第391話 旧姓

2011年10月25日 20時45分03秒 | Weblog
孫の中で私が一番おばあちゃんに似ている。
そのおかげかおじいちゃんにも一番可愛がってもらえた。(気がする)
子供の頃、おばあちゃんと近所のスーパーまで手をつないでよく歩いた。

告別式の日、私は主人と主人の両親と共に会場後ろの方に座る。
弟と弟の嫁(義理の妹)が二人並んで挨拶をしているのを正面に眺めながら、
不思議な感覚であった。
おばあちゃんと義理の妹とのつきあいはまだ1年にも満たない。
涙を流しながら挨拶をする妹を見ながら、
私がもしも結婚していなかったら、T家の人間としてあそこに並んでいたのかな・・・と。

改めて、旧姓である立場を知る。
結婚した時、あぁもう私はT家(旧姓名)のお墓に入れないのね・・・
(順調にいけば)お父さんとお母さんと一緒のお墓には入ることができないのね・・・
と思ったものが、今回の告別式でもまた姓が変わったことを痛感した。
私は両家の娘でありたいと思うが、主人が私のことを「N家の人間」と言う。

妹(義理の)のお母様がご焼香にきてくださった。
T家の嫁として長男の長男(弟)の隣りで挨拶するわが娘を見つめ、
柔らかな微笑を娘に送り、去っていく。
その家の姓になり、その家を守っていく。 女性というのは、すごいなと思う。
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