものの、芝3000m以上重賞を制した馬を5頭も輩出しているキングマンボ系は、決して長距離適性がないわけではなく、むしろスタミナ勝負ドンと来いのタイプが多いのだ。

今回出走するキングマンボ系産駒の中で、最も距離適性を疑われそうなのはおそらく昨年のダービー馬であるエイシンフラッシュではないだろうか?その理由を各メディアは「母系がドイツ系」に求めているが、騙されてはいけない。母ムーンレディはドイツのセントレジャー(菊花賞に相当)の優勝馬である。
エイシンフラッシュがダービーを制したその日、時を同じくして遠く異国のイギリスで行なわれたダービーを制したのは、エイシンと同じキングズベスト産駒のワークフォースである。そして、そのワークフォースの母父はサドラーズウェルズ。この血統構成はコスモメドウと同じ。(お、ここでもロイヤルウェディングのイギリス繋がりが出てきた。これは押さえとかないとね。)さらにワークフォースは、ダービー制覇の勢いのまま凱旋門賞をも制し世界の頂点に登り詰めた。思えば、キングマンボの血を日本にもたらせたエルコンドルパサーの母父もサドラーズウェルズである。惜しくもハナ差で勝利を逃したものの99年凱旋門賞で2着。スタミナがなければ、芝の深いロンシャンの森、しかも不良馬場はこなせるはずもない。

いまや世界標準となった感のあるキングマンボの血。その血を日本でも隆盛させるには、まずはSS系の牙城を崩さなければならない。「最強馬決定戦」である春天を制することこそが、キングマンボ系に課せられた至上命題なのである。

☆史上最強のキングマンボ軍団☆
 4ローズキングダム…キングカメハメハ×SS
 9トゥザグローリー…キングカメハメハ×SS
14トウカイトリック…エルコンドルパサー×シルヴァーホーク
15エイシンフラッシュ…キングズベスト×プラティニ
18コスモメドウ…キングズベスト×サドラーズウェルズ


スタミナでは間違いなくSS系を凌駕するキングマンボ系。もはやSS系は眼中になく、敵はマイナー系種牡馬か、あるいは身内に潜んでいる。













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