ヴィクトール・E・フランクル著 池田香代子訳 みすず書房 2002年
「夜と霧」を読まなければという思いは大学生時代からあったのですが、重そうな内容を恐れて逃げていました。
が、ようやく読むことができました。
といっても、元々の「夜と霧」ではなく読みやすそうな新版を読みました。
確かに読みやすい。すっと読むことができました。
アウシュビッツ収容所のことは概念として知っていましたが、具体的に知っていませんでした。
ナチスドイツが行ったことは国家として徳がない。こんな徳のない国家が永続することはなかったのだと感じました。
といって、日本も同時代に同じようなことをしていた徳のない国家だったわけですけれど…。
この本を読むと、悲惨な状況の中で、誰を恨むでなく、日々を耐え忍ぶことが、結局生き抜くことにつながるのかもしれないという考えに至ります。
彼が収容所の中で想い描いた美しい妻と再会できたのか?その結果は旧版訳者のあとがきにあります。
その悲しい結果をあとがきで知るのが、さらに悲しさを増します。