三尊窟…『北斎漫画』五編

三尊窟…伊豆半島下田の近く。
北斎画では
船が、荒れくる奔流に揉まれているが
波の静かな晴れた日にこの洞窟に入ると
金色に輝く三体の仏像が現れるという…。
伝説では
重病の子をかかえた猟師が
近くの寺に朝夕願掛けをしていたところ
夢枕にたった観音様が
｢洞窟の海底にある鮑を食べさせよ｣
小舟で漕ぎ入ると三体の仏様が。
目が眩んでひれ伏し目をあげると
舟のなかに鮑がいっぱい。
これを食べさせ子の病が癒えた…と。