伊集院静著 集英社 2017
カゼひいてふとんやこたつに入って読みました。
おもしろかったです。
竹鶴さんはいつ出てくるのかなと思ったら、下巻の後半になって登場しました。
鳥井さんは商人、竹鶴さんは技術者であり、サントリーが今も鳥井家が経営しているのとニッカがアサヒビール傘下になったのもうなずけます。
この本で一番盛り上がったのは信治郎が薬種問屋で丁稚修行をするところです。
そこで店の主人と一緒に合成洋酒作りに励みます。
この辺が日本っぽいです。
別にお酒がホンモノじゃなくたっていいのです。
安く手軽に出来て、おいしくて売れればいいのです。
でも、作り物は結局ホンモノにはかなわないことを信治郎は知ります。
そこでウイスキーを本格的に作ることを目指すのです。
信治郎の信心深さが回りまわって彼を救うのが読んでいてすっきりします。
私ももう少し信心しようかな。