鹿島茂著 文芸春秋 2011
Ⅱ論語篇を読み終わりました。
どうしても青年時代に比べて、中年、老年時代を読んでいくのは時間がかかりました。
時代が対米戦争へと進んでいく中、渋沢栄一はなんとか戦争を回避しようと努力します。
しかし、民間人となった渋沢にとって直接政治に関わらないことは、日米関係を直接動かすことができないというジレンマにつながります。
それでも、老年となった彼は民間人としてできる限りのことをしました。
昭和6年、彼は91歳で亡くなります。
彼が目指した官民が対等な日本社会は戦争によって崩壊します。
読み終わって、よく生きるためには自重することが大切なんだと感じました。
で、かつて朝鮮で渋沢栄一の肖像が描かれた紙幣があったということがおもしろかったです。
10000円に渋沢栄一が描かれる頃、この国は今よりもっとよくなっていると思いたいです。