森瑤子著 学研 1988
「望郷」という本があることは知っていました。
しかし、その内容がリタとマッサンの物語だとは知りませんでした。
リタのWikipediaで紹介されていたので図書館で借りて読みました。
最近の評伝でマッサンがリタの家を初訪問した時はリタのお父さんは死んでいたこと、リタはマッサンをマサタカと呼んでいることあたりが実際と違うところでしょう。
さすが森瑤子さん筆が走っています。
大みそかの夜、リタはマッサンの下宿を訪れ、二人で大広場の年越しセレモニーに出かけます。
その夜、二人は結ばれます。この辺はドラマチックです。
しかし、この小説、本当は書くはずだったリタの胸を焦がすような望郷の念にはあまり触れず、リタの晩年は年表で済ませてしまっています。
これは当時はまだ事実を知る関係者がたくさんいたことも影響しているのかもしれません。
ということでマッサン関係の本はこれくらいにして、次は「琥珀の夢」を読んでいます。
伊集院静さんの書いたサントリー創始者鳥井信治郎の物語です。